大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和25年(う)260号 判決

大湯町警察署巡査部長赤坂徳次郎が前記児玉開示を銃砲等所持禁止令違反の現行犯人として昭和二十五年五月十八日午後十一時十五分秋田県鹿角郡大湯川原湯中村旅館において逮捕取調べたところ拳銃は被告人の依頼によつて売却のため同旅館に持参したものであることを供述したので、右赤坂徳次郎等は翌十九日午前零時三十分大湯町大字大湯字荒瀬成田儀助方にいたり被告人に前記開示を取調べた結果を述べ、その真偽を尋ねたところ被告人が犯罪事実を認めたので、同人を緊急逮捕(刑事訴訟第二百十条)して同日午前一時二十分大湯町警察署に引致の上(中略)夜を徹して取調べの上、夜明近くに作成されたことは各論旨に摘録のとおりであつて、かかる取調べ方法はまことに遺憾というのほかはないが、なにぶん本件のように夜おそく現行犯を逮捕し、それに端を発して検挙をみたような場合にあつては、その検挙に引きつづいて一応の取調べがなさるべきことは、当時の諸事情にかんがみて、これまたやむを得ない措置と認められるからその一事をもつて供述調書の任意性を否定することは当らないのであり、しかしてその供述のなされた当時、被告人の意思を圧迫したとみるべき、手段方法をとつたことを疑わせるような資料はすこしもなく却つて被告人は原審公判廷において主任弁護人の問に対し、調書さえ、できれば帰れるという印象をうけ、それに妻や親戚に迷惑がかかると考え、簡単な気持でモーゼル拳銃を所持していたことを認めた旨を供述し、また被告人を取調べた細越力蔵の原審公判廷の証言によるも供述を強要したことなく、被告人は調書の通り弁解をしたことが認められるのであるから、その自白が任意になされたものでないとの各所論及びひいて、検察官作成の供述調書にも任意性がないことの所論はいずれもこれを疑うに足りる資料はない。

(後略)

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