仙台地方裁判所 昭和55年(ワ)1288号 判決
原告
中川三郎
被告
株式会社協立建設
ほか一名
第二主文
一 被告らは原告に対し、各自金一〇四万三四三八円及びこれに対する昭和五四年八月二九日から支払い済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 訴訟費用は被告らの負担とする。
三 この判決は仮に執行することができる。
第三事実
一 請求の趣旨
主文と同旨
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する(被告ら)。
2 訴訟費用は原告の負担とする(被告株式会社協立建設)。
三 請求原因
1(事故の発生)
原告は、次の交通事故(以下「本件事故」という。)によつて損害を受けた。
(一) 発生日 昭和五四年八月二八日午後〇時三五分ころ
(二) 発生地 宮城県多賀城市伝上山一丁目一六番八路上
(三) 被告車 普通貨物自動車(宮四四て五四二九)
運転者 被告 戸羽潤(以下「被告戸羽」という。)
(四) 原告車 普通乗用車(宮五七せ九二八)
運転者 原告
(五) 態様 原告車が、約四〇キロメートル毎時の速度で先行車と約二〇メートルの車間距離をとつて走行していたところ、先行車が左折の合図をして徐行した。減速した原告車が、停止する直前に後方から被告車が追突し、その衝撃で原告車は前に押し出されて先行車後部に追突して停止した。
(六) 結果 原告は頸部捻挫、両肩痛、右胸部右膝打撲、左第四指挫傷、腰痛等の傷害を負つた。
2(責任原因)
(一) 被告戸羽は前方不注視によつて本件事故を発生させたのであるから、民法七〇九条により
(二) 被告株式会社協立建設(以下「被告会社」という。)は被告車を所有し、また、本件事故は当時被告会社の従業員であつた被告戸羽が被告会社の業務に従事中に発生したものであるから、被告会社は人身傷害による損害については自賠法三条又は民法七一五条一項、物件損傷による損害については民法七一五条一項により
本件事故により生じた損害を賠償する義務がある。
3(損害)
(一) 積極損害 九二万七八四〇円
(1) 医療費 八九万六六四〇円
高橋外科整形外科医院に入院及び通院して加療
(2) 入院諸雑費 二万八〇〇〇円
右医院に五六日間入院、一日五〇〇円として算出
(3) 通院費用 三二〇〇円
二〇間通院した交通費
(二) 休業損害 三七万一四〇円
昭和五四年八月二九日から同年一〇月二七日まで六〇日間欠勤(同年六月から八月までの本給及び付合給の一日平均支給額六一六九円)
(三) 慰謝料 四八万円
入院五六日間、通院二〇日間の分
(四) 自賠責保険金の控除 一二〇万円
(五) 車両損害 三七万六〇〇円
前部及び後部破損による補修費
(六) 弁護士費用 九万四八五八円
原告は、右損害金九四万八五八〇円の支払いを被告らに請求したが、被告らが応じないので、やむなく原告代理人に対し本件訴訟の提起及び遂行を委任したが、その費用は損害額の一割に相当する九万四八五八円である。
4 よつて、原告は被告らに対し、各自一〇四万三四三八円及びこれに対する本件事故発生の日の翌日から支払い済みまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
四 請求原因に対する答弁
1 被告会社
(一) 請求原因第1項の(一)ないし(四)は認め、(五)及び(六)は不知
(二) 同第2項については、被告戸羽が被告会社の従業員であつたことは認めるが、その余は否認する。
被告車は、当時被告会社の臨時雇人訴外村上喜代男(以下「村上」という。)所有のもので、被告戸羽が昼休み休憩時間中に村上から個人の私用に供するため借り受けて使用していたものである。
2 被告戸羽
認める。
五 証拠〔略〕
第四理由
一 請求原因第1項の(一)ないし(四)については当事者間に争いがない。
二 本件事故の態様及び結果について
1 原告と被告戸羽との間においては、請求原因第1項の(五)及び(六)について争いがない。
2 原本の存在も含めて成立に争いのない甲第一号証の一ないし一二、第二号証の一ないし三、第三号証の一ないし四、原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、原告と被告会社との間においても請求原因第1項の(五)及び(六)の事実が認められる。
三 責任原因について
1 原告と被告戸羽との間においては請求原因第2項について争いがない。
2 前出甲第一号証の一ないし一二、被告代表者本人(変更前)尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、原告と被告会社との間においても請求原因第2項の事実が認められる。
なお、被告は被告車が当時被告会社の臨時雇人村上所有のもので、被告戸羽が昼休み休憩時間中に私用のため借り出していた旨主張し、前出被告代表者本人の供述中には、被告車が村上のものであるという右主張にそう部分があるけれども、右本人尋問の結果によれば、村上は、農業を営むために使用する春秋冬二か月間位を除いて被告車を被告会社に持ち込み、被告会社では被告車を多い時で一か月一週間位の割合で供用し、定期的に使用していた事実が認められ、このような状況のもとでは、被告会社の従業員である被告戸羽が被告車を運転して起こした本件事故について、被告会社は運行供用者としての責任を免れないものというべきである。
3 従つて、本件事故によつて生じた原告の損害に対し、被告戸羽は民法七〇九条により、被告会社は、人身損害について自賠法三条、物損について民法七一五条一項により賠償する義務があるというべきである。
四 損害について
原告と被告戸羽との間では、請求原因第3項について争いがなく、前出各証拠によれば、原告と被告会社との間においても、本件事故によつて原告主張のとおりの損害が発生し、被告らに対し負担させるべき損害額としても右原告主張のとおりの金額が相当である。
五 結論
以上の次第で、本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担について民訴法八九条、九三条、仮執行宣言について同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 池田亮一)