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京都簡易裁判所 昭和39年(ハ)537号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、次に、原告は、裁判上の請求によつて、時効が中断された旨主張するので検討する。

(一)成程、成立に争いない乙第一号証によれば、原告は、同年三月、京都簡易裁判所に対し、被告を相手方として、本件差押の不当継続を理由に、財産的損害に対する損害賠償請求および精神的損害に対する謝罪広告請求の調停申立(同庁同年(ノ)第六二号)をしたこと、同年七月、調停不成立となり、同月、京都地方裁判所に対し、損害賠償請求(謝罪広告請求は含まない。)の訴を提起したことが認められる。

(二)ところで、民事調停法第一九条によれば、調停不成立の場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から二週間以内に調停の目的となつた請求について訴を提起したときは、調停の申立の時に、その訴の提起があつたものとみなされる。

そして、訴の提起が民法第一四七条第一号の請求にあたるから、これらの要件を充足すれば、消滅時効は中断されることになる。

(三)これを本件についてみるに、右調停申立が、昭和三五年三月になされたことは認められるが、二六日までになされたことを認むべき確証はない。

しかし、同日までに申立があつたものとして判断を進めるに、原告が訴を提起したのは、調停の目的となつた請求のうち、損害賠償請求だけであつて、謝罪広告請求については訴を提起していない。

(四)そこで考えるに、財産的損害に対する損害賠償請求と、精神的損害に対する謝罪広告請求とは、訴訟物を異にする。けだし、前者は、金銭給付請求権を、後者は、作為請求権を対象とするものだからである。

そうだとすれば、原告は、前記訴提起によつては、本訴(謝罪広告請求)につき、調停の目的となつた請求について訴を提起したことにならず、民事調停法第一九条所定の要件を欠くことになる。

(五)従つて、右事実によつては未だ原告主張の時効中断を認めるに足らず、他に該事実を認むべき証拠もないから、結局、原告の右主張は、失当である。(辰巳和男)

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