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仙台高等裁判所 平成11年(行コ)8号 判決 2000年7月25日

控訴人

右訴訟代理人弁護士

佐々木健次

渡辺寿一

被控訴人

右代表者法務大臣

保岡興治

右指定代理人

近藤裕之

高橋藤人

太田正昭

阿部修

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  控訴人の平成四年三月二六日相続開始(被相続人乙)に基づく相続税債務は四八三八万七八〇〇円を超えては存在しないことを確認する。

3  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

第二事案の概要

争いがない事実、関係法令の定め、争点、争点に対する当事者の主張の骨子は、次のほか、原判決「事実及び理由」欄「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。

1  控訴人の当審における新たな主張

本件について本件特例を適用することは、前述のとおり、憲法二九条上のほか、憲法一四条、憲法二五条上も問題があるのであるから、総合的に判断して、いわば合わせて一本という考え方で、違憲になると解すべきである。

2  控訴人の当審における新たな主張に対する被控訴人の反論

本件特例の適用違憲を問題とする場合であっても、その適用が違法の各規定のそれぞれに違反するか否かが一義的に判断されなければならないことは当然であって、本件特例を適用することが憲法二九条、一四条、二五条の各規定に照らして問題があるというだけで(問題があるといえるか自体疑問であるが)、適用違憲の判断が下されることはない。

第三当裁判所の判断

一  当裁判所も、控訴人の本訴請求は理由がないから棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のほか、原判決「事実及び理由」欄「第三 争点に対する判断」説示のとおりであるからこれを引用する。当審において取り調べた各証拠によっても、これに改めるべきところはない。

控訴人の当審における新たな主張について

法令の適用が違憲となるか否かの判断は、問題となる憲法の各規定毎に一義的に行われるべきものであり、憲法のある規定につき問題となる程度と他の規定につき問題となる程度とを合わせて総合的に判断して適用違憲となるというようなことはありえないというべきである。そうすると、控訴人の主張はその前提を欠くこととなるから、その余の点を論じるまでもなく理由がない。

二  よって、原判決は相当で、控訴人の本件控訴は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 武藤冬士己 裁判官 木下徹信 裁判官 衣笠和彦)

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