京都地方裁判所 平成20年(ワ)1351号 判決 2008年9月24日
原告
X
同訴訟代理人弁護士
竹下義樹
西村幸三
志水芙美代
山田安沙子
被告
株式会社Y
同代表者代表取締役
A
同訴訟代理人弁護士
松枝述良
松枝尚哉
青木一平
津田岳宏
主文
一 被告の平成二〇年四月一〇日開催の臨時株主総会における原告を取締役から解任する旨の決議を取り消す。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを二分し、その一を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
事実及び理由
第一請求の趣旨
一 主文一項に同旨
二 原告が、平成二〇年四月一〇日以降、被告の取締役の地位にあることを確認する。
第二事案の概要など
一 事案の概要
原告は被告の取締役であったが、被告の平成二〇年四月一〇日開催の臨時株主総会(以下「本件株主総会」という。)における原告に対する取締役解任決議(以下「本件決議」という。)につき、①株主総会招集手続の違法(目的事項につき取締役会決議の欠缺)、②定足数不足の取消事由が存在すると主張して、本件決議の取消及び同日以降、原告が被告の取締役の地位にあることの確認を求める。
二 前提事実(証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる事実)
(1) 当事者
ア 被告は、海運航空貨物取扱業、通関業、国際複合一貫輸送取扱業、梱包取扱業等を業とする株式会社である。被告の発行可能株式総数は四〇万株であり、本件株主総会時の発行済株式は一三万株で、自己株式は一七〇〇株であった。
イ 原告は、平成一九年一二月一〇日、被告の取締役に重任され、その任期は、平成二一年の定時株主総会の終結の時までとされていた。また、原告は被告の株主(保有株式数二万七〇二七株)である。
(2) 本件決議に至る経緯
ア 平成二〇年二月一九日開催の被告の取締役会において、Aを代表取締役に選任する旨決議された。
イ 平成二〇年三月一四日開催の被告の取締役会において、同日付で原告を代表取締役から解任する旨決議された。
ウ Aは原告に対し、平成二〇年三月二二日付で、開催日時を平成二〇年四月一日午前一〇時、開催場所を被告の本社五階社長室、議題を①臨時株主総会開催の件、②その他とする取締役会召集通知を送付した。
エ 同年四月一日午前一〇時から被告の取締役会が開催された(なお、議決内容については争いがある。)。
(3) 本件決議
ア Aは各株主に対して、平成二〇年四月二日付で、開催日時を同月一〇日、開催場所を被告の本社一階会議室、会議の目的事項を決議事項第一号議案取締役X氏の取締役解任の件、第二号議案取締役二名選任の件とする臨時株主総会の招集を通知した。
イ 平成二〇年四月一〇日、本件株主総会が開催された。本件株主総会時の総株主の決議権の数は一二万八三〇〇株であり、出席株主は二五名(委任状による出席を含む)、同株主らの保有株式数は五万六二五六株であった。
本件株主総会において、①原告について取締役からの解任の決議事項及び②B及びCを取締役に選任する決議事項が審議され、各決議事項は承認可決された。
(4) 定款の規定
被告の定款(以下「本件定款」という。)には以下の規定がある。
第一条ないし第一四条省略
(総会の招集)
第一五条 定時の株主総会は毎決算期後三ヶ月以内に招集し、臨時株主総会は必要に応じてこれを招集する。
(召集権者)
第一六条 株主総会は法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議に基き代表取締役がこれを召集する。代表取締役に事故あるときは他の取締役がこれに代る。
第一七条省略
(普通決議の要件)
第一八条 総会の決議は法令又は定款に別段の定めある場合を除き出席株主の議決権の過半数を以って決する。
第一九条ないし第二一条省略
(選任)
第二二条 取締役及び監査役は株主総会において選任する。取締役の選任については発行済株式総数の三分の一以上に当る株式を有する株主が出席しその議決権の過半数を以って決する。但し累積投票に依らないものとする。
(任期)
第二三条 取締役の任期は、就任後二年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時までとする。
第二項ないし第四項省略
第二四条ないし第二八条省略
(取締役会の議長)
第二八条 代表取締役は取締役会を招集し、その議長となる。代表取締役に事故あるときは他の取締役がこれに代る。
(取締役会の決議方法)
第二九条 取締役会の決議は取締役の過半数が出席し、その出席取締役の過半数を以って決する。
第三〇条以下省略
三 争点及び争点に対する当事者の主張
(1) 取締役会において、原告の解任を本件株主総会の目的事項とすることを決定していないといえるか(争点(1))
ア 原告
被告は取締役会設置会社であるところ、取締役会設置会社では株主総会の目的事項の決定は、取締役会の決議事項である(会社法〔平成一七年七月二六日法律第八六号。以下「法」という。〕二九八条一項一号、二号、四号)。しかし、本件株主総会の目的事項は取締役会決議を経ていない。
この点、平成二〇年四月一日午前一〇時から一一時半及び午後四時から午後七時の二度にわたり、原告、A及びDの三名が出席して被告の取締役会が開催されたが、同取締役会では本件株主総会の目的事項の決議はなかった。
イ 被告
平成二〇年四月一日午前一〇時から午後一一時までの間、被告の取締役会が開催され、本件株主総会の目的事項について、原告は反対したがA及びDの賛成によって承認可決された。なお、同取締役会の議事録が作成されているところ、上記議案に反対の原告は、同議事録に印を押さなかった。
よって、本件株主総会招集通知に瑕疵はない。
(2) 本件決議の定足数は不足していたか(争点(2))
ア 原告
(ア) 本件定款には、取締役解任を議案とする株主株主総会決議の方法について特段の定めがない。よって、同決議は法三〇九条一項により、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行わなければならない。
被告の本件株主総会開催時点での発行済み株式総数は一三万株で、被告の自社株式一七〇〇株を除く株式一二万八三〇〇株が議決権を有する株式数で議決権数となるから、取締役解任決議をするために必要な定足数は六万四一五一株である。
しかし、本件株主総会は五万六二五六株を有する株主が出席したのみで、議決権の過半数を有する株主が出席していない。
(イ) 被告は被告の取締役解任決議の定足数要件は、本件定款一八条が適用されて本来排除されるところ、法三四一条により法定下限の三分の一となり、本件決議に定足数不足はない旨主張する。
しかし、取締役の選任及び解任決議に関する法三四一条は三〇九条一項の普通決議の特則(取締役解任決議は特則普通決議)であり、取締役解任決議の定足数要件について、本件定款一八条が適用される余地はなく、法三四一条により過半数となると解すべきである。また、法は解任と選任を明確に別異のものとして規定しており、解任を選任に包摂して当然解釈することは不可能であるから、本件定款一八条によって、解任についての定足数を三分の一以上と定めたと解することはできない。
イ 被告
(ア) 取締役解任決議は商法(平成一七年法律第八七号で改正前の商法、以下「旧商法」という。)では特別決議事項であったが、法では普通決議事項である。
そして、本件定款一八条は普通決議における定足数を排除している。取締役解任決議が特則普通決議であるとしても普通決議の一種であり、本件定款一八条の表題は「普通決議の要件」と記載されていることからすると、取締役解任決議に本件定款一八条が適用されると解するのが文理上自然である。この点、法三四一条は取締役解任決議が普通決議であることを修正する規定ではなく、定足数について定款をもってしても三分の一未満にすることはできないことを定めている点に意義がある。
したがって、被告の取締役解任決議の定足数は普通決議事項として本件定款一八条により定足数は本来排除されるところ、法三四一条により定足数は三分の一未満とはならないと解釈すべきである。
(イ) なお、本件定款二二条は被告の取締役選任決議の定足数を三分の一と定めている。そして、法三四一条は取締役選任決議と取締役解任決議の議決要件を同列に規定している。
そうであるとすれば、被告の取締役解任決議の定足数は、取締役選任決議の定足数と同様に三分の一と解するのが、法の趣旨に合致し、実質的にも妥当である。
(ウ) 本件株主総会には議決権を行使できる株式数の約四三パーセントの株式を有する株主が出席したから、本件決議は定足数(議決権の三分の一以上)を満たしていた。
(3) 裁量棄却(争点(3))
ア 被告
(ア) 仮に本件決議が定足数不足であったとしても、それは決議の方法の法令又は定款違反である。
(イ)a 本件決議には総株式の四三・八パーセント(五万六二五六株)と過半数に近い出席があった上に出席株主の全会一致で原告を取締役から解任することが可決された。
また、本件株主総会の欠席者の株式のうち、原告の五〇〇〇株、Eの四〇〇〇株、Fの二五〇〇株、Gの二〇〇〇株は、本件株主総会開催日(平成二〇年四月一〇日)の時点で、その取得の対価が未払いであった。なお、未払分については、同月一八日に払込みがされた。上記未払分の株式を除いて計算すると、本件株主総会には四九パーセントの株主が出席した。
b また、株式会社a(以下「a社」という。)は被告の株式を二万六〇〇〇株(総株式の二〇パーセント)保有しているところ、a社は本件の取締役解任のようないわゆるお家騒動には中立の姿勢を取り、権利行使をしない立場を明確にしていたのであって、a社が出席して原告の解任に反対するという事態は考えられない。
c 原告は本件株主総会には欠席したが、原告は被告の株式を二万七二〇七株(総株式の二一・二パーセント)保有しているから、原告が出席すれば過半数の定足数は満たされた。原告は本件決議について特別利害関係人であり、原告の欠席により定足数不足となり本件決議が取り消されるとすると、特別利害関係人の行動が決議の効力に影響を与えることになり不当である。
d 以上のとおり、仮に本件決議に瑕疵があったとしても、形式的な軽微な瑕疵である。
(ウ) また、株主総会決議取消請求権は、株主の共益権であって当該会社の利益のための権利である。しかし、原告は議決権を有していたにもかかわらず本件解任決議に出席せず、定足数不足を理由に本件解任決議の取消を請求しており、会社の利益のためではなく自己の取締役としての地位を確保するために本件決議取消請求をしている。かかる場合に、決議が取り消されるのは不当であり、また、かかる請求は会社の利益確保という株主総会決議取消請求の趣旨に沿った権利行使とはいえず、権利の濫用であり、信義則(民事訴訟法二条)に反する。
(エ) 以上より、本件決議に瑕疵があったとしても、その法令又は定款違反の事実は重大ではなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであるから裁量棄却(法八三一条二項)すべきである。
イ 原告
(ア) 裁量棄却は、瑕疵が召集手続又は決議方法の法令・定款違反という手続上の瑕疵である場合に、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものである場合に認められる。しかし、本件決議の瑕疵は重大であるから裁量棄却の要件に該当しない。
(イ) 出席株式数が総株式の四三・八パーセントや四九パーセントであっても、定足数不足であることに変わりなく、定足数に近いからといって違法が軽微であるとはいえない。
被告は特別利害関係人で原告が出席しないことによって決議が取り消されるのは不当である旨主張するが、会社法は特に法律で規定する場合の他は、特別利害関係人にも議決権行使を認めているのであるから、被告の主張は認められない。
第三当裁判所の判断
一 本件決議の定足数は不足していたか(争点(2))
(1) 本件定款一八条は「法令又は定款に別段の定めある場合を除き出席株主の議決権の過半数を以って決する」と規定する。そこで、取締役解任決議について法令又は定款に別段の定めがあるといえるかを検討する。
この点、取締役解任決議について、旧商法は定足数を総株主の議決権の過半数又は定款で定めた議決権数(三分の一未満とすることはできない)を有する株主の出席とし、決議は出席株主の議決権の三分の二以上の多数としていた(特別決議事項〔旧商法二五七条、三四三条〕)から、かかる旧商法の規定は定款一八条の法令に別段の定めがある場合に該当し、旧商法下では取締役解任決議について定款一八条が適用されることはなかった。
そして、法は取締役解任決議の可決要件として出席株主の議決権の過半数と定めて普通決議と同要件とした。しかし、定足数は議決権を行使できる株主の議決権の過半数(定款で三分の一以上の割合を定めた場合はその割合)と規定し、法三〇九条の普通決議とは定足数の緩和の下限で異なる規定をした。また、旧商法では取締役解任決に定款一八条が適用されなかったことからすると、改正後は、取締役解任決議の定足数を定款により法定の定足数(過半数)から法の規定に従って引き下げる意思を有する場合には、その旨を定款に明確に記載すべきである。
しかし、本件全証拠によるも上記改正時及びそれ以後に本件定款の規定を改正したとは認められず、また、本件定款一八条に取締役解任決議につき定足数要件を過半数から緩和する旨を明記していないことからすると、本件定款一八条から取締役解任決議の定足数を過半数から引き下げるものと読み取ることはできない。
そうすると、取締役解任決議について規定した法三四一条は本件定款一八条の法令に別段の定めある場合に該当するというべきである。なお、定款二二条は、取締役選任について定足数を三分の一として決議要件を緩和しているにすぎないから本件定款一八条の「定款に別段の定めある場合」には該当せず、被告の取締役解任決議の定足数は、法三四一条により議決権の過半数となることは明らかである。
これに対し、被告は本件定款二二条が取締役選任決議の定足数を議決権の三分の一と規定し、法が取締役選任決議と取締役解任決議の議決要件を同列に扱っている(法三四一条)ことから被告の取締役解任決議の定足数も選任決議のそれと同様に議決権の三分の一と解するべきである旨主張する。
しかし、役員の選任決議及び解任決議はそれぞれ別個の決議であるし、前記の前提事実(1)イのとおり、原告は元々は平成二一年の定時株主総会の終結時までの任期を有していたのであり、本件決議は、任期前に原告の取締役としての地位を終了させることを内容としており、重任が否決されることによって任期満了となる場合とは質的に異なる内容の決議であったことは明らかである。そして、会社の経営方針の継続性を確保したり、取締役が解任をおそれるあまり萎縮した姿勢で執務に当たることのないようにするため、取締役選任の際の定足数要件は法の定める要件よりは緩和する一方、その解任は法律どおりの要件とするということは十分意味のあることであり、そうした対応が合理性を有することは明らかである。こうしたことを考慮すると、法三四一条では「役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は」と明確に選任及び解任の両場合を明記しているのに対して、本件定款二二条が解任の場合にも適用されるべき旨の文言を用いていない以上、解任の場合に、本件定款二二条が適用又は類推適用されるべきものとはいえず、被告の上記主張は理由がない。
(2) 前提事実によれば、本件株主総会時の総株主の議決権数は一二万八三〇〇株であり、出席株主の保有株式数は五万六二五六株であったから、上記(1)で述べた定足数の要件である議決権の過半数に達していなかったことが明らかである。したがって、本件決議は、定足数要件を満たしていない下で行われたものとして、その決議の方法に瑕疵がある。
以上のとおりであって、争点(1)について判断するまでもなく、本件決議には決議方法に瑕疵があるといえる。
二 裁量棄却(争点(3))
(1) 上記一のとおり、本件決議には定足数不足の瑕疵があり、かかる瑕疵は決議の方法について法令違反があったといえる。そして、定足数は法又は定款により当該決議を会社の意思とするために必要なものとして規定された株式数であって、定足数を充足することは株主総会が適法に成立するための基本的要件であり、定足数不足の瑕疵は重大な法令違反であるというべきである。
(2) この点、被告は総株式の四三・八パーセント(未払い分の株式を除いて計算すると四九パーセント)と過半数に近い株式数を保有する株主の出席があった旨、大株主であるa社が出席して原告の解任に反対するという事態は考えられない旨、原告が欠席したことにより決議が取り消されるのは不合理であり、また、本件訴えは会社の利益確保のために提起したものとはいえないから権利の濫用であり信義則に反する旨主張する。
しかし、法が原則として特別利害関係人の議決権行使を認め、決議に不当な影響を与えた場合に限り、決議取消をなし得るにすぎないものとしていることを考慮すると、原告が欠席したことにより決議が取り消される結果となったとしても、そのこと自体が不合理であるとはいえない。
また、前記一(1)に説示したとおり、解任決議の定足数要件を選任決議のそれよりも厳しくすることに合理性を欠く点があるとはいえないことを考慮すると、解任決議の対象となった者が欠席したことを不当なものと決め付けることはできない。さらに、取締役等の解任の訴えの制度(法八五四条)があることも合わせて考えると、このように解したとしても不合理であるとはいえない。
加えて、株主総会決議取消の訴えは株主の共益権に属するから会社の利益確保を目的とするが、各株主は株主としての自己の利益の見地に従って同訴えを提起することが認められていると解されるから、会社荒しの目的があるなど特段の事情がある場合は別として、各株主が自己の利益の見地から株主総会決議取消の訴えを提起することが権利濫用となるとはいえない。そして、本件では上記特段の事情は見あたらない。
他に、裁量棄却をすべき事情があることを窺わせる証拠はない。
(3) よって、請求の趣旨一について裁量棄却すべきであるとはいえず、この点についての被告の主張(上記第二の三(3)ア)は理由がない。
三 地位確認
(1) 役員解任決議に取消原因がある場合であっても一応決議は成立しているから、当該役員は役員解任決議により取締役の地位を失う。そして、株主総会決議に取消原因がある場合には、訴えをもって決議の取消を請求することができる(法八三一条)から、役員解任決議の取消の訴えの認容判決が確定するまでは、一応成立している役員解任決議により当該役員は取締役の地位にないことになる。
このように原告は本件決議により被告の取締役の資格を失ったところ、本件口頭弁論終結時に本件決議の取消の訴えを認容する判決が確定しているものではないから、原告が取締役の地位にあると認めることはできない。また、株主総会決議の取消を認容する判決が確定する前の一審判決言渡時点で、同判決を実体的に妥当させる根拠規定もない。
(2) 本件決議の取消判決が確定してもなお、被告において原告が取締役の地位にあることを争うか否かは必ずしも明らかではなく、本判決確定後の(将来の時点における)地位の確認を求める訴えの利益を肯定することができないことからすると、本判決確定後の取締役の地位の有無(一部認容の可否)を検討すべきものとは考えられない。原告は請求の趣旨二項で、平成二〇年四月一〇日以降口頭弁論終結時(同年九月一〇日)の間の地位確認を求めているものと解し、その範囲で判断すべきものと考える。
四 結論
以上によれば、請求の趣旨一項は理由があるからこれを認容し、その余の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 辻本利雄 裁判官 和久田斉 波多野紀夫)