大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)338号 判決

古物営業法第十六条には「古物商は古物を買受け…………ようとするときは、命令の定める方法により、その相手方の住所、氏名、職業、及び年齢を確認しなければならない。不正品の疑がある場合に於ては、直ちに警察官又は警察吏員にその旨を申告しなければならない。」とあり、同法施行規則第二十二条には「古物商が法第十六条の規定による確認をするには、直接にその相手方の住所、氏名を確かめ、又は身分証明書、主要食糧購入通帳、家庭用品購入通帳、定期乗車券等その相手方の住所、氏名、職業、年齢を確めるに足りるものの呈示を受けなければならない。」とあつてその趣旨とするところは、盜難防止にあること明かである。それ故取引に際し、相手方及び目的物の性質、状況等に応じて右規則所定の可能なる方法を尽くして確めたのでなければ、法にいわゆる確認したものとはいえないというべきである。

本件は原判決挙示の証拠によれば、取引の目的物が特別の物で、即ち一カラツトのダイヤ指輪で、少し疵があつても、五万円と値踏みしたものと、〇、三八カラツトのダイヤ指輪一万五千円と値踏みしたものとの買取方の交渉を受けたという場合であることが明かである。されば、被告人が原審公廷で弁解するように、相手方が男女二人連れであつて、仙台市内のことに委しかつたり、被告人を信用せしめるような言動をしたりした事情があるとしても、所定の主要食糧購入通帳、身分証明書等の呈示を受けなかつた以上、相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認したものとはなし難い。

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