仙台地方裁判所 昭和31年(行)22号 判決 1958年10月21日
原告 加藤辰太郎
被告 仙台国税局長
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
原告訴訟代理人は、被告が原告の昭和二九年度所得額に対する不服の審査請求に対し昭和三一年八月九日付なした裁決を取消す、訴訟費用は被告の負担とする、との判決を求める旨申し立て、請求原因として、原告は肩書地に居住し農地三町三反五畝を耕作して農業を営み、かたわら高砂農業協同組合長の職にあるものであるが、昭和二九年度所得額につき所定の期間内に申告したところ、仙台北税務署長は昭和三〇年八月三一日、右所得額を金五五三、四三〇円と更正してきたので、原告は同年九月三〇日再調査の請求をしたのに対し同税務署長は同年一二月二八日これを却下した、そこで原告は昭和三一年一月二八日被告に対し審査の請求をしたのであるが、被告は同年八月九日付をもつて右請求を棄却する旨の決定をなし、同月一〇日その通知書が原告に到達した、しかしながら、原告の昭和二九年度所得は別紙収支計算書記載のとおり農業所得は金一八八、七九〇円、給与所得は金一九六、〇〇〇円、合計金三八四、七九〇円に過ぎない、よつて、申立の趣旨のような判決を求めるため本訴におよぶと陳述した。(立証省略)
被告指定代理人は主文同旨の判決を求め、原告の農業所得金額を争うほかその余の原告主張事実はすべて認めると答え、さらに
一、本件所得の算定方法
税務官庁が課税処分を行う場合は個々の納税者について具体的に収支実額調査(以下収支調査という)を行うことによつてその所得金額を算定するのが妥当なことはいうまでもないが正確な収支調査を行うためには整備された課税資料の存在を前提とする。しかしながら実情は納税者の故意過失その他の事情によつて右課税資料すなわち帳簿記録その他の書類が全く存在しないか、または存在しても不完全なことが決して少くない。このような場合には個々の納税者について具体的でかつ最善の方法とされる収支調査は事実上不可能である。このような状態にある納税者が所得の算出を行つて申告しても、その申告された所得金額は正当性を裏づける資料を欠きまたはそれ自体の合理性を欠くため実状に即さないものとなる場合が極めて多いのである。このようなものをそのまま放置しておくことは許されないのであるから税務官庁は所得税法第四四条による更正等の処分を行うこととなるのである。
そして収支調査の前提となる帳簿、記録、その他の書類等が不存在または不完全な場合には、税務官庁は最も合理的な計算方法によつてこれらの資料の欠如した納税者の所得を把握推計することを余儀なくされる訳であり、このことは所得税法第四五条第三項において認められているところである。
この合理的な推計方法とは、収支調査可能な者について調査した多数の資料を基礎として合理的に算定した所得標準率(農業所得者の場合であれば普通田一反歩あたりの所得金額等の如く一般的に基準または標準となる所得金額算定上の各種の割合や数額をいう)を具体的な事例に適用するとか、課税資料の整備された同一地域、同一規模(状況類似のものを含む)の納税者の所得算定の基礎となつた計数等を利用する方法でなされるのである。それは推計であるから、個々の納税者の真実な所得金額とは一致しないかも知れないが、かりにそうだとしても、右のような与えられた条件のもとでは最も合理的に算出されたものであり、正確な収支調査を行うに足るだけの資料を整備しない納税者に公平に適用されているものであるからその合理性が否定されたり、または納税者によつて具体的に真実の所得金額が立証されたりしない限り、裁判上もその推計額をもつて真実の所得金額と認められるべきである。
原告は係争年分において、水田三町九畝、畑四反二畝歩を耕作し、かたわら仙台市高砂農協および同共済組合の組合長として指導的立場にあり、家族八人、年雇二人および農耕馬二頭をようして相当の生計をたてていたものである。
ところで原告が本件農業所得の収支計算を明確にするために本件審査請求において調査を担当した協議官に提出した帳簿および書類としては、わずかに農家簿記一冊、公租公課、電力料等の断片的な若干の領収書、および高砂農協の原告名義の預金通帳一冊に過ぎなかつた。しかもその中で最も重要と認められる農家簿記の記帳状況には、後述のとおり幾多の不備欠陥が認められ、このような資料のみをもつてしては具体的で正確な収支調査を行うことは不可能であつた。
原告提出の帳簿および書類をもつてしては適正な収支調査を行えなかつたとする理由の一部を列挙すれば次のとおりである。
1 収入金額に関する記載が全然行われていない。
原告提出にかかる農家簿記には、一応農業関係の経費と目されるものと、作業日誌に類する事項が記載されているだけで農業収穫物に関する記録は勿論、収入に関する事項は全然記帳されていない。原告の農業所得税法第九条第四号の事業所得に該当し、当該所得の計算は、その年中における総収入金額から必要な経費を控除して行わるべきであるから、右収入事項の記載のないものでは収支調査は不能である。なお農産物の所得の計算は、収穫の時における価額を総収入金額に算入し、当該農産物を譲渡したときはその譲渡価額を、家事消費等の場合は家事のために消費または贈与するときの価額を、それぞれ総収入金額に算入し、一方収穫価額を必要な経費に算入すべきものであるが(所得税法施行規則第九条および第九条の三参照)これらの事項を全く記入していない。
2 たな卸に関する記録が全然行われていない。
正確な収支調査を行うためには、その年分について、年初および年末における農産物、育成途上にある作物、貯蔵品、消耗品等のいわゆるたな卸資産についての実額を調査して記録しておかなければならない。ところが原告はこれらの調査および記録を一切行つていない。
3 現金の出納に関する事項の記載がない。
原告の提出した農家簿記には、一応農業関係経費と目されるものが単純にら列されているに過ぎず、収支の全部について記載されているわけでもなく、残高の記載もない。
4 家事関連費および資本的支出の区分が明白にされていない。
所得税法施行規則第一〇条の二五第一号および第一一条の関係からこれを明瞭に区分する必要があるのに、原告提出の農家簿記にはこれらの区切がなされておらず、極めて不確実なものである。
5 固定資産に関する記録が行われていない。
固定資産(牛馬果樹等を含む)については、それぞれの細目ごとに、その取得の年月日、取得先、数量、取得価額およびその年初における未償却残高等を記録しておかなければ、必要経費中減価償却費の計算を正確に行うことができず、したがつて正規の収支計算ができないことになる。原告はこれらの項についても整備された記録を有していない。
原告の提出した農家簿記等の記帳状況は、前述のとおり多くの不備欠かんを有し、これらの不備と欠かんが是正されない限り正確な農業所得を算出することは不可能である。よつて被告は収支調査にかえつて本件農業所得金額を算出することを余儀なくされたのである。
二、本件農業所得の算出
前項で詳述したとおり、原告には収支調査を行うに足るだけの整備された資料の保存がなかつたので、被告は本件農業所得算出の基礎を農業所得標準に求めた。
(イ) 農業所得標準とは、農家が完全な記帳を行つていない場合その農業所得金額を計算するために税務官庁が算定した基礎となる数額(普通田については収量一石あたりの所得金額、畑については一反歩あたりの所得金額、農耕馬等については一頭あたりの経費額等で、拠るべき基準として算定した数額)であつて、これは税務官庁が統計学における推計理論の方式を基礎として標本調査法によつて多数の標本農家について行つた所得計算の結果に基いて作成するものである。すなわち、一税務署管内を原則として地力状況等によつて三地帯に区分し、各地帯ごとに地力状況中庸と認められる一町村を基準として選定し、その基準町村については各五件、その他の町村については各二件の農家を標本調査の選定方式に基いて選定する。詳述すれば、基準町村については前年分所得税について納税義務ある農家の平均耕作反別に近似するものの中から二件、それより五百歩程多いものおよび少いものの中から各一件、一町歩程度多いものの中から一件、計五件を、また基準町村以外の町村については、前年分所得税について納税義務ある農家の平均耕作反別に近似するものの中から二件を選定する。その各選定農家について、坪刈、刈束、せろもみおよび在庫高等の調査によつて収穫高を実査し、また作付状況および帳簿等をできるだけ精密に調査し、これらの調査資料を基礎として、普通田については石あたり、普通畑およびそ菜畑については反あたり所得(収入金額から必要経費を控除したもの)を算出し、これをもつてその地方における農家の田については石あたり、畑については反あたりの標準所得としたものである。この単位あたりの標準所得に各農家の田については収穫量(供米の生産割当量)、畑については耕作面積を乗じて得られた金額から平年作に対し三〇%以上減収した災害田については、別に作成した減算所得標準率により減算し、右の田畑所得の算出上収入に含まれていない追払金、俵代等はこれに加算し、個別性の大きい経費として田畑所得標準率算出上経費に含まれていない牛馬費、土地改良区費、水利費、雇人費および共済掛金等をこれより控除すれば、当該年分の農業所得金額を算出することができることとなる。
右のような方法で作成し運用される農業所得標準は、税務官庁において単独に独善的な方法で作成運用するものではなく、関係市町村当局および各農業団体と事前に調査資料に基いて十分な意見の交換を行う等標準の一般的妥当性を尊重する方途を講じているのであり、かくして作成された標準率は一般に公開されるものなのである。
このようにして作成され、かつ公開される農業所得標準は、正確な収支調査を行うに足るだけの資料を保持していないすべての農業所得者に適用されることとなり、また納税義務のある各農業所得者の拠るべき基準として広く利用されているのである。これを係争年分たる昭和二九年分についてみるならば、仙台北税務署管内の確定申告を提出した農業所得者二、二五七人(内仙台市一、〇三四人、そのうち原告居住の高砂地区三三三人)のうちこの公開された農業所得標準によらない者はただ原告一人のみである。
(ロ) 右農業所得標準によつて本件農業所得を算出すれば、次のとおり金三五七、三三五円となる。
区分
種目
基本
標準
(円)
金額
(円)
田畑所得
一毛田
(三町九畝)
六六石四八二
石あたり
七、八九〇
五二四、五四二
普通畑
四反一畝
反あたり
一四、〇九〇
五七、七六九
小計
(ア)五八二、三一一
災害田減算額
% %
三〇~四〇
四畝
反あたり
一、三七六
五五〇
五〇~六〇
二畝
一、二七八
二五六
八〇~九〇
二畝
九九六
一九九
小計
(イ)一、〇〇五
差引計(ア)―(イ)
(ウ)五八一、三〇六
標準外収入加算額
追払金
一〇、〇五六
俵代
五五石一三
石あたり一一〇
六、〇六四
小計
(エ)一六、一二〇
標準外経費減算額
牛馬費
馬二頭
一頭あたり
二三、五〇〇
四七、〇〇〇
土地改良区水利費
一一、〇七七
雇人費
一八〇、四〇〇
その他
一、六一四
小計
(オ)二四〇、〇九一
農業所得金額
(ウ)+(エ)―(オ)
三五七、三三五
右のとおり算出された農業所得金三五七、三三五円に給与所得金一九六、〇九五円を加えれば、原告の昭和二九年分総所得金額は、金五五三、四三〇円となり、本件決定は正当である。
と陳述した。(立証省略)
理由
原告が肩書地で農業を営み、かたわら高砂農業協同組合長の職にあるものであること、原告が昭和二九年度所得額について所定の期間内に申告したところ仙台北税務署長は昭和三〇年八月三一日右所得金額を金五五三、四三〇円と更正したこと、原告がこれに対し同年九月三〇日再調査の請求をしたのに対し同税務署長が同年一二月二八日これを却下したこと、そこで原告は昭和三一年一月二八日被告に対し審査の請求をしたのに対し、被告は同年八月九日付をもつてこれを棄却する旨の決定をなし、その通知書は同月一〇日原告に到達したこと、原告の昭和二九年度給与所得が金一九六、〇〇〇円であることはいずれも当事者間に争いがない。
原告は同年度の農業所得が一八八、七九〇円であるのに、これと異なる所轄税務署の更正を是認した被告の決定は違法であると争うので以下この点について判断する。
証人成瀬格の証言と弁論の全趣旨とによれば、原告がなした所轄税務署長の昭和二九年度所得申告の更正処分に対する審査請求について、その調査には、仙台国税局協議団本部所属協議官である大蔵事務官成瀬格があつたこと、成瀬事務官は昭和三一年二月ころ二、三度原告方を訪れて調査した、その際原告に対し帳簿書類の提出を求めたところ農家簿記と題する帳簿一冊、農業経費の支払に対する受領書その他の証拠書類、高砂農業協同組合に対する原告名義の預金通帳の提出があり、原告はそれ以外の証拠書類はない旨話していたこと、右提出書類のうち、農家簿記には農業上の経費支出についてその一部と認められる記載と農作業の日誌と思われる記載があつたが、農業収穫物に関する記載は勿論収入に関する記載、たな卸資産についての記録、固定資産に関する記載等が全くなく、現金出納に関する記載についても、記載されているものはその一部に過ぎず、かつ取引年月日、支払先、残高の記載が殆んどなく、また家事関連費と資本的支出の区分が明瞭にされていなかつたこと、右帳簿の以上のような不備を補うに足る証拠資料はなく、たな卸については原告もやらなかつた旨答えていたこと、その他の提出書類としては公租公課の受領書、電力料金受領書、供米入庫伝票等農業経営上の必要経費と認められるものの一部の証拠書類に過ぎなかつたこと、提示された帳簿その他の書類による経費を全部合算しても三六万余円にしかならないのに原告は五七万余円と称していたこと、例えば雇人費についていえば原告の申告は一人あたり三六〇余円であるのに右帳簿上の計算では三五〇余円となつていて一致せず、かつそれはその地方の協定価格である三五〇円を上廻るものである等、記載自体徴税の基礎として是認できないものがあつたこと、原告は成瀬事務官の調査にあたつては協力的であつたが、同事務官の調査前に行われた徴税官庁の各種照会に対する回答の状況は十分に協力的ではなかつたことがそれぞれ認められる。以上の認定に反する証拠はない。右認定のような事情のもとにおいては、具体的に収支実額調査を行うことが不可能であり、税務官庁としても納税義務者の申告を直ちにそのまま是認することは徴税政策の本質にもそわないから、原告の場合としても、いきおい推計の方法により係争年度の農業所得を計算して算出するよりほかないことになる。そして成立に争のない乙号各証、証人成瀬格、細谷金治郎の各証言によれば、右推計の方法として被告主張二(本件農業所得の算出)(イ)の方法によつたことが認められるところ、当裁判所も右推計の方法は合理的なものであると認めるのでこれを採用する。
そこで右計算方法による計算の前提となる数字(前記主張二(ロ)の表「基本」欄記載の数字同欄に記載のないものは「金額」欄記載の金額)について証拠を按ずるに、
(1) 田畑所得のうち一毛田の事後割当の基本となつた石数は、成立に争いのない甲第二七号証、証人成瀬格の証言により六六石四八二であることが認められる。
(2) 同普通畑の耕作反別は、証人加藤国寿の証言によれば四反二畝であるというが、被告の主張は四反一畝というのであるから、むしろ原告のため利益に被告主張のとおり四反一畝と認定して計算の基礎とする。
(3) 同災害田減算額は、証人成瀬格、細谷金治郎の各証言によれば、共済組合の被害証明によるものであり三〇%ないし四〇%のもの四畝、五〇ないし六〇%のもの二畝、八〇ないし九〇%のもの二畝であることが認められる。
(4) 標準外収入加算額の追払金は、証人成瀬格の証言により、昭和二八年度産米の供出額に対するものとして一〇、〇五六円であることが認められる。
(5) 同俵代については、方式および趣旨により公文書であることが認められるから真正に成立したものと推定される甲第二六号証、証人成瀬格の証言により供出額として五五石一三であることが認められる。(もつとも右同様にして真正に成立したものと推定される甲第七号証の二、三によれば、五五石二であるとも思われるが、むしろ原告の利益に被告主張のとおり五五石一三と認定する。)
(6) 標準外経費減算額の牛馬費につき、馬二頭であることは当事者間に争いがない。
(7) 同土地改良区費と水利費、雇人費、その他として控除すべき金額は、証人成瀬格の証言によればそれぞれ一一、〇〇〇円、一八〇、〇〇〇円、一、六一四円であることが認められる。
次に被告主張の推計方法の所得標準の具体的適用(前記二(ロ)の表「標準」欄記載の金額)については、証人成瀬格の証言と弁論の全趣旨によるほか、田畑所得のうち一毛田については前記乙第七号証の三、七により石あたり七、八九〇円、同普通畑については前記乙第七号証の三、八により反あたり一四、〇九〇円、同災害田減算額については前記乙第七号証の五により三〇%ないし四〇%のものは反あたり一、三七六円、五〇%ないし六〇%のものは反あたり一、二七八円、八〇ないし九〇%のものは反あたり九九六円、標準外収入加算額のうち俵代については前記乙第七号証の四により石あたり一一〇円、標準外経費減算額のうち牛馬費については前記乙第七号証の六により馬一頭あたり二三、五〇〇円であることがそれぞれ認められる。
以上の数字を被告主張の推計方式にあてはめれば、原告の係争年度における農業所得の総額が、被告主張のように金三五七、三三五円になることは計数上明らかである。
もつとも、被告主張の推計方法がたとえ前認定のとおり合理的なものであり、かつそれを適用される当時の状況として推計による以外に方法がなかつたとしても、それはあくまでも推計の域を出ないのであるから、決して常に必ずしも原告の真実の農業所得額と合致するものでないことは当然である。しかしながら、原告のように収支調査のために必要な整備された資料を有していなかつた納税義務者については、たとえそれが真実の所得額と合致しないとしても、それが納税義務者によつて立証されるまでは、一応正確な所得額を示すものとして課税の基礎とすることを是認しなければならないと解するところ、成立に争のない甲第二七号証、証人加藤国寿の証言、原告本人尋問の結果、これらの陳述によつて成立が認められるその余の甲号各証を綜合してみても、収支計算の基礎となる資料の整備状況については、前認定の成瀬事務官が調査した当時の域を一歩も出でず、右証言ならびに本人尋問の結果のうち右資料を欠く収支に関する部分は弁論の全趣旨に徴してただちに措信できないから、かかる状況のもとでは当裁判所としても原告の真実の農業所得をあらためて計算するに由なく、結局原告の全立証をもつてしても、未だ被告の主張をくつがえすに足りない。
してみれば、原告の農業所得額を三五七、三三五円と認定し、これに当事者間に争いのない原告の給与所得額一九六、〇〇〇円を加算した金五五三、四三〇円をもつて原告の係争年度における課税総所得金額として所轄税務署の更正を是認した被告の本件決定は正当である。よつてこれを違法としてその取消を求める原告の請求は理由がないからこれを棄却すべく、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して主文のように判決する。
(裁判官 中川毅 宮崎富哉 金隆史)