京都地方裁判所 平成4年(ワ)2294号 判決 1994年9月22日
主文
一 原告らの請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告らの負担とする。
理由
第一 請求
被告は、原告らに対し、それぞれ、五〇〇万円及びこれに対するいずれも平成四年一月一〇日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
一 本件は、被告が経営する保育園で保育中体調が悪化し死亡した女児の両親である原告らが、右女児の死亡は被告の被保育乳幼児に対する体調監視義務ないし安全配慮義務違反によるものであるとして、債務不履行ないし不法行為にもとづき、右女児の損害及び慰謝料等を求める事案である。
二 前提事実(争いのない事実等)
1 被告は肩書地において二四時間体制の乳・幼児保育を行つている無認可保育所(以下「めぐみ保育園」という。)を経営している。
2 原告らは、めぐみ保育園に入園していた亡高島有生(以下「有生」という。)の実父母である。
3 有生は平成三年九月一七日生の女児である。
4 原告らは、平成三年一二月中旬ころ、被告との間で、有生をめぐみ保育園に入園させて被告において午後七時から午前七時まで同児を保育することを内容とする契約を締結した。
5 有生は、平成四年一月九日午前六時ころまでめぐみ保育園で保育されていたところ、右保育中体調を崩し、救急車で京都市内の京都第一赤十字(日赤)病院に搬送されたが、被告から連絡を受けた原告らが同病院に駆けつけた時点で既に死亡していた(有生の変調から死亡までを以下「本件事故」とも言う。)。
6 事件当時の被告の保育担当者は、被告の従業員(被用者)の川畑友恵(以下「川畑」という。)であつた。
三 争点
1 有生の死は、ミルク誤嚥による窒息によるものであるか
(一) 原告の主張
(1) 有生は、事件当夜はかぜ気味で薬を飲んでいた。また、川畑は、本件事故前、有生に授乳し、そのままうつ伏せに寝かした。
(2) このため、有生は、就寝後早期にミルクを誤嚥してこれを気管につまらせて窒息し、死亡するに至つた。なお、乳幼児突然死症候群は、乳幼児の死亡につき原因が不明の場合を指すに過ぎない。
(二) 被告の主張
有生の死は、ミルク誤嚥による窒息によるものではなく、乳幼児突然死症候群である。
2 有生の取扱及びその容体の急変時における保育担当者の対応に過失があるか(被告の使用者責任)
(一) 原告の主張
(1) 1(一)(1)のような場合、保育担当者(保母)としては、有生がミルクを誤嚥するなどしてこれが気管につまつたりすることのないよう継続的に観察し、容体の変化があればこれを両親である原告らに連絡したり病院に搬送するなど直ちにこれに対処する義務がある。
ところが、川畑は、右義務を怠り、有生をうつ伏せで寝かしたまま自分も仮眠してしまい、有生の体調の変化に気付かず、異常事態発生の二時間経過後である午前六時に至つてようやく有生の異常に気付いた。そして、本件では、川畑が有生を継続的に観察していれば有生の容体の変化に対応することができた。
(2) 有生の死が窒息によると認められないとしても、川畑には次のような過失がある。すなわち、保育担当者には、前述のように、子供に容体の変化があればこれを安静にして、救急車を呼ぶなどして直ちにこれに対し治療を受けさせるための処置を講ずる義務がある。ところが川畑は、右義務に反し、有生の異常に気付いた後も、有生を蘇生させるための処置をとらず、救急車を呼ぶこともなく、異常の生じた有生を安静にするどころか同児を抱いて保育園二階に駆け上がりさらに一階に駆け下りるなどした。救急車の出動依頼はその後被告(園長)方への連絡がなされてから行われたにすぎない。
このようなことがなければ、有生を蘇生させることが可能であつたと考えられる。
(二) 被告の主張
有生の死は乳幼児突然死症候群であり、これには予防措置も事後的措置も施しようがない。したがつて、保育担当者に救命義務を求めることはできない。
3 被告に不法行為責任ないし債務不履行責任(安全配慮義務違反)があるか
(一) 原告らの主張
(1) 本件当時、めぐみ保育園には保母資格を有する者が一切おらず、また川畑が仮眠をとる間の交替要員も確保していなかつた。一方、川畑は、本件の前日には午前一〇時から午後七時までデパートで勤務し、引き続き同保育園での勤務に入つており、被告も川畑が昼間も勤務していることを知つていた。そして、川畑は、異常事態の発生時にも園長(被告)の母親にとりあえず知らせるという指示しか受けていなかつたうえ、本件当時、被告の母親は、足が悪く異常事態に対し直ちに対処しうる状態ではなく、しかも本件当時は保育園二階で寝ていた。被告がこのようなずさんな保育体制を取つていたため、川畑は有生が二四時間看護を要するほど体調を崩していることを知りながら寝てしまい、また異常の生じた乳児である有生を安静にすることなく同児を抱いたまま保育園二階に駆け上がりさらに一階に駆け下りるという行動をとるに至り、救急車を呼ぶことも思い至らなかつた。結局救急車の出動依頼が被告方への連絡の後となつたのは前述のとおりである。
また、原告らは、有生の入園時、有生をうつ伏せには寝させないよう被告に申し入れていたが、被告はこれを無視し、川畑らに指示してもいなかつた。これも被告の保育体制のずさんさを示すものである。
(2) これらは、被告が原告らとの間で締結した保育契約に基づき、めぐみ保育園園内での事故発生を防止し、園児の生命・身体の安全を保護すべく、物的・人的諸条件を整え、園児である有生を安全に看護保育する義務を負う。川畑らはその履行補助者である。ところが、被告は、これに反し、(1)のようなずさんな保育体制をとつていたものであるから、債務不履行責任を負う。
また、右(1)で述べたところからは、被告は川畑と共同不法行為責任も負うというべきである。
(二) 被告の反論
有生の死が乳幼児突然死症候群である以上保育園にも救命義務を求めることはできない。また、保育園は、病医院等と異なり、原則として日常生活に支障のない健常な子供を保育するものであつて、常時保育中の子供を監視看護する体制にはない。したがつて、被告には不法行為や債務不履行はない。
4 損害額
原告らの請求する損害内容・額は以下のとおりである。原告らはこれを有生の損害とし、原告らはそれぞれその二分の一にあたる一六一二万〇三八七円を相続したとし、原告らそれぞれにつきうち五〇〇万円を一部請求する。
(一) 葬儀費 四六万六二一〇円
(二) 文書作成費等 一万七〇〇〇円
(三) 逸失利益 一二七五万七五六四円
(四) 慰謝料 一六〇〇万円
(五) 弁護士費用 三〇〇万円
第三 争点に対する判断
一 有生の死因(争点1)について
有生の死因をミルク誤嚥による窒息と認めることはできない。以下理由を述べる。
1(一) まず、本件につき以下の各事実を認めることができる。
(1) 有生は本件事故前の平成四年一月七日ころからかぜ気味で、咳をすることがあつた。
(2) 有生は事件当日の午前三時ないし三時四〇分ころ、ミルクを約二〇〇ミリリットル飲み、大きなげつぷをしてミルクを一部吐き、その直後の同日午前四時ころ寝た。
(3)イ 有生が救急車で搬送される際及びその途中、救急隊員が有生に対し人口呼吸等の蘇生術を施したが、右搬送途中、同児の口・鼻からミルクが湧出し、同児が救急搬入された京都第一赤十字病院において、同児の咽頭部にミルクが多量(三ないし五ミリリットル)滞留していることが確認された。
ロ 有生の剖検査時、気管内に(黄褐色の)液体があり、肺から圧出される泡沫液がやや多かつた。有生の臓器の顕微鏡検査の結果では、気管支に吸引されたミルクがある所見があつた。
(4) 京都第一赤十字病院において有生の診察・治療にあたつた生田治康医師(以下「生田医師」という。)は、右(2)及び(3)イの各事実に基づき、同児の死因をミルク誤嚥の疑いと判断した。
(二) これら、有生が本件前にかぜ気味で、咳をすることがあつた事実と、本件事件前に飲んだミルクを一部吐いたことに加え、有生が救急車で京都第一赤十字病院へ搬送中、同児が口のみならず鼻からもミルクを湧出させたこと、同児が同病院に搬入された時点で同児の咽頭部にミルクがあつたこと等の事実からは、同児が就寝中咳をしたことなどが原因でミルクを戻しこれを気管内に吸入して窒息した可能性が高いかの如くである。
2(一) しかし、本件では以下のような事実や事情がある。
(1) 有生はこれまで飲んだミルクを吐いたことはあつたもののこれをつまらせることはなかつた。
(2) 川畑は、有生がミルクを飲んで就寝した同日午前四時ころに有生の横で仮眠したが、その時点では有生に異常はなかつた。
(3) 川畑が有生の異常を発見した時点において、川畑は有生が息をしているかどうか確認し、そのため同児に顔を近づけたが、その際同児の口の周囲に同児がミルクを吐いた痕跡を見ていない。
(4) 搬送時及び解剖時の所見等
イ 生田医師が有生の咽頭部に発見したミルクは泡状ではなく、また有生が泡状のミルクを吐いたり有生の体内に泡状のミルクや液体が発見されることはなかつた。一般にミルク誤嚥により窒息する場合には呼吸困難によるせき込みにより泡状のミルクや液体が生じ、これが口から吹き出る。
ロ 有生の肺内には窒息死を推認せしめる程の量のミルクは発見されなかつた。
ハ 有生には、一般に窒息死の場合にみられる瞼結膜(まぶたの結膜)の溢血点発生がなかつた。
ニ その他有生に肉眼的に死因と判断すべき外傷、病変はなかつた。
ホ 有生の臓器の顕微鏡検査の結果、死因となるべき病変はなかつた。
(5) 有生の解剖を行い、死体検案書を作成した山本啓一医師(以下「山本医師」という。)は、解剖の後、右(4)イないしニの各事実並びに後記(三)(2)イ及びホの各事実及び考察に基づき、同児の死因を乳幼児突然死症候群(その意義内容については後述)の疑いと判断し、その後前記(4)ホの事実ないし顕微鏡検査の結果からして有生の死因を窒息死ではない(乳幼児突然死症候群である)と判断した。
(6) ミルク誤嚥の疑いに関する確定的診断をするには、肺の中のミルクの吸引を確認する必要がある。現在、生田医師は、右(4)の各事実と山本医師の判断とを併せて考察するとき、同児の死因はミルク誤嚥による窒息ではなく、乳幼児突然死症候群と考えている。
(二) 右のように、窒息の徴表と認められる泡状の液体が有生に認められず、またやはり窒息死の特徴と認められる瞼結膜溢血が有生に生じていないこと(なお、証人生田の証言内容も、泡状の液体の発生を窒息死の特徴とすることを否定するものではない。)など、有生の症状自体に有生が窒息によつて死亡していないことを窺わせるものがあるうえ、(一)(1)ないし(3)のような情況に関する事実を併せ考えると、有生がミルクを誤嚥して窒息したと断じるには相当の疑問がある。
(三) 次に、被告は、有生の死因が乳幼児突然死症候群であるとするので、この点について検討する。
(1) 右症候群は、それまでの健康状態及び既往歴からはその死亡が予測できず、かつ剖検によつてもその原因が不詳である突然の死を乳幼児にもたらした症候群と定義される。また、右症候群は乳幼児死亡原因のうち、事故死を除く最大のものとされている。そしてその発生(病因)については、医学上諸説あり、右定義が示すごとく現在でも不明ではあるものの、心臓関係ないし呼吸器関係にその原因を求める考え方が一般的である。
(2) そして、有生の死因が乳幼児突然死症候群に属するか否かについて、以下の各事実を認めることができる。
イ 有生は本件当時生後約四か月である(争いのない事実)。乳幼児突然死症候群は生後二ないし四か月の児に特に発生頻度が多い。
ロ 本件事故は冬に発生した(争いのない事実)。乳幼児突然死症候群は寒い季節に発生することが多い(なお、有生の出生時の体重は二七六〇グラムであつたことが窺われるから同児が低出生体重児とは言い難い。)。
ハ 有生は本件の約一、二日前からかぜ気味であつた。乳幼児突然死症候群においては、その発症の数日前からかぜのような症状を呈することが多い。
ニ 本件事故は有生就寝時に発生した(争いのない事実)。乳幼児突然死症候群は児の就寝時に発生頻度が高い。
ホ 乳幼児突然死症候群による死亡の場合でも、死亡直前に胃内容が食道を経て気道内に吸引される可能性がある。
(3) 右(1)で述べた乳幼児突然死症候群に属する死亡事例とその原因について考えられているところに、有生に関する(2)の各事実、さらに前記(一)(5)及び(6)の事実ないし考察とを併せ考えると、有生の死因は乳幼児突然死症候群に属するものと認められる。右症候群の発症が男児に多いとされていることによつては右認定を左右することはできず、他に右認定を覆すに足りる的確な証拠はない。
ところで、右症候群の定義や『乳幼児突然死の中には窒息は皆無というのではない。』との指摘がある(乙第五号証の一八ページ『おわりに』)ことからも、死因が右症候群に属するということとしてもそれは法律的には死因を特定できないということに帰着するというべきであつて、その点では、原告らの、乳幼児突然死症候群は乳幼児の死亡につき原因が不明の場合を指すに過ぎないとの主張は法的に正当といえる。しかし、(1)で述べた乳幼児突然死症候群の原因からは、有生の死亡が右症候群に属すると認められるということからは、有生の死亡について、心臓関係ないし呼吸器関係の異常にもとづくという、窒息とは異なる死因を考えるのが一般的ということとなる。
(四) なお、生後四か月の乳児について、うつ伏せに寝ることがその他の寝方(寝させ方)に比して飲食物をもどしやすいことを認めるに足りる証拠はない(乙第五号証には、うつぶせ体位は吐乳を気道に吸入する危険が少ないとの指摘がある。)。
3 結局、有生がミルク誤嚥により窒息死した可能性を全く否定することはできないものの、これを認めるにはなお証拠が足りないというべきである。
二 争点2、3について
1 有生の異常が発見された後の事情等について
(一) 被告保育園では、保母の資格のない者が単独で夜間の保育を担当することもあり、川畑も保母資格を有していなかつた(争いのない事実)。被告は、預かつている子供が発熱をおこした場合には保護者に迎えにこさせることとする一方、川畑ら保育担当者に対し、急な事態がおこつた場合には被告の母に話すよう指示していたが、その他保母資格のない保育担当者に対しても特段の教育は行つておらず、また被告の母は七、八〇歳であつてしかも足の調子が悪く、本件当時は保育園二階で寝ていた。
(二) 川畑は、有生の異常に気付いた後、被告から受けた指示に従い、同児を被告の母にみせることとしたが、被告の母の足のことを考え、有生の状態を早く見せるため、有生を同児を抱いて保育園二階に駆け上がつてこれを被告の母に見せた。被告の母は、川畑に対し、被告に直ちに連絡するよう指示したが、救急車を呼ぶようにとの指示はしなかつた。川畑は被告の母の指示に従い有生を抱いたまま一階に駆け下りて被告方に電話をかけ、対応した被告の妻に命じられ、平成四年一月九日午前六時二分に救急車を呼んだ。この間、川畑は、有生を蘇生させるための処置をとらなかつた。川畑が有生の異常に気付いてから救急車を呼ぶまでには一〇分は経過しなかつた。
(三) そうすると、有生の異常に気付いた後川畑のとつた行動は、被告から受けていた指示にはほぼ従つたものであつたといえる。
しかしながら、右本件事件当時の川畑や被告の母((一)(二)で述べた事実からは、同人も保育担当者と認められる。)の行動には、有生の体を動かしたことはともかく本件のような事態に対する対応としてはやや妥当を欠くものもあり(特に、川畑らが直ちに蘇生や病院等搬送の措置を講じていないこと)、川畑がこのような行動に出て、より迅速・適切な行動に出ていないことにつき、被告が川畑に対し保母として必要な教育を行つていなかつたことがその原因である可能性は否定できない。
2(一) ところで、被告が有生の死因を乳幼児突然死症候群であると主張することと、右症候群の定義や発生原因については、一2(三)(1)で述べたとおりである。
(二) 前述のとおり、有生の死亡は医学的には乳幼児突然死症候群に属するといえ、死因が右症候群に属するということは法律的には死因を特定できない(他の原因が考えられる)ということにつきるが、有生の死亡が右症候群に属しかつ右症候群の発生原因が訴訟上も認定できないとすれば、被告ないしその被用者の過失により有生の死亡に至る原因が生じたと結論することはできない。そして、一般的に、乳幼児の体調に急な変化が生じたとしても医師等により何らかの処置がなされた結果右乳幼児死亡に至らずにすむ可能性までは否定されないと考えられる(その体調変化の原因が医学上乳幼児突然死症候群によるものである場合には、乙第四号証にいうNearmiss SIDSということとなる。)ものの、どのような処置がなされた場合に死亡に至らないかについては不明であり、医学上乳幼児突然死症候群に基づく死亡事故の場合には医師でも対処が不可能である場合が多いことが認められる。
そうすると、被告(ないし川畑もしくは同人と被告の母)の保育に問題点があつたとしても、本件ではこれと有生の死亡との因果関係を肯定することができない。特に、有生は、川畑が異常を発見したときはすでに口周囲にチアノーゼを発し、呼吸を停止していた状態であることが窺われ、有生がこのような状態に至つていたとすればその後直ちに救急車が呼ばれ医師の診察を受けたとしても、有生が死亡しなかつたと認めることはできない(証人山本は心停止に至れば救命がかなり難しいと証言する。)。
なお、川畑は約二時間有生の様子を確認せず、その間睡眠をとつているところ、原告らは、被告には有生を二四時間看護観察するべきであつたと主張する。しかし、二四時間看護を要するような容体であれば、直ちに入院等の処置が必要であるというべきであつて、有生の体調がそのように悪化していたことを認めることはできない。そして、一般の保育園ないし保育所において、本件当時の有生の程度(前述)体調を崩している子供がある場合に常時(二四時間体制で)ないし二時間より短期の時間ごとにその子供を観察し続ける(観察する)べき義務があることを裏付ける証拠はない。
3 以上のとおり、たとえ川畑や被告の母の行動に問題があつたとしても2で述べたように川畑らのとるべき注意義務を確定することができない以上結局右行動に過失があるとすることはできず、また、1で検討した本件当時の被告の保育体制が原告らとの関係で安全配慮義務を尽くしたものと言い難いとしてもこれと有生の死亡との間に因果関係を認めることができない。さらに、前述したところからは、被告の管理体制の不十分さが原告らによりよい保育・監視体制を求める期待などの権利等を侵害したとまで認めることもできない。他にこれらを認めるに足りる的確な証拠もない。
第四 結論
以上のとおりであつて、原告らの請求はいずれも理由がない。
(裁判官 橋本 一)