仙台地方裁判所 昭和58年(ワ)566号 判決 1987年4月16日
主文
一 原告の請求を棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一 当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告は原告に対し、金八五〇万円及びこれに対する昭和五七年四月二一日から支払済みまで年三割の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言
二 請求の趣旨
1 主文と同旨
2 仮執行免脱宣言
第二 当事者の主張
一 請求原因
1 訴外八島勝郎(以下「訴外八島」という。)と訴外堀江弘一(以下「堀江」という。)は、昭和五七年二月二日、先に訴外八島が堀江に貸し付けていた金六五〇万円の貸金債権を新たな消費貸借の目的とし、その弁済期を同年四月二〇日、遅延損害金を年三割とする旨の合意をした。
2 訴外八島は、右同日、堀江に対し、更に金二〇〇万円を右貸金と同一の約定で貸し渡した。
3 被告は、右同日、訴外八島に対し、訴外丹野保雄(以下「保雄」という。)の代理人として、堀江の訴外八島に対する前記合計八五〇万円の貸金債務について保雄が保証人として堀江と連帯して履行の責を負うことを約した(以下「本件連帯保証契約」という。)。
4 訴外八島は、昭和五七年五月一一日、原告に対し、前記貸金債権を譲渡した。
5 ところが、保雄は、無権代理を理由として当該金銭消費貸借契約の公正証書の執行力の排除を求める請求異議の訴えを仙台地方裁判所に提起し(昭和五七年(ワ)第一三一五号、原告丹野保雄・被告八島よし子、以下「別訴」という。)、同事件の原告本人尋問の中で、保雄が被告に対し本件連帯保証契約締結の代理権を与えたことはない旨供述した。
よって、原告は、被告に対し、民法一一七条に基づく履行の請求として、前記貸金八五〇万円及びこれに対する弁済期の翌日である昭和五七年四月二一日から支払済みまで前記約定の年三割の割合による遅延損害金の支払いを求める。
二 請求原因に対する認否
1 請求原因1、2の事実は知らない。
2 同3の事実は否認する。
3 同4については、債権譲渡としての外形的事実があることは認めるが、信託法一一条違反の疑いがある。
4 同5の事実中、保雄が請求異議の訴えを提起し、現在係属中であることは認めるが、その余は否認する。
第三 証拠(省略)