仙台高等裁判所 昭和29年(う)892号 判決
本件金員授受の趣旨が包括的に投票取纏めの資金及び報酬としてその処分を一任せられたものであることは前段説明のとおりであるからこれと異る事実見解の下に原審のなした没収を非難する論旨は既にその前提において失当である。また、原判決は所論追徴につき、原判示第一の(二)(三)の被告人の収受した私益より原判示第二の供与金額合計金三万三千五百円を控除した残金二万一千五百円は、費途不明の金額であり没収できないからその価額を追徴する旨説示しているのであつて、所論金一万八千五百円の使途が所論の如くであることは原審の認めないところであるから、この点に関する論旨はその前提において失当するのみでなく、包括的に報酬などとしてその処分を一任されて供与された金員中から任意に所論のような支出をしたとしても、その金額の追徴は免れないものというべきである。