大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)51号 判決

(イ) ………(前略)………しかし、原判決挙示の証拠によれば、被告人は電気電信技官であつて、電気通信省東北電気通信資材部工材調理課に課長として勤務し、同資材部長の許で、関係部局の要求する工事用物品の購入計画等の設定及び………これらに附帯する事務を掌理していたものであり、原判決挙示の証拠及び当審における事実調べの結果によれば、右工材調理課のなす工事用物品の購入計画は、関係部局の要求と在庫品及び予算とを照合してこれを調整設定し、その作成する購入要求書には品名・数量・納期及び納入場所を指定するのみで、業者及び価格にはふれず、資材部長の決裁を経て工材課に廻付され、同課において業者の選定及び価格の決定がなされて実施されるものであること、工材調理課及び工材課の両課はかつては統合して一課をなし、被告人がその課長であつたことがあり、また本件当時被告人は同資材部副部長格として重きをなしていた…………ことが窺われる。右の如く、苟も電気通信技官で前記資材部工材調理課に課長として勤務し、同資材部長が関係部局の要求に基き、工事用物品を業者より購入するにつき同資材部長の許で、その購入実施の基本となるべき購入計画を設定するの職務を有する者たる以上は、仮令、所論の如く業者の選定及び価格の決定に関しては何等の職務権限がなく、又その計画設定についても上司の決裁をうける場合でも、被告人の職務が右物品購入計画実施につき全然関係がないとは謂い難いのであつて、物品納入希望業者が、叙上の如き職務ある被告人に対しその職務上の配慮に待つものがあつたとし、乃至は職務上の配慮に待つべきものあることを慮つて金品を交付した場合において、被告人がその情を諒してこれを収受したときは、即ち公務員の職務に関し賄賂を収受したものに外ならないのである。(大審院昭和六年(れ)第一二三六号、昭和六・一一・二〇判決参照)(後略)

(ロ) ………(前略)………原判示第二の一及び第二の七の被告人杉下が荒光孝から収受した各五、〇〇〇円は、原判決挙示の証拠によれば、所論の如く、同人から工材調理課の忘年会乃至は懇親会への各寄附として同課計画班主査たる同被告人に手交されたものであることが認められる。しかし、同時に、それはその処分を同被告人に一任して手交されたものであることが窺われるのであつて、同被告人がその一部又は全部を右会の費用に使用したとしても、それは事後処分に過ぎないものであるから、職務に関してこれを収受した以上、その金額につき同被告人に収賄罪が成立するものというべきである。

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