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仙台家庭裁判所 昭和42年(少)2043号 1968年4月08日

主文

少年を仙台保護観察所の保護観察に付する。

理由

(非行事実)

少年は、○○中学を中退後、昭和三九年六月頃より、東京、富谷、仙台などで稼働したが、いずれも長続きせず、昭和四二年九月頃より、自宅で家事の手伝などをなしていたものであるが、自宅においても父H・Zや兄H・Sから、時折些細なことで叱責され、これに不満を抱いていたところ、更に同年一一月○日夜、父H・Zから外出中の母H・D子を迎えにゆくように言われたが、これに従がわず、父に激しく叱責されたことから口論となり、又、翌△日にも子守りのため預つていた子供○代子(当時二歳)が溜池に落ちたことで、母H・D子や、子供の父親大○弘若しくは○橋○太郎に注意されたことなどから、日頃の不満が昂じ、自宅に放火して、火事騒ぎでも起し、そのうつぷんを晴らそうと考え、同△日午後三時過ぎ頃、肩書住居地所在の自宅(木造草葺平家建居宅一棟)六畳茶の間の奥の据え付け戸棚に上り、同部屋北東隅の草葺屋根裏側にマッチを擦つて点火し、よつて、同部分の屋根の一部(約三・三平方米)を焼燬したものである。

(法令の適用)

現住建造物放火刑法第一〇八条。

(処遇理由)

少年の非行の態様ならびに性格、環境等(詳細は少年調査記録を引用する)に照らし、相当期間保護観察に付することが、少年の健全なる保護育成を期するために必要な措置であると認められるので、少年法第二四条第一項第一号、少年審判規則第三七条第一項により主文のとおり決定する。

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