京都地方裁判所 昭和55年(わ)147号 判決 1980年7月18日
本店の所在地
京都府相楽郡山城町大字平尾小字城垣内一番地
法人の名称
公成住宅株式会社
代表者の住所
本店の所在地に同じ
代表者の氏名
公文代憲篤
本籍
京都府相楽郡山城町大字平尾小字城垣内一番地
住居
右同所
会社役員
公文代憲篤
昭和一四年一月二六日生
右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官鈴木和宏出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人公成住宅株式会社を罰金七〇〇万円に、被告人公文代憲篤を懲役六月に各処する。
被告人公文代憲篤に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人公成住宅株式会社は、京都府相楽郡山城町大字平尾小字城垣内一番地に本店を置き、建築請負業を営むもの、被告人公文代憲篤は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人公文代憲篤は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、昭和五一年九月一日から同五二年八月三一日までの事業年度において、所得金額が五〇、四三九、七〇三円で、これに対する法人税額が一九、〇七九、六〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上、雑工事収入の一部及び材料売上を除外するほか、期末仕掛品たな卸高の一部を除外する等の行為により所得を秘匿した上、同五二年一〇月三一日、同府宇治市大久保町井ノ尻六〇ノ三所在の宇治税務署において、同署長に対し、所得金額が二五、九三六、一八三円でこれに対する法人税額は九、二七八、四〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税額九、八〇一、二〇〇円を免れ
第二、同五二年九月一日から同五三年八月三一日までの事業年度において、所得金額が一一一、〇七六、八七四円で、これに対する法人税額が四三、一一四、三〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿した上、同五三年一〇月三一日、前記宇治税務署において、同署長に対し、所得金額が四二、一一二、六七四円でこれに対する法人税額は一五、五三七、八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税額二七、五七六、五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全事実につき
一、被告人公文代憲篤の当公判廷における供述
一、被告人公文代憲篤の検察官に対する供述調書(検第四五号)
一、被告人公文代憲篤の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第三六号、第三八号、第四一号ないし第四四号)
一、松本武子の検察官に対する供述調書(検第一六号)
一、松本武子の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第三号、第五号、第一一号、第一三号ないし第一五号)
一、山村喜代美、武田勇、藤原義明の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第一七号、第一八号、第二二号)
一、松本武子作成の確認書(検第二三号)
一、大蔵事務官作成の査察官調査書と題する各書面(検第二四号ないし第二六号)
一、検察事務官作成の電話聴取書(検第三二号)
一、押収してある金銭出納帳一冊(昭和五五年押第二二〇号の一)
判示第一の事実につき
一、被告人公文代憲篤の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第三七号、第四〇号)
一、松本武子の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第四号、第七号、第八号、第一二号)
一、中野善司の大蔵事務官に対する質問てん末書(検第一九号)
一、田中忠男作成の土地、建物等購入の照会に対する回答書と題する書面(検第二〇号)
一、大蔵事務官作成の証明書(検第二七号)
一、大蔵事務官作成の脱税額計算書と題する書面(検第二九号)
判示第二の事実につき
一、被告人公文代憲篤の大蔵事務官に対する質問てん末書(検第三九号)
一、松本武子の大蔵事務官に対する各質問てん末書(検第六号、第九号、第一〇号)
一、辻寿子の大蔵事務官に対する質問てん末書(検第二一号)
一、大蔵事務官作成の証明書(検第二八号)
一、大蔵事務官作成の脱税額計算書と題する書面(検第三〇号)
(法令の適用)
一、被告人公成住宅株式会社
判示各事実につき法人税法一六四条一項、一五九条
併合罪加重につき刑法四五条前段、四八条二項(犯情の重い判示第二の罪の刑に加重)
一、被告人公文代憲篤
判示各事実につき法人税法一五九条一項
以上につき懲役刑を各選択
併合罪加重につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に加重)
刑の執行猶予につき同法二五条一項
(裁判官 安原清蔵)