仙台高等裁判所 昭和27年(う)883号 判決
職権を以つて法令の適用を調査するに、原判決は判示、窃盗の所為につき各刑法第二三五条を適用し、更に同法第五七条・第五八条・第五九条により累犯の加重をなした上、以上は併合罪であるとして同法第四五条前段・第四七条・第一〇条を適用し、犯情の重い(中略)から衣類などを窃取した罪の刑に法定の加重をなした刑期範囲内で量定処断する旨説示した。しかしながら、刑法第五八条は昭和二二年法律第一二四号を以つて削除されたものであり、また右の擬律によると、処断刑は三〇年以下となる筋合であるから、当然刑法第一四条を適用しなければならないのに、原判決は同条の適用を遺脱した違法がある。結局、原判決は法令の適用に誤があり、その誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであることは言を要しない。