仙台高等裁判所 昭和52年(ウ)36号 決定 1977年3月07日
申請人 八戸鋼業株式会社
右代表者代表取締役 沼田吉雄
右代理人弁護士 渡辺修
同 竹内桃太郎
同 吉沢貞男
同 宮本光雄
同 山西克彦
同 富田武夫
被申請人(別紙選定者目録記載の者の選定当事者) 田名部小一郎
被申請人(同) 三浦外次
申請人は右当事者間の青森地方裁判所八戸支部昭和五〇年(ヨ)第二九号地位保全仮処分申請事件について、同裁判所が昭和五二年二月二八日言渡した判決に対して控訴を申立て、右判決に基づく効力の停止を申立てたので、当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件申請を却下する。
理由
仮処分判決に対して上訴を提起した場合にその執行の停止が許されるのは、当該仮処分が本来の使命である権利保全のためにする仮の緊急措置たる範囲を逸脱してその終局的な満足を得させ、若くはその仮処分により仮処分債務者に対して回復することのできない損害を生ぜしめる虞のある場合に限られるものと解すべきところ、本件において原裁判所のなした本件仮処分の内容が仮処分本来の目的範囲を逸脱しているものとは認められないし、また本件仮処分により申請人に回復することのできない損害を生ぜしめる虞があるとも認められないから、本件仮処分判決に対し控訴を提起したことを理由としてその効力の停止を求める本件申請はその理由がないといわねばならない。
よって、本件申請を却下すべきものとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 真船孝允 裁判官 伊藤俊光 木下重康)
<以下省略>