大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和28年(う)306号 判決

検察官に対する被告人の弁解録取書および被告人の第二第三回各供述調書によれば、被告人は元自由党員ではあつたが、本件選挙の当時はいずれの政党にも属せず横手市会議長の職にあつて、各候補者の事務所等に出入して、選挙法規の解釈などについて指示説明をしたりして、公正な選挙の行われることを激励した事実および被告人は同市会議員である高橋子之吉から市会議員の同志をもつて、自由党本流支部を結成し、小山田候補を応援したいとの意向に対し賛成の意を表し、同市会議員池田豊四郎、高橋文原の両名を右計画に参加させた方がよいとの意見を表明し、同候補のため裏面において応援する立場に立つた事実が認められる。したがつて、被告人の受取つた原判示各金員は被告人のこれら行為に対する謝礼の意味を含んだいわゆる政治献金ではないかとの疑も生じ得るのであつて、現に被告人は検察官に対し自分の気持としてそのような行為に対する謝礼の意味もあつたということが判つたと供述している(第三回供述調書)のであるが、前記認定のとおり、被告人は原判示の趣旨が含まれていることも知つていたことが認められるのであるから、一部にいわゆる政治献金の意味が含まれていたとしても、これにより原判示選挙違反の罪責を免れることはできない(金額が不可分である以上受取つた金額の全額について罪責を負うべきである)原判決が証拠として裁判官に対する被告人の供述調書を引用していること同調書によれば裁判官は勾留請求書記載の被疑事実を読み聞かせたとあるのに、勾留請求書が証拠として提出されず記録に編綴されていないから同調書記載の各々の部分は如何なる質問に対するものか不明であること所論のとおりである。したがつて、同調書の供述記載は本件公訴事実に関するものかどうか判断できないのであるが、同調書を除外しても原判決引用の他の証拠により原判示事実が認められるから理由不備の違法があるとはいえない。

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