京都地方裁判所 平成7年(わ)983号 判決 1995年12月26日
裁判所書記官
沢井道夫
(被告人の表示)
一
本店の所在地 京都市左京区浄土寺東田町五三番地
法人の名称
株式会社銀閣寺大西
代表者の住所
京都市左京区浄土寺東田町五三番地
代表者の氏名
大西惠美子
二
氏名 大西
生年月日
昭和五年一月一日
本籍
京都市左京区北白川別当町一一番地
住居
京都市左京区浄土寺東田町五三番地
職業
会社員
主文
被告人株式会社銀閣寺大西を罰金二五〇〇万円に、被告人大西を懲役一年六月に処する。
被告人大西に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(認定した犯罪事実)
被告人株式会社銀閣寺大西(以下「被告会社」という)は、京都市左京区浄土寺東田町五三番地に本店を置き、食肉及び食料品の販売を目的とする資本金二五〇〇万円の株式会社であり、被告人大西は、被告会社の代表取締役として同社の業務全般を統括していた者であるが、被告人大西は、被告会社の業務に関して、法人税を免れようと企て、被告会社の現金売上げの一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、
第一 平成三年二月一日から平成四年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四九五九万九九〇二円であったにもかかわらず、同年三月三〇日、京都市左京区聖護院円邨美町一八番地の所轄左京税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が三六二四万八三六一円で、これに対する法人税額が一二二四万一四〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告会社の同事業年度の正規の法人税額五四七四万八〇〇〇円との差額四二五〇万六六〇〇円を免れ、
第二 平成四年二月一日から平成五年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四六八〇万三六八一円であったにもかかわらず、同年三月二三日、前記左京税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が三九一九万六七二二円で、これに対する法人税額が一三二九万五三〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告会社の同事業年度の正規の法人税額五三六四万八〇〇〇円との差額四〇三五万二七〇〇円を免れ、
第三 平成五年二月一日から平成六年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四八四三万三六七〇円であったにもかかわらず、同年三月二九日、前記左京税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が四〇一五万三九〇四円で、これに対する法人税額が一三六〇万三〇〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により被告会社の同事業年度の正規の法人税額五四七四万七五〇〇円との差額四一一四万四五〇〇円を免れた。
(証拠)
判示事実全部について
一 被告会社代表者大西惠美子、被告人大西の各公判供述
一 被告人大西の検察官調書(検第42号から第44号まで)
一 大西惠美子(検第15号)、大西雷三(検第16号から第22号まで)、貴多野正通(検第24号から第29号まで)、大西隆治(検第31号から第34号まで)、田中準治(検第36号、第37号)の各大蔵事務官に対する質問てん末書
一 大西雷三(検第23号)、貴多野正通(検第30号)、大西隆治(検第35号)の各検察官調書
一 査察官調査書(検第7号から第14号まで)
一 登記簿謄本(検第38号、第46号)
一 電話聴取書(検第45号)
判示第一の事実について
一 法人税確定申告書の謄本(検第1号)
一 脱税額計算書(検第4号)
判示第二の事実について
一 法人税確定申告書の謄本(検第2号)
一 脱税額計算書(検第5号)
判示第三の事実について
一 法人税確定申告書の謄本(検第3号)
一 脱税額計算書(検第6号)
(法令の適用)
判示各所為はいずれも法人税法一五九条一項(被告会社については更に同法一六四条一項)に該当するところ、被告会社については情状により同法一五九条二項を適用し、被告人大西については所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法(平成七年法律第九一号附則二条一項本文により同法による改正前のもの。以下同じ。)四五条前段の併合罪であるから、被告会社については刑法四八条二項により各罪の罰金額を合算し、被告人大西については刑法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重をし、その金額、刑期の各範囲内で、被告会社を罰金二五〇〇万円に、被告人大西を懲役一年六月に処し、被告人大西については情状により刑法二五条一項を適用して同被告人に対しこの裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予することとする。
(検察官浦文計出席)
(求刑 被告会社に対し罰金四〇〇〇万円、被告人大西に対し懲役一年六月)
(裁判官 山口裕之)