大判例

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仙台高等裁判所 昭和32(く)72 高裁判例

主 文

本件請求を棄却する。

理 由

本件保釈保証金没取請求は被告人において銃砲等所持禁止令違反により昭和二十

五年七月三十一日仙台高等裁判所秋田支部で懲役四月の言渡を受けその判決が確定

したが逃走のため昭和二十五年八月八日納付の保証金を没取されたいというのであ

る。

しかし刑訴法第九十六条第三項による保釈保証金没取の請求は本案記録の存する

検察庁に対応する裁判所になすべきものと思料する(最高裁昭和三〇年(す)三六

九号参照)。斯くすることにより裁判が最も正当且つ適切になされるものというべ

きである。しかるに本件に関する本案記録は判決確定後既に原裁判所たる青森地方

裁判所弘前支部に返戻され青森地方検察庁弘前支部に保存され当庁には存在しない

こと洵に明らかであるから当<要旨>庁は本件請求にっき管轄裁判所に該当しない。

よつて本件請求は不適法として棄却すべきものとする。なお仮</要旨>りに当庁にお

いて判断すべきものとするも既に本案たる銃砲等所持禁止令違反の罪は昭和二十七

年十一月二十八日最高裁判所において上告棄却の決定により当庁の宣告した懲役四

月の刑は確定し既に刑の時効は完成していること算数上明瞭であるから保釈保証金

の性格より考察すればその目的を失つていること明らかであるので被告人に逃走の

事実あるも保証金を没取しえないというべきである。よつて本訴請求を棄却すべき

ものとして主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 松村美佐男 裁判官 松本晃平 裁判官 石橋浩二)

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