仙台家庭裁判所 昭和２８年（家）１９８８号 審判 1953年10月21日
国籍
アメリカ（カリフオルニヤ州）
住所
仙台市川内村米軍キヤンプ内三〇七―Ｃ
申立人
バーナード・ピカツト（仮名）
国籍
日本
住所
申立人に同じ
事件本人
山田芳子（仮名）
（法定代理人母
山田静子（仮名））
主文
右申立人が右未成年者山田芳子を養子とすることを許可する。
理由
本件申立人は主文同趣旨の審判を求めその事情として述べるところによれば、本件申立人は昭和二十六年七月○○日右事件本人の実毋である山田静子と婚姻し日本国及び本国に夫々手続を了し同時に右事件本人とも同居し生活を営み実子に等しき愛情を持続し本年十月その本国であるカリフオルニア州に帰国するに当りこの際養子として共に帰国したいので本件申立をなしたものであるというにある。依つて当裁判所は申立人及び事件本人の法定代理人を審問し且つ本件記録添付の戸籍謄本並びに本件申立人の本国法中養子縁組に関する法規等を参照した結果本件申立は、民法第七百九十八条但書、即ち自己若しくは配偶者の子を養子と為す場合に該当するをもつて裁判所の許可を要せず事件本人の本籍地役場に対する申出のみによつて縁組は有効に成立するが、右カリフオルニア州の法規によれば成年者は何人と雖も養子よりも十歳以上年長なるときは如何なる未成年者をも養子とすることができる。但しその場合は必ず青少年裁判所の承諾を要し右の如き例外規定はないので法例第十九条及び申立人の本国人の本国法に則り主文の通り審判した。
（家事審判官 三森武雄）