大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)1040号 判決

しかし原判決摘示の証拠を綜合すれば原判示第二の(2)の事実は優に認めうるところであつて、被告人が所持していた液体は酒気を発している密造のスマシ即ち清酒であることを確認しえられるのであるから特別の理由のない限り右はアルコール分一度以上を含有しているものと推認するのが通念に合致する。されば原判決には所論のような違法はない。

(弁護人の控訴趣意)

第一点、原判決は証拠によらずして犯罪事実を認定した違法がある。原判決は理由第二の2において

法定の除外事由なく昭和二十五年三月二日大湊近川駅附近に於て政府の免許を受けない者の製造した清酒約七升五合を所持したものである

と事実を判示しその証拠として、

一、被告人の当公判廷における供述

一、大蔵事務官の被告人佐々木幸吉こと金成順に対する質問顛末書

一、大蔵事務官作成の差押目録

を採用している。

然し右証拠を仔細に検討すると、原判決が判示しているように被告人が所持していたのは所謂酒税法による酒類であることの証拠を挙げていない。

酒税法第二条の酒類の定義によると、

本法に於て酒類とはアルコール分一度以上の飲料を謂う、とある。よつて酒税法違反であるや否、即ち同法の酒類であることは証拠によつて認められなければならないのに拘らず原判決は単に清酒を「所持」していた事実を判示して所持していたものが「酒類」であるとの証拠を挙げて認定していない。即ち、原判決は証拠によらずして事実を認定した違法があると思料する。

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