大判例

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函館地方裁判所 昭和40年(わ)161号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告人成沢毅は北海小型タクシー株式会社の総務課長、同高橋正喜は同会社労務課長であるが、右会社が昭和三八年二月以降の給料を遅配したことから右会社の従業員をもつて組織する全国自動車交通労働組合連合会加盟北海タクシー労働組合及び全日本労働組合会議系北海タクシー労働組合の二つの労働組合が組合員の給料を確保する手段として同年五、六月頃から右会社所有の営業用普通乗用自動車函五あ―〇二二三号、同―〇二四九号(合計二台、以下本件車輛という)を含む営業車三一台を占拠して自主管理、運行を開始するに至つたので、同会社は右両労働組合を相手方として函館地方裁判所に対し「右各車輛の占有を解き執行吏保管に移す」旨の仮処分を申請し、同三九年一月二四日「保証を立てることを条件として、右申請の自動車について労働組合の占有を解き申請人の委任する函館地方裁判所所属執行吏にその保管を命ずる。執行吏は、申請人の申出があるときは申請人に対し右自動車の点検・整備ならびに機能保全の修理の目的で右自動車の使用を許すことができる」等の旨の仮処分判決がなされ、その正本に基づき本件車輛等はいずれも申請人である右会社の委任をまつて同月三〇日、同裁判所執行吏竹村幸次の保管に移されその執行が完了したものであるところ、被告人両名は共謀のうえ労働争議のため破綻を来たしている右会社企業の再建と採算維持のために、本件車輛等を売却しこれに代替する新車を購入して、独自の営業を再開することを企て、被告人らは右竹村執行吏に対し前記仮処分判決により、同市音羽町の同会社車庫に格納中の本件車輛等につき点検などのための移動を申し出で、同年三月三一日付でその点検・整備のためこれを同市千才町一一番地の同会社整備工場へ移動することの許可を受け、同年四月二日その移動を完了し、同月三日函館陸運事務所に対し本件車輛の登録番号標等紛失の始末書をそえ新規代替車輛の登録と本件両輛の抹消登録申請をして受理、抹消され、他方成沢において右同日頃、同市若松町二〇番地の同会社営業所において、函館日産自動車株式会社営業部次長千葉繁と本件車輛を同会社に売却する契約を締結し、同月中旬頃前記整備工場において右函館日産から更に買い受けた自動車解体業星和商会の野村清治に引き渡し、もつて執行吏の保管にかかる本件車輛を窃取したものである。(中平健吉 吉田治正 稲垣喬)

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