函館地方裁判所 昭和38年(ヨ)61号 判決 1964年1月24日
申請人 北海小型タクシー株式会社
被申請人 北海タクシー労働組合 外一名
主文
一、申請人が被申請人全国自動車交通労働組合連合会加盟北海タクシー労働組合に対し金三〇万円、被申請人北海タクシー労働組合に対し金一〇万円の各保証を立てることを条件として、
(1) 別紙第一目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証及びエンジン・キイに対する被申請人全国自動車交通労働組合連合会加盟北海タクシー労働組合の占有を解き、申請人の委任する函館地方裁判所所属執行吏にその保管を命ずる。
(2) 別紙第二目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイに対する被申請人北海タクシー労働組合の占有を解き、申請人の委任する函館地方裁判所所属執行吏にその保管を命ずる。
(3) 執行吏は、申請人の申出があるときは、申請人に対し別紙第一ないし第三目録記載の自動車の点検、整備並びに機能保全の修理の目的で右自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイの使用を許すことができる。
(4) 執行吏はその保管にかかることを公示するため、適当な方法をとらなければならない。
二、申請費用は被申請人らの負担とする。
事実
第一、当事者双方の申立
申請人訴訟代理人は、主文第一ないし第四項と同旨の裁判を求め、被申請人訴訟代理人らは、申請却下の裁判(被申請人北海タクシー労働組合訴訟代理人は、他に「申請費用は申請人の負担とする。」との裁判)を求めた。
第二、申請人の主張
(一) 申請人は一般乗用旅客自動車運送事業を目的とする資本金五〇〇万円の株式会社であつて、従業員四九名、車輛四一台を有する。
被申請人全国自動車交通労働組合連合会加盟北海タクシー労働組合(以下全自交組合と略称する。)及び被申請人北海タクシー労働組合(全日本労働組合会議系の組合、以下全労系組合と略称する。)は、いずれも申請人の従業員で組織する労働組合であつて組合員数は現在、全自交組合は三〇名、全労系組合は一一名である。
(二) 別紙第一及び第二目録の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証、エンジン・キイ(以下本件自動車等という。)は、申請人の所有であるが、被申請人らは昭和三八年五月一日申請人の発する一切の業務命令を拒否する旨を通告すると共に、被申請人全自交組合は別紙第一並びに第三目録記載の、被申請人全労系組合は別紙第二目録記載の本件自動車等に対する申請人の管理を排除し、被申請人ら独自で右自動車を運行して占有管理し、その運賃収入をその組合員に分配している。
(三) 被申請人らの右占有は違法であるから、申請人は右自動車等の引渡を求める訴を提起する準備中であるが、本案訴訟において勝訴の判決を得ても、被申請人らが本件自動車等の占有を他に移転すると執行ができなくなる虞れがあるだけでなく、被申請人らは法令に定める資格を有する整備管理者を配置せず、十分に整備しない危険な状態で右自動車を運行の用に供しており、このため既に昭和三八年五月二五日には交通事故を発生させ、車輛を損傷させ乍らそのまま放置しており、また右自動車の検査証の有効期間を徒過する虞れもあるなど被申請人らの本件自動車等の占有管理を直ちに解かなければならない差迫つた事情にあるので、本件申請に及んだ。
(四) 被申請人らの主張の第三及び第四の各(二)(三)の事実中、被申請人らが昭和三八年二月中旬申請人に対し、一率六〇〇〇円の賃上げなど一二項目にわたる要求を提出し、このため団体交渉を重ねたこと、同三八年一月末申請人は脱税問題のため札幌国税局より資産の差押処分を受け、資金操作に支障を来たし、同年二月及び三月分の賃金は二回に分割して支払つたこと、同年四月二七日被申請人らに対し、同月二八日以降の運賃収入は全部同年四月分の賃金として毎日支払う、右支払のため同月三〇日までに右運賃以外に賃金の源資を求め、賃金の支払を確保する旨を通告したことは認めるが、その余は争う。申請人は右のように賃金の支払を確保する旨を通告し、被申請人らの諒解を求めたのであるが、被申請人らは昭和三八年五月一日申請人の業務命令を一切拒否する旨を通告し、同日以降申請人の発する一切の業務命令を拒否し、本件自動車等を占有管理し、独自で右自動車を運行するに至つたものである。その間、申請人は被申請人らに対し企業再建案を提示し、団体交渉を再三申入れ、一方被申請人らの自主運行を即時解除し、右自動車等の引渡、従業員の勤務報告、金銭出納に関する明細等について報告を求めたが、被申請人らはこれに応じないで、右自主運行を継続しているものである。
第三、被申請人全自交組合の主張
(一) 申請人の主張(一)及び(二)の事実は認める。
同(三)の事実は争う。
(二) 被申請人全自交組合の別紙第一並びに第三目録記載の自動車等の占有管理は、次の理由により違法でない。
(1) 被申請人全自交組合は昭和三八年二月一五日申請人に対し、一率六〇〇〇円の賃上げなど一二項目にわたる要求を行い申請人と団体交渉に入つたところ、申請人は支払能力がないことを理由に右要求を拒否したばかりか、同年二月分の賃金を分割払としたい旨の意向を表明し、結局同年二月二八日右被申請人組合は止むなく右分割払を了承した。その後、同年三月一三日の団体交渉において、申請人は同年三月分及びそれ以降の賃金については所定の支払日に支払うことを誓約する、右支払に支障があると判断した場合には、予め七日前に被申請人に通告すると共にその実態を明かにし、善後策を双方で協議し処置をとるとの協定が成立したが、申請人は一方的に右協定を無視し、何ら事前に通告することなく同三八年三月二八日の賃金支払日に同年三月分の賃金を分割して支払うに至つた。
(2) このため、被申請人全自交組合は同三八年四月二七日申請人との団体交渉において同年四月分以降の賃金支払について話合いを行つたが、申請人においては賃金に充て得べき源資は全くないとのことであつたため、双方の間に「(イ)車輛の運行は被申請人が行い、四月二八日以降の運賃収入は全部これを賃金に充当する。(ロ)申請人は四月三〇日までには最終的努力をして右運賃収入以外に若干でも賃金を生むべく努力する」との協定が成立した。しかし、申請人は右四月三〇日に至つても右(ロ)の条項を履行しないのみか、右四月分の賃金について源資なしとの理由で支払拒絶の通告をしてきたので、被申請人らは同年五月一日以降止むなく右(イ)の条項に基き申請人主張の自動車等を占有し、これを運行管理し、その運賃収入を賃金に充当しているものであるから、右申請人組合の本件自動車等の占有は適法である。申請人はその後被申請人らの右運行管理による右四月分の賃金充当を了承し、更に昭和三八年五月一六日の団体交渉の席上においても、右以降の賃金は確保できないので、被申請人らが右自動車等の占有を継続するのは止むを得ないとの態度を示したものである。
(三) 被申請人全自交組合が本件自動車等を占有し、自主管理をするに至つたのは、申請人の責に帰すべき事由により賃金の支払を受け得られる見通しがつかなくなつたため、組合員の生活権を確保するためにとつた緊急避難的行為であり、他方申請人は昭和三八年六月以降その管理職員全員を各営業所から引揚げ、企業経営継続の意思を全く放棄し、また右継続の確たる意思も成案もないのに、ただ被申請人ら組合の自滅を意味するような内容の企業再建案を被申請人らに押しつけているものである。このようなことは、企業の社会的性格を全く無視するものであり、申請人が本件自動車等の所有権を被保全権利として本件仮処分を求めたとしても、右所有権の行使は権利の濫用として許されないものである。
また、本件仮処分を求める必要性も存しないものである。
第四、被申請人全労系組合の主張
(一) 申請人の主張(一)及び(二)の事実は認める。
同(三)の事実は争う。
(二) 被申請人全労系組合の別紙第二目録記載の自動車等の占有管理は次の理由により違法ではない。
(1) 申請人は昭和三八年一月末、過去数年にわたり総額八〇〇〇万円に上る脱税をしていたことが発覚し、札幌国税局によつてその資産一切の差押処分を受け、このため経営不能に陥り、従業員に対する賃金の支払ができなくなり、同年四月二八日被申請人らに対し、被申請人らの自主運行による運賃収入をもつて同年四月分の賃金の支払をすることを申入れて来た。そこで、被申請人らは右申入れを了承し、同年四月二八日より申請人主張の本件自動車等を占有して自主運行に入つたものである。
(2) 右自主運行は、当初右四月分の賃金の源資捻出を目的としたものであつて、同年五月分以降の賃金については申請人の責任において他に源資を求め、その支払を確保するということであつたが、結局申請人において右五月分以降の賃金の源資を捻出することが不可能とされたので、その後も引続き右自主運行による運賃収入によつて従業員の賃金の支払をすることが申請人と被申請人らとの間に合意されるに至つたので、被申請人らは右合意に基き、本件自動車等を占有して自主運行を継続しているものである。よつて、被申請人らの本件自動車等の占有は適法である。
(3) そうして、被申請人全労系組合の右自主運行における業務の管理は、自ら立案の勤務割によつているもののその形態は自主運行に入る以前の正常時におけると同一形式に従い、善良なる管理者の注意をもつてなされ、その業務内容の大要については報告書を作成して申請人に報告すると共に、その明細については右被申請人組合の事務所に常置して何時でも申請人が調査できるようにしているもので、いわゆる財産の管理行為の範囲を出ていないものである。
(三) 被申請人全労系組合は、右自主運行を潔ぎよしとせず、一日も早く申請人の経営による就労を欲し、申請人に対し企業再建案の立案を要請し、団体交渉の申入れを行つているのであるが、申請人は被申請人ら組合の骨抜きを企図する人員整理案を固執するのみで、企業再建の問題点についての団体交渉は一切行わない現状である。被申請人らの自主運行は、前記のように申請人の責に帰すべき事由による経営不能並びに企業経営意思の放棄によるものであり、申請人が企業の再建並びに経営につき自ら何らの成案をもたないのに、本件仮処分を求めるのは、ただ単に組合員たる従業員を大量に解雇して被申請人ら組合の潰滅をはかる目的のためのものであるから、本件仮処分申請は権利の濫用として許されないものである。
また、仮処分を求める必要性、緊急性を欠くものである。
第五、疎明<省略>
理由
申請人が一般乗用旅客自動車運送事業を目的とする株式会社であり、被申請人らが申請人の従業員で組織する労働組合であること、別紙第一並びに第二目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証、エンジン・キイが申請人の所有であること、被申請人全自交組合は別紙第一並びに第三目録記載の、被申請人全労系組合は別紙第二目録記載の本件自動車等をそれぞれ占有管理していることは当事者間に争がない。
成立に争のない甲第一二ないし第一五号証、第一七ないし第一九号証、第二二ないし第二五号証、第二七号証、被申請人全自交組合との間では成立に争なく、被申請人全労系組合との間では公文書であるから真正に成立したと認められる甲第三七号証、被申請人全労系組合との間では成立に争なく、被申請人全自交組合との間では真正に成立したと認められる甲第三八号証、成立に争ない乙第一、第二号証、丙第一号証の一、二、四及び六、丙第一号証の一の七及び八の各一、二、並びに証人高橋正喜、成沢毅、八重樫正博の各証言及び被申請人ら代表者各本人尋問の結果によれば、次の事実を認めることができる。
(1) 申請人は、昭和三八年二月経理状態が思わしくなくなつたため、それまではその従業員に対する賃金の支払を遅配したことはなかつたが、ついに同年二月分の賃金を所定の同年二月二八日に全額を支払うことができず、右二月二八日と同年三月五日の二回に分割して支払うという事態に陥つた。このため、申請人と被申請人らとの間に団体交渉が行われ、同年三月一三日には双方の間に、「同年三月分及びそれ以降の賃金については所定の支払日に支払うことを誓約する。申請人が右支払に支障があると判断した場合は、予め七日前に被申請人ら組合に通告すると共に、その実態を明らかにし、善後策を双方で協議して処置をとる。」ことが確認された。ところが、同年三月分の賃金は所定の同年三月二八日に従業員に対し一率金一万円づつ支払われたのみで、残額は同年四月五日に至つて漸く支払われる状態になつたので、被申請人らは申請人に対し賃金全額を一括して支払うべきことを要求し続けていたが、同年四月二七日に至り、同年四月分の賃金支払について団体交渉が行われ、その席上申請人は右四月分の賃金は所定の四月二八日には支払ができない経理状態にある旨を被申請人らに通告し、かつ四月二八日以降の毎日の運賃収入はすべてこれを右四月分の賃金の支払にあてるべく、他の支払にはふりむけることなく、被申請人らに引渡してその支払をする旨を申出でた。被申請人らは結局これを諒承すると共に、更に申請人において運賃収入以外の源資を四月三〇日までに工面し、賃金全額を完全に支払うことに努力するということが協定された。この結果、右四月二八日以降毎日の運賃収入は申請人の経理に一旦入つたものを直ぐ被申請人らに右四月分の賃金の一部として引渡し、被申請人らはこれを一括保管したが、同年四月三〇日になつても、申請人は他から源資を捻出することができなかつたので、同日右運賃収入を従業員に対し四月分の賃金の一部として一率五一〇〇円ずつを支払つた。
(2) ところで、前記四月二七日の協定においては、毎日の運賃収入を被申請人らに引渡し、四月分の賃金の支払にあてるということのほか、申請人の他の債権者に対する支払については申請人において責任をもつて処理するということであつたが、申請人は被申請人らに運賃収入の全部を引渡してあることを理由に、右債権者らを被申請人らに差し向けてくるようになつたのでその応接にも苦慮し、また申請人は社会保険料を一〇〇万円位も滞納し、その所有する自動車の差押を受けていることを知り、このような状態では運賃収入を賃金として確保できるかどうかが危ぶまれるに至つた。そこで被申請人らはこの打開を計るため、同年五月一日臨時大会を開催し、討議をした結果、組合員の生活を守り、運賃収入を賃金に充当することを確保するために、同日以降は申請人の発する一切の業務命令を拒否し、被申請人ら自身の手で自動車の運行をすることを決議した。そうして、被申請人らは同日頃の午後八時頃申請人に対し、右業務命令拒否を通告すると共に、同日から共同して申請人所有の別紙第一及び第二目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証、エンジン・キイを占有して独自で右自動車の運行を開始し、その後同年六月二日以降は被申請人全自交組合は、別紙第一目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証、エンジン・キイを、被申請人全労系組合は別紙第二目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイをそれぞれ占有し、各占有する自動車の運行を続けている。
また、被申請人らは、前記四月二七日の協定を確保するため、右五月一日頃に申請人会社営業課長成沢毅から、「四月分の賃金を支払うため、四月二八日よりの運賃収入を賃金に充当する。」旨を記載した同意書を差入れさせた。
(3) 被申請人らは、右五月一日以降はこれまでの申請人作成の勤務交番表によらず、自らの手で作成した勤務交番表により自動車を運行し、その運賃収入を組合員の賃金の支払に充て、昭和三八年四月分の賃金は同年五月一六日頃にその支払を終えたが、その後も被申請人ら独自で、申請人の業務命令を排除し、自ら新規の従業員をも募集し、また新たに事務所に臨時電話をも架設して運行を継続し、その運賃収入を同年五月分以降の賃金の支払にあてている。また、被申請人らは右運行開始の当初はその運賃収入を申請人に対し報告していたが、その後申請人は被申請人らからチケットを受取り、これを現金化しながら、右現金を被申請人に引渡さなかつたので、それ以来右運賃収入の報告を取止めている。(被申請人全労系組合は右運行による収支明細書をその事務所に備付けてはいる。)
他方、申請人は同年五月二〇日被申請人らに対し文書をもつて本件自動車の返還を求めたほか、被申請人らの独自の運行管理態勢の解除について団体交渉を申入れたが、結局その返還もなされず、その態度をかえていないので、申請人は自ら保管していた自動車のうち五輌を用い、非組合員であつた従業員及び新規採用者を運転に従事させてハイヤー営業を続けているのにすぎない。
そうして、申請人及び被申請人らはその後も一〇数回に亘り団体交渉を行い、五月分賃金や企業再建案について協議をしたりしているものの、いまだ労使双方が合意に達していない状況にある。
右認定に反する証人成沢毅の証言部分は採用できないし、他に右認定を覆すに足りる疎明はない。被申請人らは、前記四月二七日の団体交渉において、双方の間に同年四月二八日以降は被申請人らが自動車を自主運行し、毎日の運賃収入を同年四月分の賃金の支払にあてることが協定され、更にその後同年五月分以降の賃金についても同様の方法によることが合意されたものであるから、被申請人らの本件自動車等の占有は適法なものである旨主張するが、右運賃収入を右四月分の賃金に充当する旨の協定がなされたことはさきに認定のとおりであるけれども、この限度をこえて運賃収入を右賃金の支払にあてるため被申請人らが申請人の意思を無視し、独自にその自動車を運行することをも許容したと認めるに足りる疎明は存しない。
右認定の事実によれば、被申請人らはその所属組合員の賃金を確保するため、申請人から許容された前記限度をこえて、擅に申請人の指揮命令を排除して申請人の本件自動車等をその実力の支配の下におき、自己の手により独自で右自動車の運行をなしているものであり、右行為に出るについては前記認定の事情が存するにしても、被申請人らの右行為は被申請人らに許された限界を超えているものというほかはなく、本件自動車等の占有を継続する理由があるとは認められない。また被申請人ら主張の権利濫用は未だこれを認めるに足りる事実の疎明がない。
してみると、被申請人全自交組合は別紙第一目録記載の自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイ並びに第三目録記載の自動車に附属する自動車検査証、エンジン・キイの、被申請人全労系組合は別紙第二目録記載の各自動車及びこれに附属する自動車検査証、エンジン・キイを権原がないのに占有しているので、申請人は被申請人らの前記行為により右自動車に対する管理権を現実に行使することができず、所有者として車輌の点検、整備機能保全の修理などができないのみならず、車輌の毀損などの損害を受けている状態にあることが認められ、本件の仮処分を求める必要性が存することが明かであるので、申請人が被申請人全自交組合に対し金三〇万円、被申請人全労系組合に対し金一〇万円の各保証を立てることを条件として、申請人の本件仮処分申請を許容することとし、申請費用の負担につき、民事訴訟法第九五条、第八九条、第九三条第一項本文を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 長利正己 大西勝也 菅原晴郎)
(別紙第一~第三目録省略)