さいたま地方裁判所 平成11年(ワ)474号 判決 2002年1月24日
主文
1 被告は,原告に対し,249万9202円及びこれに対する平成6年12月27日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを10分し,その9を原告の,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請求
被告は,原告に対し,2590万4801円及びこれに対する平成6年12月27日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
本件は,交通整理の行われている交差点において,原告運転の普通乗用貨物車と被告運転の普通乗用自動車との衝突があり(以下「本件事故」という。),原告が,被告に対し,民法709条に基づき,損害賠償及びこれに対する本件事故発生日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めた事案である。
1 当事者間に争いがない事実
(1) 本件事故の発生
ア 日時 平成6年12月27日午後7時45分ころ
イ 場所 埼玉県朝霞市A B丁目C番D号先の交差点(以下「本件交差点」という。)
ウ 加害者 被告
エ 被害者 原告
オ 事故態様 本件交差点を青信号に従い和光市方面から志木市方面に向かって直進中の原告運転の普通乗用貨物車の左前部に,本件交差点を左方から進行してきた被告運転の普通乗用自動車が衝突した。
カ 結果 原告は,本件事故により,頚部捻挫,前胸部打撲,左骨盤打撲,腹部打撲の傷害を負った(なお,原告は,本件事故により,右肩鎖関節損傷の傷害を負ったと主張し,被告も傷病名は認めるものの,後記のとおり,同傷害と本件事故との因果関係を争っている。)。
(2) 責任原因
被告は,交通整理の行われている交差点に進入するに当たっては,信号にしたがって進入すべきであるのに,これを怠り,赤信号を無視して本件交差点に進入した過失があるから,民法709条に基づく責任が存する。
2 争点
(1) 本件の主たる争点は損害額であるが,さらに,各損害項目に関しては以下の点に争いがある。
ア 治療費,通院交通費,通院慰謝料に関し
(ア) 本件事故による右肩鎖関節損傷受傷の有無
(イ) 症状固定日
イ 休業損害の有無
ウ 逸失利益,後遺障害慰謝料に関し
後遺障害(右肩鎖関節機能障害,右肩鎖関節部及び周辺部神経障害,頚部神経障害)の有無及びその等級
(2) 原告の主張
ア 治療費 4万7310円
(ア) 原告は,本件事故により,前記1(1)カの傷害及び右肩鎖関節損傷の傷害を負った。
(イ) 原告の症状固定日は,平成9年4月28日である。
(ウ) 未だ治療費の給付を受けていない平成9年1月から症状固定日である同年4月28日までの治療費額は前記金額である。
イ 通院交通費 1万6640円
前記アと同様に,平成9年1月から症状固定日である同年4月28日までの合計額である。
ウ 通院慰謝料 150万円
原告は,本件事故発生日である平成6年12月27日から症状固定日である同9年4月28日まで,E総合病院に通院したが,同期間(451日)の通院慰謝料としては,前記金額が相当である。
エ 休業損害 667万2190円
(ア) 原告は,本件事故当時,F工業株式会社(以下「F工業」という。)及び株式会社Gに勤務していたが,本件事故による傷害のため,就業することが不可能になり,平成7年5月15日には両社を退職せざるを得なくなった。
(イ) そして,同日以後平成9年4月28日まで,前記傷害により就労することができなかった。
(ウ) したがって,前項の期間,前記金額相当の損害を被った。
なお,原告の退職前1か月分の給与手取額は,28万3923円である。
(計算式)28万3923円×23・5月
オ 逸失利益 1186万8661円
原告は,本件事故当時当時344万5965円の年収があり,今後少なくとも26年間は就労可能であるところ,本件事故により,右肩鎖関節機能障害(12級6号),右肩鎖関節部及び周辺部神経障害(12級12号)及び頚部神経障害(14級10号)の後遺障害(併合11級)が残り,労働能力を20パーセント喪失した。そこで,新ホフマン係数を用いて計算すると,逸失利益は前記金額となる。
カ 後遺障害慰謝料 350万円
前記オの後遺障害等級に照らすと,後遺障害慰謝料としては,前記金額が相当である。
キ 弁護士費用 230万円
(3) 被告の主張
ア 治療費
(ア) 原告は,本件事故により前記1(1)カの各傷害及び右肩鎖関節損傷の傷害も負ったと主張するが,後者については否認する。
原告が通院したE総合病院の診療録(乙6及び乙7)によれば,右肩鎖関節損傷の症状は,事故直後にはその所見がなく,本件事故から6か月経過した平成7年5月25日に初めて現われたものであり,H医師作成の意見書(乙8)によれば,レントゲン上も器質的損傷は認められないから,現時点で,原告に同傷害が存するとしても,本件事故とは因果関係がない。
(イ) 前記(2)ア(イ)は否認する。仮に,本件事故により,右肩鎖関節損傷の傷害を負ったとしても,その症状固定日は,遅くとも平成7年6月末日というべきである。
(ウ) したがって,原告の請求する治療費は,症状固定日以後のものであるから,本件事故と因果関係がない。
イ 通院交通費,通院慰謝料
いずれも,前記ア(ウ)と同様の理由により否認ないし争う。
ウ 休業損害
(ア) 前記(2)エ(ア)のうち,原告が本件事故当時,F工業及び株式会社Gに勤務していたこと,平成7年5月15日に同社を退職したことは認め,その余は否認する。
(イ) 前記(2)エ(イ)は否認する。診療録(乙6号証58頁)によれば,平成8年2月5日には医師により就労可能との判断がなされているから,同9年4月28日まで就労不能であったとはいえない。
(ウ) 前記(2)エ(ウ)のうち,原告の退職前1か月分の給与手取額については認め,その余は否認する。
エ 逸失利益
前記(2)オのうち,原告の本件事故当時の年収額は認め,その余は否認ないし争う。
仮に,右肩鎖関節損傷を原因とする後遺障害が存在したとしても,その等級は,自賠責保険の事前認定のとおり右肩関節神経症状として14級10号とするのが相当であり,その症状に照らせば,労働能力喪失期間は長くとも3年というべきである。また,中間利息控除の計算については,新ホフマン係数ではなく,ライプニッツ係数を使用するべきである。
オ 後遺障害慰謝料
前記エと同様の理由により,否認ないし争う。
カ 弁護士費用
争う。
第3当裁判所の判断
1 争点ア(ア)(本件事故による右肩鎖関節損傷受傷の有無)について
(1) 証拠(甲20ないし30号証,乙2号証,乙6及び7号証,原告本人)によれば,以下の事実が認められる。
ア 原告は,本件事故当日,救急車でE総合病院に搬送された。原告は,当初は前胸部打撲による吐き気を訴えたが,レントゲンによっても骨折は確認されなかった。翌28日には頚部及び骨盤の痛みを訴え,頚部捻挫,右骨盤,前胸部打撲により約10日間の安静加療を要する見込みであると診断された(乙7号証40頁)。
なお,右骨盤打撲については,平成7年1月27日付けの診断書(乙7号証39頁)により左骨盤打撲と改められた。
イ その後,しばらくは頚椎及び左腹部の痛みに対する治療が行われたが,同年2月21日,原告が右三角筋部の痛みを訴えたため,右肩のレントゲンが撮影されたが,骨折は確認されなかった。また,同日,右肩の可動域制限について検査が行われたが,屈曲(挙上)180度,外転180度,伸展60度であったため,可動域制限はないと診断された。そのため,同年3月27日付けの診断書(乙7号証37頁)では,病名として外傷性頚部症候群のみが記載されたが,同日の診察(乙6号証16頁)では,原告は肩甲挙筋の圧痛を訴えていた。
そして,同年4月27日付けの診断書(甲20号証)では,傷病名として,前胸部打撲,頚部捻挫,左骨盤打撲,腹部打撲の他,「右肩挫傷」が加えられ,同傷害の治療開始日としては,原告が右三角筋部の痛みを訴えた同年2月21日と記載された。
同年5月20日の診察(乙6号証21頁)では,原告は僧帽筋の圧痛を訴え,同月25日の診察(同号証22頁)では,肩鎖関節に圧痛を訴えており,以後,原告に対する治療は,右肩鎖関節に関するものが主となった。
診断書上も,同年6月6日付けの診断書(乙7号証34頁)において,傷病名として,頚部捻挫,前胸部打撲,右肩鎖関節挫傷が記載され,いずれも本件事故当日の受傷と診断されている。
(2)ア 以上認定の事実によれば,原告は,本件事故により,頚部捻挫,左骨盤打撲,腹部打撲の傷害の他,右肩鎖関節損傷の傷害を負ったことが認められる。
イ これに対し,被告は,右肩鎖関節損傷の所見が本件事故から約6か月後の平成7年5月になって初めて現われたものであり,レントゲン上も同所見は認められないとして,同傷害が本件事故に起因するものではないと反論する。
しかし,前記認定によれば,原告は,平成7年2月21日には,右三角筋部の圧痛を訴えているところ,証拠(甲37号証)によれば,三角筋は肩鎖関節や肩甲上腕関節を包み込むように被う筋肉であり,これら関節の様々な疾患により三角筋部に疼痛を感じることが非常に多いことが認められること,前記認定のとおり,同年4月27日付けの診断書にも右肩挫傷が記載され,同年6月6日付の診断書でも右肩鎖関節挫傷が本件事故当日受傷した旨記載されていることなどからすれば,原告は,同年5月25日以前から右肩痛を訴えており,同日の診察によりその部位が特定されたというべきであり,同日になって初めて右肩鎖関節損傷の所見が現われたことを根拠とする被告の主張は採用することができない。
また,証拠(甲14号証の1,甲37号証,甲40号証及び乙14号証)によれば,原告の右肩鎖関節損傷はⅠ度(関節の捻挫)であり,Ⅰ度の肩鎖関節損傷の場合,レントゲンは正常像であることが認められるから,レントゲン上明らかな所見がないとしても,前記アの認定を覆すものではない。
2 争点ア(イ)(症状固定日)について
(1) 原告は,症状固定日を平成9年4月28日と主張し,その根拠として,同日付けの診断書(甲12号証)を挙げる。なお,原告が本件事故により負った傷害のうち,左骨盤打撲及び腹部打撲については,証拠(乙6号証)によれば,平成7年1月10日に左側腹部の痛みは軽快した旨の記載がある以後,診療録上記載がないことが認められ,弁論の全趣旨にかんがみても,同傷害は,このころ治癒したと認めるのが相当であり,また,頚椎捻挫については,証拠(甲37号証,乙6号証,乙8号証の1)によれば,診療録上,平成7年6月10日以後頚部に関する記載がなく,同年7月22日から26日まで頚椎牽引が行われているに過ぎないことから,遅くとも同年7月末日には頚椎の症状は消失ないし軽快したと認めるのが相当であるから,原告の主張する前記症状固定日は,右肩鎖関節損傷の症状固定日であると解される。
確かに,前記1(1)で認定したとおり,平成7年5月25日に右肩鎖関節損傷が確認された以後は,治療内容の主眼も頚椎捻挫から右肩鎖関節損傷へと移行しており,平成9年1月20日付け診断書(甲9号証)においても,右肩鎖関節損傷については,未だ治癒に至っていないと記載され,治癒見込時期として同年4月と記載されている。
しかし,損害賠償訴訟における症状固定とは,負傷に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても,その効果が期待し得ない状態で,かつ,残存する症状が,自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達することをいうのであり,必ずしも「治癒」と同義ではない。
(2) そこで,右肩鎖関節損傷について,症状固定日を検討するに,証拠(甲14号証の1,甲39ないし41号証,乙2号証,乙6号証,乙8号証の1,乙14号証)によれば,①原告の右肩鎖関節損傷はⅠ度のものであり,Ⅰ度の肩鎖関節損傷に対しては保存的療法が行われるのが一般的であるところ,E総合病院においても,原告に対しては,腱鞘内注入ないし関節内注入等の保存的療法が行われていること,②原告に対する治療の効果としては,診療録上肩鎖関節損傷が明記された平成7年5月25日から翌8年9月ころまで,注射により4日程度は圧痛が軽減ないし消失するというものであったこと,③診療録(乙6号証)上,平成7年7月3日には,症状不変との判断がなされ,平成7年8月15日付けの治療経過に関する担当医所見(乙2号証)でも,当時残存する症状としては,右肩痛であり,リハビリ局注による治療をしているも,症状固定に至っている旨の判断がなされていること,④一般に,Ⅰ度の肩鎖関節損傷に対しては3週間程度で疼痛が軽減されると解されており,H医師の意見書(乙8号証の1,乙12号証の1)によれば,原告の治療経過からすれば,本件事故後約6か月で必要な治療がなされ,症状固定と判断しうることがそれぞれ認められ,以上の認定事実によれば,遅くとも平成7年7月末日には右肩鎖関節損傷は症状固定していると認めるのが相当である。
(3) したがって,この点についての原告の主張は認めることができない。
3 争点イ(休業損害の有無)について
(1) 証拠(甲9号証,甲15号証,乙2号証,乙6号証,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件事故当時,水道メーターの製造販売を業とするF工業及びタレントのIのマネジメントを業とする株式会社Gに勤務しており,F工業において営業担当として車両の運転及び荷物の積み下ろし等の作業に従事していたところ,本件事故による傷害のため車両の運転が困難と診断されたことから,F工業の業務に従事することが不可能となったこと,両社との雇用契約において一方のみに勤務することはできないとされていたことから,平成7年5月15日に同社を退職したこと,その後も平成9年4月28日まで就労していないことがそれぞれ認められる。また,原告の診察医の1人であるJ医師も,その意見書(甲14号証の1)において,右肩鎖関節に可動域制限があるために就労制約がある旨指摘している。
(2) もっとも,前記J医師の意見書でも具体的にどの程度の就労制約があるかまでは触れられておらず,かえってJ医師作成の他の意見書等(甲37号証,乙7号証14頁)によれば,原告の右肩に存するとされる可動域制限は,疼痛による自動運動制限が主体であり,衣類の着脱時に疼痛は出現するものの,日常生活が著しく障害されるものではないとの指摘もなされていることからすれば,前記J医師の意見書(甲14号証の1)によって,直ちに原告の主張を認めることはできない。
この点,証拠(甲9号証,乙2号証,乙6号証)によれば,平成7年6月6日付けの診断書(乙7号証34頁)には「現在リハビリ加療中であるが,就業可能」,同年8月15日付けの治療経過に関する担当医所見(乙2号証)には就労制限として「車両運転」,同9年1月20日付けの治療経過に関する担当医所見(甲9号証)では就労制限として「荷物を持つような作業は不可,長時間車の運転難,週2~3回の通院が必要」との各記載があることがそれぞれ認められる。
(3) 以上認定の事実によれば,勤務先退職後原告主張の期間,一切の就労が不能であったとは認めることはできず,他に原告の主張を認めるに足る証拠はない。
4 争点ウ(後遺障害の有無及びその等級)について
(1) 右肩鎖関節機能障害
ア 原告は,本件事故による後遺障害として,右肩鎖関節に可動域制限の機能障害があると主張し,証拠(甲2号証,甲13号証)によれば,平成9年11月10日及び同10年6月1日施行の各検査では,患側の右肩が健側である左肩の可動域の4分の3以下に制限されていることが認められる。
イ しかし,証拠(甲37号証,乙6号証,乙12号証の1,乙14号証)によれば,①原告が右肩の三角筋部の圧痛を訴えた平成7年2月21日以後,原告の右肩関節の可動域について複数回検査が行われているが,平成8年11月ころまでは可動域制限がないこと(なお,原告は,その本人尋問において,前記アの検査の他は,可動域に関する検査は受けていないと供述するが,同供述はにわかに採用し難い。),②保存療法後に肩鎖関節の疼痛が持続する症例はあるも,その発生頻度としては,Ⅱ度の肩鎖関節損傷の約10パーセントであること,③四十肩や五十肩は外傷とは無関係に肩関節に疼痛が出現し,可動域制限が出るものであること,④原告は本件事故当時37歳であることがそれぞれ認められ,以上の事実にかんがみると,前記アで認められる原告の右肩の可動域制限は,疼痛による自動運動制限の長期継続により,拘縮が生じたためと思料されるとのJ医師の意見を考慮しても,本件事故との因果関係を認めることはできず,他に原告の主張を認めるに足る証拠はない。
(2) 右肩鎖関節部及び周辺部神経障害
以上認定した事実及び証拠(乙3及び4号証,乙8号証の1)によれば,原告には,右肩鎖関節に疼痛が残存していることが認められ,当該疼痛を広義の神経症状と捉えれば,その後遺障害等級は14級10号と認めるのが相当であり,他に原告の主張を認めるに足る証拠はない。
(3) 頚部神経障害
前記2(1)で認定した頚部の治療経過及び証拠(甲37号証,乙5及び6号証,乙8号証)によれば,後遺障害診断書(乙5号証)が作成された平成9年4月28日時点の実質上の残存症状は肩関節のみと認められ,同事実によれば,後遺障害に該当する頚椎症状はないというべきであり,他に原告の主張を認めるに足る証拠はない。
5 まとめ(損害額)
以上の認定事実をもとに,本件における原告の損害額を算定すると以下のとおりである。
(1) 治療費,通院交通費 認めることができない
前記2で認定した事実によれば,原告の各請求は,いずれも症状固定日以後のものであり,これを認めるに足る証拠はない。
(2) 通院慰謝料 90万円
前記1及び2で認定した事実(原告の症状固定日,原告の症状)及び弁論の全趣旨によれば,原告は本件事故当日(平成6年12月27日)から症状固定日(平成7年7月末日)までE総合病院に通院したことが認められ,前記通院期間にかんがみると通院慰謝料は90万円とするのが相当である。
(3) 休業損害 認めることができない
前記3のとおり,認めることはできない。
(4) 逸失利益 46万9202円前記4で認定した原告の後遺障害等級(14級10号)によれば,その労働能力喪失率は5パーセントと認められ,労働能力喪失期間は3年とするのが相当である。
そこで,中間利息の控除についてライプニッツ係数を用いて計算すると前記金額となる。
(計算式)344万5965円×0.05×2.7232
(5) 後遺障害慰謝料 90万円
前記4で認定した原告の後遺障害等級(14級10号)にかんがみると,後遺障害慰謝料は90万円とするのが相当である。
(6) 弁護士費用 23万円
前記(1)ないし(5)の合計額(226万9202円)にかんがみると,本件事故と因果関係のある弁護士費用としては23万円が相当である。
(7) 合計 249万9202円
6 以上によれば,原告の本訴請求は,前掲記の金額の限度で理由があるからこれを認容し,その余はこれを棄却し,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条本文を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。
(裁判官 本田敦子)