京都地方裁判所 昭和40年(レ)34号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕控訴人主張の調停調書が存在することおよびこれには谷岩太郎が控訴人の代理人として出頭して調停が成立した旨の記載があることは、当事者間に争いがない。
そこで、谷岩太郎において控訴人を代理して本件調停をする権限があつたか否かについて判断するに、民事調停法第二二二三条、民事調停規則第八条、非訟事件手続法第六七条および民事訴訟法第八〇条により代理権は原則として書面によつて証明すべきことが要請されているがこれは手続の安定と進行の円滑を期するため、将来に向つて代理行為をする場合における証明方法を定めたものであつて、既往の代理行為についてその権限を証明するには必ずしも委任状その他の書面によつてすることを要するものではなく、かつ、調停委員会の右代理許可については民事調停法、民事調停規則上別段の要式を定めていないところ、<証拠>を総合すると、本件調停手続は成立にいたるまで八回にわたつて期日が開かれ、その間控訴人自らも出頭していたが、控訴人は同居していた父谷岩太郎に本件調停をするについて代理権を授与していたことおよび調停委員会は同人を控訴人の代理人とすることを許可していたことを認めることができ、右認定に反する<証拠>は採用することができない。
(竹内貞次 石井玄 日高千之)