大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和30年(う)17号 判決

記録によると原審は被告人に対する本件被告事件の第一回公判期日において人定質問について直ちに本件をさきに簡易公判手続により審判する旨の決定をした共犯者石川忠に対する窃盗被告事件(原審昭和二十九年(ろ)第四六号)に併合する旨の決定をしたことは所論のとおりである。

所論はこのように未だ罪状認否が行われず従つて簡易公判手続による審判に適するか否か不確定の本件をすでに同手続により審判する旨の決定があつた右石川に対する被告事件に併合することは違法であると主張する。

しかし或る被告事件をさきに簡易公判手続により審判する旨の決定があつた他の被告人に対する被告事件に併合するには、同事件につき同一手続により審判する旨の決定がなされたことを要せず、簡易公判手続により審判する旨の決定をして後併合するか、又は、本件のように罪状認否が行われず同手続によりうるか否か未確定の段階で併合するかは、一般の審理の併合の場合同様、裁判所が裁量により決しうるところである。後の場合において、有罪である旨の陳述がなされれば簡易公判手続により審判することゝなるであろうし、また、その旨の陳述がなく同手続によることをえないときでも併合審理を許さぬわけではなく、たゞ簡易公判手続の特則が認められる限度においては各被告事件毎に異る手続が行われざるを得ない結果併合審理の実益に乏しく、手続に煩雑を来す等併合審理を不相当とする場合が多いというにすぎない。(しかしかゝる場合における実際上の審理は之を分離することゝなるであろう。)

したがつて、原審が前記のように簡易公判手続により審判しうるか否か未確定の本件を同手続により審判する旨の決定があつた石川に対する被告事件に併合したのは、その裁量によるのであつて、もとより違法の問題を生じない。しかして、原審第三回公判調書によれば右併合の後本件被告事件についても簡易公判手続により審理する旨の決定がなされているのである。

(裁判長裁判官 松村美佐男 裁判官 岡本二郎 裁判官 兼築義春)

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