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さいたま地方裁判所 平成17年(ヨ)171号 決定 2005年6月06日

主文

本件申立てを却下する。

申立費用は債権者の負担とする。

理由

本件は、債権者が、債務者に対し、別紙請求債権目録記載の請求債権を被保全権利として、債務者が各第三債務者に対する別紙仮差押債権目録1ないし3記載の各預金債権を仮に差し押さえることを求めた事案である。

債権に対する仮差押命令の申立ては、債権の種類及び額その他の債権を特定するに足りる事項を明らかにしなければならず(民事保全規則19条1項2項1号)、その特定の程度は、第三債務者において格別の負担を伴わずに調査することによって当該債権を他の債権と誤認混同することなく認識し得る程度に明確に表示されていることを要すると解されるところ、預金債権の仮差押については、金融機関の実際の取引ないし顧客管理が、各取扱店舗ごとに相当程度独立して行われていることや、大量の預金債権が頻繁に出し入れされていることなどに鑑みると、取扱店舗を特定すること(複数店舗を掲げる場合には各取扱店舗ごとに請求債権額を割り付けること)が必要であると解される。確かに、債権者の指摘するとおり、預金保険制度下では、金融機関は預金者毎の預金額を迅速に把握して付保預金額の算定を行う必要があり、預金保険法が金融機関に対し預金者データの整備及びシステムの対応を義務付けているが、仮差押命令の送達を受けた各金融機関の本店ないし主たる事務所が、各支店毎に預金額を把握した後、請求債権額の範囲と指定された順序に従い、各支店に対して支払停止等の必要な措置を講じさせるには、なお相当の時間と労力を要すること、また、他の差押や払戻請求等が競合した場合には、種々の危険を負担させることとなることなども考慮すれば、上記結論を左右しない。

しかるに、本件申立ては、各第三債務者の4ないし37の支店を対象とするものであり、取扱店舗を特定したとはいえないから、仮差押債権の特定が十分でないといわざるを得ない。

よって、本件申立ては不適法であるから、これを却下することとし、主文のとおり決定する。

別紙 請求債権目録

1 金231万4200円

ただし、債権者が、債務者の平成15年1月から平成16年1月8日までの金銭消費貸借契約名下の不法行為により生じた下記損害金

① 弁済額相当額 118万9200円

② 自動車の時価相当額 112万5000円

別紙 仮差押債権目録1(第三債務者株式会社埼玉りそな銀行分)

金 314,200円

ただし、債務者が第三債務者株式会社埼玉りそな銀行(本店および埼玉県内の下記支店扱い)に対して有する下記預金債権のうち、以下に記載する本支店および預金の順序に従い、頭書金額に満つるまで

第1 本支店の順序について

1 本店

〒330-0061 さいたま市浦和区常盤<番地略>

2 入間支店

〒358-0001 入間市向陽台<番地略>

3 岩槻支店

〒339-0057 さいたま市岩槻区本町<番地略>

4 浦和中央支店

〒330-0063 さいたま市浦和区高砂<番地略>

5 浦和東口支店

〒330-0055 さいたま市浦和区東高砂町<番地略>

6 大井支店

〒356-0051 入間郡大井町大字亀久保<番地略>

7 大宮支店

〒330-0846 さいたま市大宮区大門町<番地略>

8 大宮西支店

〒330-0854 さいたま市大宮区桜木町<番地略>

9 春日部支店

〒344-0061 春日部市粕壁<番地略>

10 春日部西口支店

〒344-0067 春日部市中央<番地略>

11 霞ヶ関支店

〒350-1109 川越市霞ヶ関北<番地略>

12 川越支店

〒350-0063 川越市幸町<番地略>

13 川越南支店

〒350-1123 川越市脇田本町<番地略>

14 北浦和支店

〒330-0074 さいたま市浦和区北浦和<番地略>

15 北浦和西口支店

〒330-0074 さいたま市浦和区北浦和<番地略>

16 県庁支店

〒330-0063 さいたま市浦和区高砂<番地略>

(埼玉県庁内)

17 小手指支店

〒359-1141 所沢市小手指町<番地略>

18 さいたま営業部

〒330-0061 さいたま市浦和区常盤<番地略>

19 さいたま新都心支店

〒330-0843 さいたま市大宮区吉敷町<番地略>

20 指扇支店

〒331-0063 さいたま市西区プラザ<番地略>

21 狭山支店

〒350-1305 狭山市入間川<番地略>

22 新狭山支店

〒350-1331 狭山市新狭山<番地略>

23 新所沢支店

〒359-1111 所沢市緑町<番地略>

24 武里支店

〒344-0023 春日部市大字大枝<番地略>

25 所沢支店

〒359-1115 所沢市御幸町<番地略>

26 七里支店

〒337-0017 さいたま市見沼区大字風渡野<番地略>

27 新座支店

〒352-0001 新座市東北<番地略>

28 日進支店

〒331-0823 さいたま市北区日進町<番地略>

29 東岩槻支店

〒339-0005 さいたま市岩槻区東岩槻<番地略>

30 東浦和支店

〒336-0926 さいたま市緑区東浦和<番地略>

31 東大宮支店

〒337-0051 さいたま市見沼区東大宮<番地略>

32 東川口支店

〒333-0801 川口市東川口<番地略>

33 南浦和支店

〒336-0017 さいたま市南区南浦和<番地略>

34 宮原支店

〒331-0812 さいたま市北区宮原町<番地略>

35 武蔵浦和支店

〒336-0027 さいたま市南区沼影<番地略>

36 武蔵藤沢支店

〒358-0011 入間市大字下藤沢<番地略>

37 与野支店

〒338-0002 さいたま市中央区大字下落合<番地略>

第2 預金の順序について

1 差押えや仮差押えのない預金とある預金があるときには、次の順序による。

(1) 先行の差押えや仮差押えのないもの

(2) 先行の差押えや仮差押えのあるもの

2 円貨建預金と外貨建預金とがあるときには、次の順序による。

(1) 円貨建預金

(2) 外貨建預金

ただし、仮差押え命令が第三債務者に送達された時点における第三債務者の電信買相場(先物為替予約がある場合にはその予約相場)により換算した金額

3 同一の通貨で数種の預金があるときには、次の順序による。

(1) 定期預金

(2) 定期積金

(3) 通知預金

(4) 貯蓄預金

(5) 納税準備預金

(6) 普通預金

(7) 別段預金

(8) 当座預金

4 同種の預金が数口あるときには、口座の若い順序による。

なお、口座番号が同一の預金が数口あるときは、預金に付せられた番号の若い順序による。

⑮ 別紙 仮差押債権目録2(第三債務者青梅信用金庫分)

金 1,000,000円

ただし、債務者が第三債務者青梅信用金庫(本店および埼玉県内の下記支店扱い)に対して有する下記預金債権のうち、以下に記載する本支店および預金の順序に従い、頭書金額に満つるまで

第1 本支店の順序について

1 本店

〒198-0041 青梅市勝沼<番地略>

2 所沢支店

〒359-1118 所沢市けやき台<番地略>

3 北野支店

〒359-1145 所沢市大字山口<番地略>

4 東所沢支店

〒359-0021 所沢市大字下安松<番地略>

第2 預金の順序について

1 差押えや仮差押えのない預金とある預金があるときには、次の順序による。

(1) 先行の差押えや仮差押えのないもの

(2) 先行の差押えや仮差押えのあるもの

2 円貨建預金と外貨建預金とがあるときには、次の順序による。

(1) 円貨建預金

(2) 外貨建預金

ただし、仮差押え命令が第三債務者に送達された時点における第三債務者の電信買相場(先物為替予約がある場合にはその予約相場)により換算した金額

3 同一の通貨で数種の預金があるときには、次の順序による。

(1) 定期預金

(2) 定期積金

(3) 通知預金

(4) 貯蓄預金

(5) 納税準備預金

(6) 普通預金

(7) 別段預金

(8) 当座預金

4 同種の預金が数口あるときには、口座の若い順序による。

なお、口座番号が同一の預金が数口あるときは、預金に付せられた番号の若い順序による。

⑮ 別紙 仮差押債権目録3(第三債務者株式会社足利銀行分)

金 1,000,000円

ただし、債務者が第三債務者株式会社足利銀行(本店および埼玉県内の下記支店扱い)に対して有する下記預金債権のうち、以下に記載する本支店および預金の順序に従い、頭書金額に満つるまで

第1 本支店の順序について

1 本店

〒320-0043 宇都宮市桜<番地略>

2 浦和支店

〒330-0062 さいたま市浦和区仲町<番地略>

3 大宮支店

〒330-0844 さいたま市大宮区下町<番地略>

4 春日部支店

〒344-0067 春日部市中央<番地略>

第2 預金の順序について

1 差押えや仮差押えのない預金とある預金があるときには、次の順序による。

(1) 先行の差押えや仮差押えのないもの

(2) 先行の差押えや仮差押えのあるもの

2 円貨建預金と外貨建預金とがあるときには、次の順序による。

(1) 円貨建預金

(2) 外貨建預金

ただし、仮差押え命令が第三債務者に送達された時点における第三債務者の電信買相場(先物為替予約がある場合にはその予約相場)により換算した金額

3 同一の通貨で数種の預金があるときには、次の順序による。

(1) 定期預金

(2) 定期積金

(3) 通知預金

(4) 貯蓄預金

(5) 納税準備預金

(6) 普通預金

(7) 別段預金

(8) 当座預金

4 同種の預金が数口あるときには、口座の若い順序による。

なお、口座番号が同一の預金が数口あるときは、預金に付せられた番号の若い順序による。

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