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京都地方裁判所 昭和55年(ワ)1271号・昭54年(ワ)1692号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

被告裵淵龍は昭和五二年八月一九日頃講元となつて左記のとおりの頼母子講を主宰して講員を募り、原告両名はこれに各一口宛加入して講員となつた。すなわち、講は二〇口で一組とし加入者は一口または数口加入する。講員は昭和五二年八月一九日を第一回とし最終満会日同五四年三月一九日まで毎月一九日合計二〇回講元の指定する集会場京都市右京区西院のホルモン焼店某に集り講会を開催する。講員は会合日毎に加入一口につき一〇万円宛満会迄合計二〇〇万円を掛込む。第一回講会では講元が掛金合計二〇〇万円を取得し、第二回講会以降は講会日毎に入札の方法で講員のうち落札した者が当日講元が集めた掛金合計二〇〇万円を受領して取得し、掛金取得者は入札日から満会日迄の利息を支払い、落札後も引続き講会日毎に一口につき一〇万円宛満会日まで掛金を講元に支払う。落札希望者が数人あるときは最高額の利息金の支払を申出た入札者が落札し、落札者は受領金二〇〇万円を受取り申出利息金を支払う(現実には利息金を控除した残額を受取る。)。落札者の支払つた利息金はその都度、一部を当日の講員の懇親会用飲食費に充当され、残部を落札者以外の講元を含む講員に分配するという約定であつた。

被告裵淵龍は講元であつたが、同時に講員として数口加入していた。

原告らは、右約定に基づき講員として初回講会日である昭和五二年八月一九日から第一六回講会日である同五三年一一月一九日まで毎講会日に右集会場に出席し各回に掛金それぞれ一〇万円宛各合計一六〇万円を講元である被告裵淵龍に支払つてきたがこれまで落札していなかつた。

ところが、被告裵淵龍は第一七回講会日である昭和五三年一二月一九日において自ら支払うべき掛金を都合できなくなつたことから講会を開かなかつた。原告ら講員は右同日それぞれ掛金を準備して前記指定の集会場所に出向いたが講元である被告裵淵龍が現われなかつたのでその後数回に亘つて同被告に問合わせたところ、同被告は原告ら講員に対し本件講を中止したと返答し今後継続する意思のないことを明らかにした。

以上の事実が認められ<る。>

右事実によると、講元は被告裵淵龍であり同人は自己の事業として講員を募集し自己の責任において講を運営していたものであつて原告ら加入者との間には消費貸借類似の特殊の個別契約が成立していたものと解するのが相当である。そして両被告は自己の都合で原告らに落札の機会を与えることなく講の継続を中止し講契約に基づく義務の履行を拒絶したのであるから、同被告の帰責事由に基づく債務不履行であるというべく、同被告はこれによつて生じた原告らの損害を賠償して填補すべき責任があるところ、原告らの既払掛金各一六〇万円宛をもつて賠償すべき損害とするのが相当である。

(吉田秀文)

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