大判例

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仙台高等裁判所 昭和30年(う)18号 判決

次に、職権を以て調査するに、原判示第一の犯行当時施行されていた昭和二十五年七月三十一日法律第二百二十六号による廃止前の地方税法第三十六条は、「地方団体は入場税等の税目についてはその徴収の便宜を有する者をしてこれを徴収させることができる」と規定し、これに基き本件当時施行されていた昭和二十五年八月三十日宮城県条例第四十二号による廃止前の宮城県県税賦課徴収条例第八条第二項は、「入場税は催物の主催者若しくは設備の経営者を………以てそれぞれの徴収義務者とする」と規定し、又昭和二十五年九月十三日告示の古川町町税条例による廃止前の昭和二十三年十月十一日告示の古川町町税賦課徴収条例第十三条第一項は、「入場税、附加税………の賦課徴収については………催物の主催者若しくは設備の経営者を以て徴収義務者とする」と規定し、本件の場合入場税については右宮城県条例の規定をまつて、入場税附加税については右古川町条例の規定をまつて、それぞれ催物の主催者が当然その特別徴収義務者となるのであるから、原判示被告人が昭和二十四年十二月七日宮城県古川市(旧同県志田郡古川町)において原判示演劇を主催し、その入場税及び同附加税の特別徴収義務者としてこれを徴収すべき義務があるに拘らず、原判示所定の税金を徴収しなかつたとの罪に対する擬律としては、右宮城県条例第八条第二項及び右古川町条例第十三条第一項をも挙示しなければならないこともちろんである。しかるに、原判決は右宮城県条例及び古川町条例の各条項の適用を遺脱しているのであるから、原判決は判決に影響を及ぼすことの明かな法令の適用の誤りをおかしたものといわなければならない。されば、原判決はこの点においても破棄を免れない。

そこで刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十一条第三百八十条により原判決を破棄し、同法第四百条但書により当裁判所において更に次のとおり判決することとする。

原判決の認定した事実に法律を適用すると、被告人の原判示第一の所為に昭和二十五年法律第二百二十六号地方税法附則第四項、同年法律第二号附則第五項同法律による改正前の昭和二十三年法律第百十号地方税法第三十六条第七十五条第百三十六条第二項罰金等臨時措置法第二条昭和二十五年八月三十日宮城県条例第四十二号宮城県県税条例による廃止前の昭和二十二年四月十八日宮城県条例第十二号宮城県県税賦課徴収条例第八条第二項第四条第五条昭和二十六年八月七日告示古川市条例第四号により廃止された昭和二十五年九月十三日告示古川町町税条例による廃止前の昭和二十三年十月十一日告示古川町町税賦課徴収条例第十三条第一項第三条に、原判示第二の所為は昭和二十五年法律第二百二十六号地方税法第十二条第一項罰金等臨時措置法第二条に該当するところ、以上は刑法第四十五条前段の併合罪であるから、いずれも所定刑中懲役刑を選択の上、同法第四十七条本文第十条により犯情の重いと認める原判示第一の罪の刑に併合罪の加重を施した刑期範囲内で、被告人を懲役六月に処し、諸般の情状刑の執行を猶予するのを相当と認め、同法第二十五条第一項に則り本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予すべきものとし、なお原審における訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十一条第一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 鈴木禎次郎 裁判官 蓮見重治 裁判官 細野幸雄)

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