仙台高等裁判所 昭和28年(う)956号 判決
原判決挙示の証拠によれば、被告人は所論携行所持してきた証第一号、同第三号及び同第四号の計三千九百八十三本のアンプル入覚せい剤を会津若松駅前のタクシーに積込んだのみでなく、Aと話合いの上Aにおいて大阪駅から手荷物として輸送し会津若松駅に到着して同駅に保管中の所論証第二号の木箱詰め計六千三百七十五本のアンプル入覚せい剤を同駅荷物係から受取つてこれをタクシーまで運んで積込んだ時に警察官に逮捕されたものであることが明かであり、記録を精査しても右事実認定に誤があることは認められないから、右証第二号の覚せい剤を未だ同駅荷物係から受取らずこれを現実に所持したことがないことを前提とする論旨は、既にこの点において失当である。のみならず、仮に被告人が右証第二号の覚せい剤を受取らなかつたとしても、右輸送委託にかかる証第二号の覚せい剤に対する覚せい剤取締法上における所持は、その輸送委託者たるA及び同人と共謀関係にある被告人の両人に属するものとみるのが相当である。
〔後略〕