大判例

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仙台高等裁判所 昭和25年(う)888号 判決

原判決挙示の証拠を綜合すれば優に原判示事実を認定することが出来る。斯様に認定するにつき採証法則違背の点がなく、記録に徴し、事実認定に誤認があるとは認められない。唯原判決は、被告人が原判示第一及第二の犯行時に於て心神耗弱の状態に在つた旨判断し、被告人及弁護人は、それは心神喪失の状態に在つたものである旨反駁するけれども、原判決が心神耗弱を認めた証拠として挙げて居る資料を検討すれば、被告人が原判示第一及第二の犯行時に於て飲酒酩酊の余り理非弁別の能力が著く減退して居た事実は之を認めるに足るが、斯る能力を欠如する迄に到つて居た事実は遂に窺知することが出来ないのであつて、斯様な精神障礙の程度は刑法第三十九条第二項に所謂心神耗弱に該当するものと謂うべきであるから、是と同趣旨に出でた原判示は寔に正当であつて、採証則若くは経験則に違背するものではない。被告本人所論の如く、被告人が現在に於て犯行当時の記憶を全く欠いて居る、と謂う事実は、それのみでは未だ被告人が犯行当時心神喪失の状態に在つたものとは認め難い。

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