仙台高等裁判所 昭和27年(う)437号 判決
弁護人の控訴趣意一及び二の内、原判示二、の事実認定が誤認であると主張する部分並びに同控訴趣意三及び四についての判断。
原判決が原判示二、の事実を認めた証拠を綜合すれば、優に、原判示二の事実を認めることができる。記録に徴するも此認定に誤りがあるとは認められない。被告人の原判示二の行為が、原判示一の五十万円と全然関係がないとか、仮にあつたとしても原判示二の大豆百七十俵を日豆に送れば、日豆から代金の支払を受け得ないことはなかつたというが如き所論の事実はいずれも首肯するに足る証拠がない。被告人が山口市太郎から原判示二の大豆につき販売の委託を受けたことは原判決も認めているところであるが、ただこの販売委託契約は被告人の欺罔行為に因るものであるとしているのである。而して、欺罔行為に因つて販売の委託をうけた上、原判示二の如き経過で委託の目的たる財物を処分した以上之が刑法第二百四十六条第一項に該当することはもちろんであるから、原判決には所論の如き擬律錯誤もない。