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仙台地方裁判所 平成20年(ワ)321号 判決 2009年11月17日

原告

X1 他2名

被告

有限会社Y1食品工場 他1名

主文

一  被告らは、原告X1に対し、連帯して三億三二二七万九八〇九円及びこれに対する平成一九年三月一六日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告X1に対し、連帯して三〇八万二七〇五円を支払え。

三  被告らは、原告X2に対し、連帯して四四〇万円及びこれに対する平成一六年一月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告らは、原告X3に対し、連帯して四四〇万円及びこれに対する平成一六年一月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

五  原告らのその余の請求を棄却する。

六  訴訟費用は、これを一〇分し、その三を原告らの負担とし、その余は被告らの負担とする。

七  この判決は、第一項ないし第四項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、原告X1に対し、連帯して四億七八九八万三〇三九円及びこれに対する平成一九年三月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告X1に対し、連帯して五九四万八二〇〇円を支払え。

三  被告らは、原告X2に対し、連帯して五五〇万円及びこれに対する平成一六年一月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告らは、原告X3に対し、連帯して五五〇万円及びこれに対する平成一六年一月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、原告らが、交通事故(以下「本件事故」という。)により損害を被ったとして、被告有限会社Y1食品工場(以下「被告会社」という。)に対しては自動車損害賠償保障法三条に基づき、被告Y2(以下「被告Y2」という。)に対しては同条ないし民法七〇九条に基づき、それぞれ損害の賠償を求める事案である。なお、損害金元本に加え、原告X1(以下「原告X1」という。)は本件事故の後の日である平成一九年三月一五日までに生じた確定遅延損害金五九四万八二〇〇円及び同日から支払済みまで民法所定の年五分の割含による遅延損害金を、原告X2(以下「原告X2」という。)及び原告X3(以下「原告X3」という。)は本件事故の日である平成一六年一月二一日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を併せて求めている、

一  争いのない事実等(証拠等で認定した事実は当該証拠等を掲記)

(1)  当事者

原告X1は平成元年○月○日生まれの男子であり、原告X2はその父(昭和三〇年○月○日生)、原告X3はその母(昭和三〇年○月○日生)である。

(2)  本件事故の発生

原告X1は、以下の本件事故により負傷した。

ア 発生日時 平成一六年一月二一日午後三時四五分ころ

イ 発生場所 宮城県古川市(平成一八年三月三一日以降は大崎市。以下、名称変更の前後を問わず「古川市」という。)城西二丁目七番四五号付近道路(以下「本件事故現場」という。)

ウ 加害車両 被告会社所有、被告Y2運転に係る自家用普通貨物自動車

エ 事故態様 被告Y2は、平成一六年一月二一日午後三時四〇分ころ、古川市十日町九番九号付近道路において、運転開始前に飲んだ酒の影響により、前方注視及び運転が困難な状態で、加害車両を時速約六〇キロメートルで走行させ、もって、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で同車を走行させたことにより、同日午後三時四五分ころ、本件事故現場において、同車を左斜め前方に暴走させ、折から道路左側歩道上に佇立していた原告X1に同車を衝突させて路上に転倒させた。

(3)  傷病の内容及び治療の経過(甲二ないし七)

ア 傷病名

原告X1は、当時入院した古川市立病院で、交通外傷(肺挫傷、右血気胸、出血性ショック、心肺停止、肝損傷、骨盤骨折)、蘇生後脳症(低酸素血症)及び脳挫傷(外傷性くも膜下出血)と診断された。

イ 治療状況

(ア) 古川市立病院

入院 平成一六年一月二一日から同年一二月六日(三二一日間)

(イ) 藤田保健衛生大学病院

入院 平成一六年一二月六日から平成一七年三月三日(八八日間)

(ウ) 愛生病院

入院 平成一七年三月三日から同年六月八日(九八日間)

(エ) 仙台往診クリニック

在宅治療 平成一七年六月八日から平成一八年五月二六日(三五三日間。実治療日数五四日)

(オ) 症状固定日

平成一八年五月二六日

(カ) 通算期間

本件事故日から症状固定まで 八五七日間

入院期間 五〇五日間

在宅治療期間 三五二日間(実治療日数五四日)

ウ 後遺症の内容及び等級

(ア) 頭部外傷及び事故受傷後の低酸素脳症、外傷性くも膜下出血、低酸素脳症に伴うくも膜下出血、脳浮腫、脳室拡大・全脳萎縮による意思伝達不能、四肢・体幹の痙性麻痺による常時臥床等の障害につき別表第一第一級一号(症状固定日 平成一八年五月二六日)

(イ) 右下肺葉の部分切除による胸腹部臓器の障害につき別表第二 一一級一一号(症状固定日 平成一八年五月二六日)

二  争点―原告らの損害

(原告らの主張)

(1) 原告X1の損害

ア 治療費等関係費用(症状固定日以前) 二八九五万六五九三円

(ア) 原告ら立替え分 七五九万九四八三円

(イ) 被告らから既に支払われた分二一三五万七一一〇円

イ 入院雑費 七五万七五〇〇円

日額一五〇〇円が相当。入院期間五〇五日間。

ウ 介護料(付添費) 二億一〇七九万四五四〇円

(ア) 症状固定日以前 一二〇九万円

a 本件事故日から愛生病院退院日まで 五〇五万円

完全介護であっても近親者による付添を要した。日額一万円が相当。五〇五日間。

b 愛生病院退院日から症状固定日まで 七〇四万円

全面的に介護が必要。日額二万円が相当。三五二日間。

(イ) 症状固定日後 一億九八七〇万四五四〇円

a 症状固定日から平成三四年五月二六日まで 七九一一万五九四〇円

原告X3が満六七歳に達する年(平成三四年)の五月二六日まで、近親者による介護に加え職業的介護人による介護として日額二万円が相当。症状固定日から一六年のライプニッツ係数は一〇・八三七八。

(計算式)20,000×365×10.8378=79,115,940

b 平成三四年五月二七日から原告X1の平均余命終期まで 一億一九五八万八六〇〇円

原告X3が満六七歳に達する年(平成三四年)の五月二七日から職業的介護人による介護として日額四万円を下らない額が相当。原告X1は症状固定時満一六歳であり、平均余命は六二・九五年であり、六二年のライプニッツ係数は一九・〇二八八。症状固定から平成三四年五月二七日までの期間は一六年であり、そのライプニッツ係数は一〇・八三七八。

(計算式)40,000×365×(19.0288-10.8378)=119,588,600

エ 家屋賃貸料 一八〇八万四九七二円

古川市の自宅はバリアフリー化されておらず、原告らは現住所地の家屋を賃借せざるを得なくなった。現在の賃料は月額八万八〇〇〇円であり、その九割を請求するのが相当。

(計算式)80,000×12×19.0288×0.9

オ 訪問看護・訪問入浴代(症状固定日以前) 六六七〇円

カ ベッドレンタル代 二万九二〇〇円

キ エアーマットレンタル代 一万五〇〇〇円

ク 車椅子レンタル代 一万二〇〇〇円

ケ 車椅子修理代 九二七〇円

コ 症状固定日後の医療関係費 一三〇一万五六九九円

症状固定後も原告X1は訪問診療等の医療を受ける必要があるところ、自己負担分は月額五万七〇〇〇円を下らない。原告X1は症状固定時満一六歳であり、平均余命は六二・九五年であり、六二年のライプニッツ係数は一九・〇二八八。

(計算式)57,000×12×19.0288=13,015,699

サ 介護器具代 一六〇八万四九七〇円

別紙一の介護器具は生涯必要であり、耐用年数ごとに買い換えるとなると、その購入額は合計一六〇八万四九七〇円となる。

シ 将来雑費 四一八万五〇六一円

紙おむつ、カテーテル等の介護雑費の合計金額は年額二一万九九三三円を下らない。原告X1は症状固定時満一六歳であり、平均余命は六二・九五年であり、六二年のライプニッツ係数は一九・〇二八八。

(計算式)219,933×19.0288=4,185,061

ス 特別仕様自動車の購入代 一八七二万五五三三円

特別仕様自動車の購入価格は四九五万円であり、耐用年数は六年であるから、平均余命までに一〇回購入することになる。

(計算式)4,950,000×3.782936=18,725,533

セ 逸失利益 九一〇一万六八三〇円

基礎収入を賃金センサス平成一七年の男子労働者・学歴計・全年齢平均賃金の五五二万三〇〇〇円とし、労働能力喪失率を一〇〇パーセントとし、労働能力喪失期間を、満六七歳までの五一年間から、症状固定時より一八歳に達するまでの二年間を控除した期間とする。五一年のライプニッツ係数は一八・三三九〇であり、二年のライプニッツ係数は一・八五九四。

(計算式)5,523,000×100%×(18.3390-1.8594)=91,016,830

ソ 慰謝料 四一八六万円

(ア) 傷害慰謝料 五四六万円

入院期間約一六・八か月、症状固定までの在宅治療期間約一一・七か月、合計二八・五か月であるところ、その症状の程度、被告らの態様の悪質性にかんがみ、五四六万円とするのが相当。

(イ) 後遺障害慰謝料 三六四〇万円

上記(ア)のとおりの理由から、三六四〇万円とするのが相当。

タ 原告X1の弁護士費用 三七二三万円

チ 原告X1の損害の填補

自賠責保険(ニッセイ同和損害保険株式会社)及び任意保険(三井住友海上火災保険株式会社)から別紙二の交通事故・弁済充当計算書記載のとおりの日に同記載の金額の支払があった。これについて、原告らは、遅延損害金にまず充当することとし、同計算書のとおりに充当する。

ツ 原告X1の損害金元本 四億七八九八万三〇三九円

テ 原告X1の確定している遅延損害金 五九四万八二〇〇円

(2) 原告X2及び原告X3の損害

ア 原告X2及び原告X3の固有の慰謝料 各五〇〇万円

イ 原告X2及び原告X3の弁護士費用 各五〇万円

ウ 原告X2び原告X3の損害合計 各五五〇万円

(3) 定期金賠償について

被告らは本件では定期金賠償以外にはあり得ないと主張するが、原告ら側が一時金での支払を望んでいる場合は定期金賠償方式によることはできないというべきである。

(被告らの主張)

(1) 原告X1の損害

ア(ア) 原告らにおいて七五九万九四八三円の支払をしたことは認め、これが本件事故と相当因果関係の存することは不知。

(イ) 認める。

イ 不知。

ウ(ア) 争う。そもそも完全看護である以上付添いの必要性が問題となるし、aの日額一万円及びbの日額二万円は高額にすぎて相当ではない。

(イ) 争う。なお近親者介護料の日額二万円及び職業的介護人の日額四万円は高額にすぎて相当ではない。

エ 争う。なお、家屋賃借料は本件事故と相当因果関係が認められない。

オないしケ 不知。

コ 争う。なお、薬代には保険対象外の自費購入品が含まれており、生活費の一部を構成する可能性がある。

サ 争う。なお、公費負担があるため、①座位保持装置五四万一六六六円につき、自己負担額は二九〇〇円であるし、②電気式たん吸引器六万三〇〇〇円につき、一万一三〇〇円であるし、③パルスオキシメーター五万六七〇〇円につき、二万〇八〇〇円であるにすぎない。

シ 争う。なお、カテーテル、湯たんぽ等は消耗品ではない。

ス 争う。なお、特別仕様を除く車両本体の購入費は本件事故と相当因果関係がなく、また、耐用年数の根拠が不明である。

セ 不知。

ソ 争う。

タ 争う。

チ 各保険会社から原告ら主張の額が弁済されたことは認め、遅延損害金に先に充当することは争う。任意保険会社(三井住友海上火災保険株式会社)によって支払われた保険金のうち、支払先が「古川市立病院」「(有)リーペン」「オーラムメデイカル」「藤田保健病院」「愛生病院」「(株)ジェーシーアイ」に係る費用総額二一三五万七一一〇円は、医療機関等に直接支払済みの額であり、損害の暫定的内払ではなく確定した損害賠償債務の履行であるから、これらの金額について遅延損害金から充当するという論理は生じず、合意による元本充当を認めるのが当事者間の意思に合致する。

(2) 原告X2及び原告X3の損害

争う。

(3) 定期金賠償について

本件に適合する解決策としては、定期金賠償以外にあり得ない。

第三当裁判所の判断

一  原告X1の損害

(1)  治療費等関係費用(症状固定日以前) 二八九五万六五九三円

治療費等関係費用のうち、被告らから既に支払われた二一三五万七一一〇円については当事者間に争いがなく、また原告らが七五九万九四八三円の支払をしたことも争いがないところ、これに弁論の全趣旨を併せ考慮すれば、この合計二八九五万六五九三円が本件事故と相当因果関係の範囲内にある損害であると認められる。

(2)  入院雑費 七五万七五〇〇円

入院雑費としては日額一五〇〇円を相当とするところ、原告X1の入院期間は五〇五日間であるから、合計七五万七五〇〇円がその損害として認められる。

(3)  介護料(付添費)

ア 本件事故日から愛生病院退院日まで 四二九万二五〇〇円

証拠(甲三五ないし四一、四三)によれば、①古川市立病院では、原告X1の脳、肺、肝臓にわたって重篤な症状が存在し、感染症にもかかっており、脳死となる可能性も否定できない状態であり、②藤田保健衛生大学病院及び愛生病院でも、原告X1は遷延性意識障害の状態が続いており、声掛けに対しての反応が一切見られない状態であって、上記①②を通じて、入院中の原告X1の症状の程度は極めて重篤であったと認められる。

そして、原告X1が本件事故当時一四歳と年少であったことに加え、少なくとも古川市立病院では、原告X3が一日も離れることなく付き添っており、原告X2も毎日朝夕に面会に来ていたこと(甲四三)などを考慮すると、原告X1の入院期間中は完全介護であったとしても、愛生病院退院日までにおける入院付添費を原告X1の損害として認めることが相当である。そして、その額については、上記各状況に照らし、また被告らも平成二〇年七月一七日付け第二準備書面において日額八〇〇〇円が相当と主張していることも併せれば、本件においては、その日額を八五〇〇円とし、以下の計算式のとおり、四二九万二五〇〇円を損害として認める。

(計算式)8,500×505=4,292,500

イ 愛生病院退院日以後(将来分を含む) 一億二四四一万一二五五円

(ア) 原告X1は遷延性意識障害の状態にあり、愛生病院退院後も常時介護が必要であるところ、証拠(甲六、二二、二四、二六ないし二八、原告X2本人〔本人調書の別紙速記録一三頁。以下、同様に速記録の頁数のみを記載。〕)によれば、原告X1に対しては、愛生病院退院後は自宅での介護が行われていること、気管切開の後に気管カニューレが挿入されており、たんの吸引が必要であるところ、二週間ごとに気管カニューレの交換及び固定をし、一日に何回かカフ圧を抜き取った上、一日七、八回にわたって昼夜を問わずたんを吸引しなければならないこと、胃十二指腸切除術を行ったために腸から直接栄養を摂取する腸瘻が造られており、経口摂取と経管摂取を併存しているところ、このうち経口摂取については嚥下障害があるために細かくきざんだおかずとおかゆを摂取していること、服薬は注射器を使って腸瘻から入れていること、糞尿失禁状態であるので紙おむつ及び尿とりパットの交換が必要であり、一日九、一〇回程度の交換を要すること、身体清拭・歯磨き・洗髪等を要することなどが認められる。

そして、かかる原告X1の介護は、主として原告X3が行っているほか、週に一回は訪問入浴のため看護師の来訪を受け、週に二回はヘルパーの来訪を受け、週に一回は理学療法士がリハビリのために来訪している(甲二六、原告X2本人〔一一ないし一三頁〕)。

このように、原告X1については常時介護を要するのであり、原告X3による介護内容は多岐にわたり、拘束時間が長く、その労力及び心理的負担は相当程度に大きいというべきである上、職業介護人による介護費用も要するという状況にある。一方、現時点では法令による公的給付は相当程度に及ぶものの(乙五六、五七)、将来においてもなおかかる給付が確定的に存続するか必ずしも明らかではないという事情を考慮に入れると、公的給付の存在を過大に評価するのも相当ではない。

以上を前提にすると、愛生病院退院から原告X3が満六七歳に達する平成三四年五月二六日に至るまでの間は、その介護料としては日額一万五〇〇〇円を要すると認めるのが相当である。また、原告X3が満六七歳に達した後は、原告X1の介護は全面的に職業介護人によらざるを得ないところ、その介護料としては、上記各状況に照らし、また被告らも平成二〇年七月一七日付け第二準備書面において日額二万円が相当と主張していることも併せれば、その日額を二万円と認めることが相当である。

(イ) なお、被告らは、原告X1の身体状況や、施設介護が可能な地域的状況にかんがみれば、自宅介護ではなく施設介護の方が合理的であると主張する。

しかしながら、原告X1の在宅介護は愛生病院退院から現在に至るまで現実に継続しているのであって、一概に在宅介護が不可能ないし困難とまではいい難い。むしろ、原告X1の両親である原告X2及び原告X3は在宅での介護を希望しているところ(原告らの平成二一年四月二七日付け準備書面一〇参照)、自宅での介護の方が家族と接する機会も多く、生活の質の面でも自宅介護の方がより充実していることに照らせば、在宅介護を前提とした原告らの請求が不相当とまではいえない。

したがって、被告らの上記主張は採用し難い。

(ウ) 以上により原告X1の介護料を計算すると、①愛生病院退院(平成一七年六月八日)から症状固定日(平成一八年五月二六日)までの三五二日間については日額一万五〇〇〇円とし、②症状固定日から平成三四年五月二六日までの一六年間については日額一万五〇〇〇円とし、一六年のライプニッツ係数を一〇・八三七八とし、③平成三四年五月二七日から原告X1の平均余命終期(症状固定時満一六歳であり、その平均余命は六二・九五年)たる平成八〇年までは日額二万円とし、六二年のライプニッツ係数を一九・〇二八八として、以下の計算式のとおり合計一億二四四一万一二五五円となる。

(計算式)15,000×352=5,280,000

15,000×365×10.8378=59,336,955

20,000×365×(19.0288-10.8378)=59,794,300

5,280,000+59,336,955+59,794,300=124,411,255

(4)  家屋賃貸料 〇円

原告らは、本件事故当時に居住していた古川市では往診の医師を手配することが難しく、仙台市に引っ越すこととなり、バリアフリーに近い状態の賃貸住宅を見付けて居住しなければならなかったとして、仙台市の現住所地での家屋賃貸料を損害として主張する(原告X2本人〔二、三、二五頁〕もこれに沿う。)。

この点、確かに仙台市と古川市とを比較すると、その地域状況や人口規模等にかんがみ、仙台市の方が往診可能な医師の手配が容易であることは想像に難くないともいえる。しかしながら、古川市においても、医師会訪問看護ステーションが存在し、かかりつけの医師との連絡を取りながら訪問看護師による看護が受けられる(甲四九)。また、古川市立病院看護部作成のカンファレンスノート(乙七〇)には、原告X2は、平成一六年四月一三日時点では古川市所在の自宅での介護を前提に、改築にするか新築にするか、ベッドが置けるかなどという話をしており(六頁。原告X2本人〔二五頁〕も同旨。)、同月二一日には三浦病院への転院も検討していたところ(七頁)、同年六月一日には、三浦病院の医師の娘と原告X1とが同級生であるため、原告X3は嫌だと思う旨発言している。

一方、上記カンファレンスノートには、原告X2の希望として「仙台市で仕事をしているため、住居も仙台に移したい」との説明があるほか(乙七〇・二〇頁)、古川市立病院の担当者作成の書面(甲四三)にも、「できれば父親の仕事の拠点である仙台に事務所兼自宅を構えたい考えのようであり」との記載がある。原告X2も、本人尋問において、職業は写真家であり、従前から東北各地で仕事をしていたが、仙台での仕事が一番多く、全体の八〇パーセントから九〇パーセントの仕事が仙台であった旨供述している(原告X2〔四、五頁〕)。

以上からすると、古川市においては往診可能な医師の手配が仙台市ほど容易ではないにしても、不可能であったことまでを裏付ける証拠は見当たらず、むしろ三浦病院等の利用が可能であったのではないかとも思われること(被告らは、三浦病院では往診も行われている旨主張しているところ、これに対して原告らは反論していない。)、一方で、仙台市への転居には原告X2の仕事の基盤という要因の存在も否定し難いことなどに照らすと、古川市から仙台市への転居が必要不可避であって、これに伴う支出が本件事故と相当因果関係の範囲内にあるとまでいい切ることは困難である。

(5)  訪問看護・訪問入浴代(症状固定日以前) 六六七〇円

証拠(甲一一の一ないし四)により認められる。

(6)  ベッドレンタル代 二万九二〇〇円

証拠(甲一二の一、二)により認められる。

(7)  エアーマットレンタル代 一万五〇〇〇円

証拠(甲一二の一、二)により認められる。

(8)  車椅子レンタル代 一万二〇〇〇円

証拠(甲一三の一、二)により認められる。

(9)  車椅子修理代 九二七〇円

証拠(甲一四)により認められる。

(10)  症状固定日後の医療関係費 一三〇一万五六九九円

ア 証拠(甲一五)によれば、原告X1の症状固定費後の医療関係費は平均して月額五万七〇〇〇円を下らない。

なお、被告らは、このうち薬代には保険対象外の自費購入品が含まれており、生活費の一部を構成する可能性があると主張するが、メンティップ(甲一五・②)は消毒用として、経口用イルリガートル及びテルモ栄養セット(甲一五・②)は栄養点滴セットとして(甲五〇、五一)、Yガーゼ(甲一五・⑧)は気管切開部分や腸瘻部分に使用するものとして、精製水はカテーテルを洗浄するものとして、カット綿はアルコールに湿らせてカテーテルをふくものとしてそれぞれ必要性が認められる。

したがって、原告X1の症状固定日から平均余命までの医療関係費は、以下の計算式のとおり、一三〇一万五六九九円とするのが相当である。

(計算式)57,000×12×19.0288=13,015,699

イ これに対し、被告らは、仙台市の公的補助の制度があり(乙四八・三五頁)、またカルテでは治療費は全額免除との記載がある(乙六八・六頁)として、原告らの主張する医療関係費をそのまま損害額として認定すべきではない旨主張する。

しかしながら、将来の公的給付の受給はあくまでも可能性にとどまり、将来にわたって確定的に受けられるか否かは明らかではない。むしろ、月額五万七〇〇〇円という額自体も、平成二一年二月ないし四月の医療関係費の平均額(約六万七〇〇〇円。甲五九ないし六一)に照らすと、既に抑制的な額であるともいうべきであって、いずれにせよ、被告らの主張は、上記アの認定を左右しない。

(11)  介護器具代 一六〇八万四九七〇円

ア 証拠(甲一六の一ないし一一、甲二〇、三三)によると、原告X1の介護にあたっては別紙一の介護器具の購入が必要であって、その耐用年数ごとに買い換えるとなると、その購入額は合計一六〇八万四九七〇円となることが認められる。

イ これに対し、被告らは、介護器具の購入に当たっては公的扶助があることを主張する。

しかしながら、これまで述べてきたとおり、かかる公的扶助が将来にわたって確定的に受けられるか否かは必ずしも明らかではない上、既に受給した部分についても、本来、公的扶助と損害賠償は異なる理念に基づくものであり、公的扶助の支弁者が損害賠償請求権を代位するということも予定されていないことからすれば、公的扶助の存在をもって上記アの認定額を覆すことは相当でない。

ウ また、被告らは、別紙一の介護器具のうちチルトテーブルについては、週一回程度の利用にすぎず、費用対効果の観点からしても医療効果が乏しく、必要性がないと主張して、これに沿う医師作成の意見書(乙六七)を提出する。

しかしながら、チルトテーブルは、原告X1が在宅診療を受けている仙台往診クリニックの医師が「トランスファー、リハビリテーション等の向上が十分に期待できると考えられる」として処方したものであって(甲三三)、原告X2も、本人尋問において、医師と相談した結果購入し、理学療法士の付添いにより使用している旨供述している(原告X2本人〔九頁〕)。一方で、被告提出の上記意見書(乙六七)によってもチルトテーブルの使用に一定の効果が存在することは否定し得ないこと、同意見書には、週一回程度の利用では「日常的なリハビリテーションの一つとしての効果は疑問である」と記載されているが、その具体的な根拠は記載されていないこと、そもそも同意見書を作成した医師は原告X1を直接診察したものではないことに照らすと、同意見書の結論をそのまま採用することは差し控えざるを得ない。

したがって、チルトテーブルの購入についても、本件事故と相当因果関係を有する損害であると認められる。

(12)  将来雑費 四一一万三一三二円

証拠(甲一七、五七)によれば、原告の主張する介護雑費のうち、消耗品とは認め難い湯たんぽを除く物品の合計金額は年額二一万六一五三円であることが認められる。

したがって、原告X1の症状固定日から平均余命までの将来雑費は、以下の計算式のとおり、四一一万三一三二円とするのが相当である。

(計算式)216,153×19.0288=4,113,132

(13)  特別仕様自動車の購入代 五九一万六三〇〇円

ア まず、被告らは、原告X1の身体状況からすれば、脊髄損傷被害者と異なり、頻繁に外出しなければならない必然性はなく、必要に応じてレンタカーないし福祉タクシーの利用を予定すれば足りるとして、自動車購入の必要性自体を争っている。

しかしながら、現時点においても、デイサービスのために週に一回は原告X1のために自動車を利用する必要がある上(原告X2本人〔二四頁〕)、遷延性意識障害の患者に対する刺激の重要性から(甲五三参照)、デイサービス以外にも自動車を用いて原告X1を戸外に連れ出すこと(原告X2本人〔八、二四頁〕)は有用であるともいい得る。一方で、レンタカーや福祉タクシーの利用は、利用料のみならず時間的融通性の観点から問題がないわけではなく(原告X2本人〔六、七、二八、二九頁〕)、福祉タクシー等を用いずに自家用自動車を用いることが必ずしも不相当とまではいい難い。

したがって、本件においては、特別仕様自動車の購入の必要性自体は否定し得ない。

イ 次に、被告らは、特別仕様を除く車両本体の購入費は本件事故と相当因果関係がないとし、原告X1の損害額としてはリフト装置に限定して認定すべきである上、原告X1が平成一九年に購入した自動車(アルファード)よりも低廉な自動車(ラクティス)であれば改造費用はさらに低額となる旨主張する。

しかし、原告X1は遷延性意識障害であり、車椅子ごと乗車できる仕様の自動車を購入したところ(原告X2本人〔二三頁〕参照)、被告らの主張する低廉な自動車では車椅子ごとの乗車は不可能であるようにもうかがえる(乙六二の一)。むしろ、原告X1の損害をリフト装置費用に限定するためには、本件事故がなくともアルファード相当の自動車を必ず購入するはずといった前提状況が必要であるが、かかる前提状況までは本件証拠上認め難い。

したがって、一般の自動車の購入自体は通常の生活の範囲内であることから、特別仕様自動車の代金全額につき原告X1の損害とするのは相当でないものの、その代金四九五万円のうち、リフト装置その他の額は一一七万三四四〇円であったこと(甲一八の一、二)、車椅子ごと乗車できる自動車は相当程度限定されていると思われることなどに照らし、上記代金のうち、本件事故と相当因果関係のある損害として、二〇〇万円を認めるのが相当である。

ウ さらに、原告らは自動車の耐用年数を六年と主張する一方、被告らは少なくとも一〇年とすべきである旨主張するところ、原告X2は特別仕様自動車以外に別の自動車(スプリンターカリブ)を所有しており、仕事にはこちらを使用しているのであって(原告X2本人〔八、九頁〕)、特別仕様自動車の使用は相当程度限定的であること、近年の乗用自動車の平均使用年数はおおむね一一年前後に及んでいること(乙六五)からすると、その耐用年数を八年とするのが相当である。

エ なお、被告らは、原告X1本人が運転できない以上、車両買換え期間は近親者が六七歳に達するまでの間に限定すべきであると主張するが、特別仕様自動車の購入は近親者にとって必要な支出ではなく、原告X1本人にとって必要な支出というべきであり、原告X1の運転能力を問わない損害であるから、かかる被告らの主張は理由がない。

したがって、特別仕様自動車を八年ごとに買い換えるとすると、原告X1の平均余命までは七回購入することとなる。

オ 以上を前提に原告X1の特別仕様自動車に関する損害額を計算すると、以下の計算式のとおり、五九一万六三〇〇円となる。

(計算式)2,000,000×(1+0.676839+0.458112+0.310068+0.209866+0.142046+0.096142+0.065072)=2,000,000×2.958150=5,916,300

(14)  逸失利益 九一〇一万六八三〇円

ア 原告X1の基礎収入を賃金センサス平成一七年の男子労働者・学歴計・全年齢平均賃金の五五二万三〇〇〇円とし、労働能力喪失率を一〇〇パーセントとし、労働能力喪失期間を、満六七歳までの五一年間から、症状固定時より一八歳に達するまでの二年間を控除した期間とすると、五一年のライプニッツ係数は一八・三三九〇であり、二年のライプニッツ係数は一・八五九四であることから、原告X1の逸失利益は、以下の計算式のとおり九一〇一万六八三〇円となる。

(計算式)5,523,000×100%×(18.3390-1.8594)=91,016,830

イ これに対し、被告らは、遷延性意識障害の場合は就労不能であることが明らかであるから、一定程度の生活費控除を行うことが合理的であると主張する。

しかしながら、原告X1の食事内容は材料としては通常の食事と変わらず(甲二六)、また食材費以外にも、炊事、洗濯及び空調をはじめとする生活一般において一定程度の電気、ガス、上下水道代を要することは想像に難くなく(甲五四ないし五六参照)、さらにガソリン代や被服費等を要するであろうことも考慮に入れると、原告X1が遷延性意識障害であるからといって、直ちに生活費控除を行うことが相当とまではいい難い。

したがって、被告らの上記主張は採用できない。

(15)  慰謝料

ア 傷害慰謝料 五〇〇万円

前記争いのない事実等における原告X1の入院期間及び症状固定までの在宅治療期間に加え、原告X1の症状は本件事故時から現在に至るまで極めて重篤であり、一時は脳死となる可能性も否定できなかった上、気管切開の後に気管カニューレが挿入され、たんの吸引が常時必要であり、また胃十二指腸切除術を行ったので腸から直接栄養を摂取する腸瘻が造られていることなどに照らすと、原告X1の傷害慰謝料としては、五〇〇万円をもって相当とする。

イ 後遺障害慰謝料 三〇〇〇万円

本件事故に関する刑事記録(甲二五の一ないし五四)によれば、被告Y2は、本件事故前、飲酒するのを分かっていながらあえて自動車を運転して宴会場に行ったこと、妻からは飲酒を控えるよう事前に言われていたにもかかわらず飲酒したこと、宴会では自制せず飲酒に及び、その分量もかなりの量であったと推認できること、帰宅時には代行か家人を呼んで帰るように言われていたにもかかわらず、あえて自ら普通貨物自動車を運転し、本件事故に至ったこと、本件事故は酒酔い運転(重過失)により惹起されたものというべきこと(実際、被告Y2は危険運転致傷罪で起訴され、有罪判決を受けている。)、本件事故から約三五分後の飲酒検査の結果、呼気一リットル当たり〇・五五ミリグラムものアルコールが検出されたことなどが認められる。

一方、上記刑事記録によれば、原告X1は、歩道上で信号待ちをしていただけであって、何の落ち度もなかったところ、白昼、突如本件事故に遭い、重篤な状態に陥り、遷延性意識障害の後遺症が残る状態となったこと、原告X1は当時中学生であり、将来ある少年であったところ、一瞬にして一生涯にわたり介護を要する生活を余儀なくされたことが認められ、かかる原告X1の苦しみは察するに余りあるというべきである。

以上の点からすれば、原告X1の後遺障害慰謝料としては、三〇〇〇万円をもって相当とする。

(16)  弁護士費用 三〇〇〇万円

弁論の全趣旨によれば、原告X1は、被告らに対し、本件事故による損害賠償を請求するため、本訴の提起を余儀なくされ、その追行を原告訴訟代理人弁護士に委任したことが認められるが、本件事故の内容、本訴の事案の難易、経過、下記(18)の損害填補後の認容額等その他の本件に現れた諸般の事情にかんがみると、本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用の額は、三〇〇〇万円をもって相当とする。

(17)  (1)ないし(16)の合計額 三億五三六三万六九一九円

(18)  原告X1の損害の填補

ア 本件において、自賠責保険(ニッセイ同和損害保険株式会社)から平成一九年三月一五日に四〇〇〇万円の支払があった事実は当事者間に争いがない。

そして、原告らは、上記自賠責保険の支払については遅延損害金に先に充当すべきである旨主張しているため、原告らの指定どおりに充当することが相当である。

イ 次に、任意保険(三井住友海上火災保険株式会社)から、別紙二の交通事故・弁済充当計算書記載のとおり、平成一六年三月二日から平成一八年七月五日までの間、同計算書の弁済額記載の額(合計三一二二万五三八九円)が支払われた事実は当事者間に争いがない。

しかしながら、このうち支払先が「古川市立病院」「(有)リーベン」「オーラムメディカル」「藤田保健病院」「愛生病院」「(株)ジェーシーアイ」に係る費用総額二一三五万七一一〇円(甲八参照)は、医療機関等に直接支払済みの額であるところ、このように、加害者側が医療機関等の求めに応じ、任意に直接支払った治療費については、被害者側において元本へ充当することを黙示的に承諾したものとして、元本に充当されるべきである。原告らは、元本充当をする旨の説明は存在しなかったと主張するが、任意保険から医療機関等へ治療費等が直接支払われていた事実は原告らにおいても当然承知していたはずであることにも照らせば、原告らの主張は採用し難い。

したがって、任意保険による支払のうち、上記二一三五万七一一〇円は元本に充当することとし、その余の額は遅延損害金に充当することとする。

ウ 以上を前提に、自賠責保険及び任意保険による支払を充当すると、別紙三の弁済充当計算書(原告X1分)のとおり、平成一九年三月一五日時点で、遅延損害金の額が三〇八万二七〇五円(同日に発生した遅延損害金を含む。)、元本の額が三億三二二七万九八〇九円であることとなる(なお、同計算書の「弁済額」欄記載の金額のうち、二重枠で囲まれた部分が医療機関等への直接支払分であり、元本へ充当したものである。)。

(19)  小括

したがって、原告X1の損害としては、①平成一九年三月一五日時点の損害金元本三億三二二七万九八〇九円、②これに対する同月一六日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金、③同月一五日時点の確定遅延損害金三〇八万二七〇五円となる。

二  原告X2及び原告X3の損害

(1)  原告X2及び原告X3の固有の慰謝料 各四〇〇万円

本件事故は、相当程度の飲酒の上で普通貨物自動車を運転するという被告Y2の行為により惹起されたものであり、かかる飲酒運転により大切な我が子の健康を一瞬にして奪われた原告X2及び原告X3の悲しみは察するに余りあること、しかも原告X1は遷延性意識障害となり、意識の回復はにわかに期待できない上、常時介護が必要な状態にあって、原告X2及び原告X3としてはまさに気力体力を消耗して介護に当たっているというべきであること、その他関連する一切の事情に照らせば、原告X2及び原告X3が受けた精神的苦痛は甚大というほかなく、これを慰謝するためには、慰謝料として各四〇〇万円をもって相当とする。

(2)  原告X2及び原告X3の弁護士費用 各四〇万円

弁論の全趣旨によれば、原告X2及び原告X3は、被告らに対し、本件事故による損害賠償を請求するため、本訴の提起を余儀なくされ、その追行を原告訴訟代理人弁護士に委任したことが認められるが、本件事故の内容、本訴の事案の難易、経過、認容額等その他の本件に現れた諸般の事情にかんがみると、本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用の額は、各四〇万円をもって相当とする。

(3)  原告X2及び原告X3の損害合計 各四四〇万円

三  定期金賠償について

被告らは、本件に適合する解決策としては定期金賠償以外にあり得ないと主張する。しかし、原告らが定期金賠償方式を望んでおらず、一時金での支払を望んでいることを考慮すると、被告らの主張は採用し難い。

第四結論

よって、原告らの請求は、被告Y2に対しては不法行為に基づき、被告会社に対しては自動車損害賠償保障法三条に基づき、連帯して、(1)原告X1については①平成一九年三月一五日時点の損害金元本三億三二二七万九八〇九円、②これに対する本件事故の後の日である同月一六日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金、③同月一五日までに生じた確定遅延損害金三〇八万二七〇五円、(2)原告X2及び原告X3についてはそれぞれ損害金元本四四〇万円及びこれに対する本件事故の日である平成一六年一月二一日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから、これを認容し、その余は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 廣瀬孝)

別紙1

器具名

器具代金<1>

耐用年数

(購入回数)

ライプニッツ係数<2>

小計<1>×<2>

訓練用ベッド

261,450

8年(7回)

2.958145

773,407

エアーパッド

182,280

3年(20回)

7.004532

1,276,786

座位保持装置

541,666

3年(20回)

7.004532

3,794,116

歩行支援用具

(スロープ)

66,938

8年(7回)

2.958145

198,012

電気式たん吸引器

63,000

5年(12回)

4.425724

278,820

パワースマイル

(携帯用吸引機)

60,000

5年(12回)

4.425724

265,543

ネブライザー

30,240

5年(12回)

4.425724

133,833

バルスオキシメーター

56,700

6年(10回)

3.782936

214,492

チルトテーブル

(起立台)

1,470,000

5年(12回)

4.425724

6,505,814

リフト

371,000

4年(15回)

5.391819

2,000,364

スリングシート

(入浴担架)

48,000

5年(12回)

4.425724

212,434

特注防水シート

14,000

3年(20回)

7.004532

98,063

バスポンプ

2,000

6年(10回)

3.782936

7,565

スーパー耐圧ホース

2,500

8年(7回)

2.958145

7,395

携帯用シャワー

5,900

8年(7回)

2.958145

17,453

特注ベッドサイドレール

48,000

8年(7回)

2.958145

141,990

空気清浄機

35,900

5年(12回)

4.425724

158,883

合計

16,084,970

別紙2、3(省略)

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