佐賀家庭裁判所 昭和54年(少)212号 決定 1979年4月19日
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(非行事実)
少年は、○○○○高校一年を中途退学後、佐賀県三養基郡○○町所在の○○組において、人夫として住込み稼働していたところ、昭和五四年二月頃から○○組の自動車を同僚と共に無断運転したり、怠業して飲酒やシンナー吸入をしていたため、同年三月二一日○○組から住込を断わられて保護者のもとへ帰つたが、保護者の正当な監督に服さず保護者を脅して金銭を出させパチンコ等に乱費し、さ細なことに立腹して妹の頭部をビール瓶で殴打するなどし、このまま放置すればその性格、環境等に照して、将来窃盗、傷害等の罪を犯す虞がある。
(法令の適用)
少年法三条一項三号イ、ニ
(処遇)
少年は、昭和五三年九月五日当裁判所において、窃盗、同教唆事件により保護観察処分に付されたが、何ら自戒することなく、僅か六ヶ月余で再び本件非行に及んだものである。少年は、自己中心性、自己顕示性が顕著で、衝動性、即行性が強く、気分変易、易怒的で僅かな不快な剌激に対し敏感で容易に暴力行為に及んでいる。保護者は、少年に注意すれば逆に暴力を振われる有様で保護意欲を喪失し、少年の施設収容を希望している。そこで、この際少年に長期の矯正教育を施し、規律的生活習慣と勤労意欲の高揚を図ることが肝要と思料する。
よつて、少年法二四条一項三号、少年審判規則三七条一項により主文のとおり決定する。