大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)375号 判決

原判決挙示の証拠によれば、被告人が昭和二十六年九月一日から同月四日までの間、前後四回に亘り、肩書住居等において、反覆累行の意思を以て高野正三外二名に対し、HS式高周波器なる器具を用い、HS式無熱高周波療法と称する療法を一回百円の料金を徴して施したこと、即ち右施術を業として行つた事実は明かである。

而して論旨は右被告人の行つた療法はあん摩師、はり師、きゆう師柔道整復師法にいうところの医業類似行為ではないと主張するので之を按ずるに右法律第十二条にいうところの医業類似行為とは「疾病の治療又は保健の目的を以て光熱器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為であつて他の法令において認められた資格を有する者が、その範囲内でなす診療又は施術でないもの、」換言すれば「疾病の治療又は保健の目的でする行為であつて医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゆう師又は柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者が、その業務としてする行為でないもの」ということになるのである。而して右法律が之を業とすることを禁止している趣旨は、かかる行為は時に人体に危害を生ぜしめる場合もあり、たとえ積極的にそのような危害を生ぜしめないまでも、人をして正当な医療を受ける機会を失わせ、ひいて疾病の治療恢復の時期を遅らせるが如き虞あり、之を自由に放任することは正常な医療の普及徹底並に公共の保健衛生の改善向上の為望ましくないので、国民に正当な医療を亨受する機会を与え、わが国の保健衞生状態の改善向上をはかることを目的とするに在ると解される、本件について之を見るに被告人の司法警察員に対する供述調書、原審証人斎藤正三郎の証言(原審第三回公判)及び当審証人杉田勝衛の証言を綜合すれば、本件HS式無熱高周波療法は電気理論を応用して疾病を治癒する目的を以て製造販売使用せられているHS式高周波器なる器具を使用し、疾病治癒の目的を以て行われる施術で少くとも之を使用している者の間では疾病治療に著大の効果ありと信ぜられているものであるから、之を所定の資格を有する者が行つた場合以外医業類似行為というべきことは疑いなく、しかして被告人は医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゆう師又は柔道整復師等法令で正式にその資格を認められたものでないのに右施術を業として行つたものであるから被告人の前記本件行為が医業類似行為を業としたものとして前記法律第十二条の規定に触れることは疑がない。

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