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函館地方裁判所 昭和45年(ワ)584号 判決 1971年12月01日

原告

中山鉄三

原告

中山光司

原告

中山祐宏

原告

中山美樹

中山祐宏、中山美樹

中山金治郎

法定代理人親権者父

原告ら代理人

大巻忠一

被告

厚沢部町農業協同組合

右代表者理事

左口松雄

被告補助参加人

北海道共済農業協同組合連合会

右代表者理事

梶浦福督

被告および補助参加人代理人

武田庄吉

主文

1  被告は、原告らに対して、それぞれ金三六〇、七〇〇円およびこれに対する昭和四五年一〇月四日から支払ずみに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  この判決は、原告らにおいてそれぞれ金一〇〇、〇〇〇円の担保を供するときは、かりに執行することができる。

事実

第一  当事者双方の申立て

一  原告ら

主文第一、二項と同旨の判決および第一項につき仮執行の宣言を求める。

二  被告

1  原告らの請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

との判決を求める。

第二  請求の原因

一  責任共済契約の締結

訴外中山金治郎(以下金治郎という。)は、昭和四三年八月二〇日当時自動車損害賠償責任共済の事業を行なう被告との間に金次郎所有の原動機付自転車につき責任共済の契約を締結していた。

二  事故の発生

訴外亡中山トミエ(以下トミエという。)は、昭和四三年八月二〇日午後六時ころ、夫である金治郎の運転する前記原動機付自転車(以下加害車という。)の後部座席に同乗し、北海道茅部郡森町字赤井川七九番地先国道五号線路上にさしかかつたところ、金治郎が運転を誤り加害車が転倒したため、頭蓋骨骨折折等の傷害により即死した。

三、金治郎の責任

金治郎は、加害車の保有者であるから、自動車損害賠償保障法(以下自賠法という。)三条により右事故によるトミエの損害を賠償する責任がある。

四、トミエの損害 金二、六九二、一六二円

トミエは、金治郎と共同して農業を営んでいたものである。そして、両名は、水田三〇アール、畑四一アールを耕作して、昭和四二年度には別表一記載の農産物売上代金を得たが、そのため別表二記載の生産経費等を要したので、これを控除すると同年度は、金一、四〇二、八七八円の純収入を得たことになる。そして、トミエの農業経営に対する寄与率は四〇パーセントであるから同年度におけるトミエの収入は金五六一、一五一円であるところ、その三分の一(金一八七、〇〇〇円)の生活費を控除すると純所得は金二七四、一五一円(金三七四、一五一円の計算違いと認められる。)となる。

ところで、トミエは死亡当時五〇才であり、爾後一三年間稼働が可能であるから、その間の逸失利益をホフマン式計算により年五分の割合の中間利息を控除して算出すると金二、六九二、一六二円となる。

五、原告らの相続

原告らは、トミエの嫡出子であつて、トミエの右損害賠償請求権を各六分の一(金四四八、六九三円)あて相続により取得した。

六、むすび

よつて、原告らは、自賠法五四条の五、一六条一項に基き被告に対し、それぞれ前記五項記載の各金四四八、六九三円の内金として金三六〇、七〇〇円およびこれに対する訴状送達の翌日である昭和四五年一〇月四日から支払ずみに至るまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第三  被告の答弁

請求原因第一、二項の事実は認める。同第三項の事実は否認する。同第四項の事実は知らない。同第五項のうち原告らがトミエの嫡出子であることは認めるが、その余の事実は否認する。

第四  被告の主張

一、トミエは加害車の共同運行供用者で、自賠法三条の「他人」に該当しないから同乗に基く原告らの損害賠償請求権は発生しない。

トミエと金治郎は、檜山郡厚沢部町字中館二一六番地で共に農業に従事し同人ら及び家族である原告らの生活を維持してきたものであり、加害車は金治郎夫婦及び原告ら全家族共同生活の利便の目的をもつて購入され、かつ使用され、車の経費も共同収益の中から支出されていたものである。夫婦間においては家庭内における財産はいわば共同の財産であり、その管理権、支配権も夫婦の双方に属するとみられる場合が普通である。特に加害車は原動機付自転車であり、乗用車とかトラックのように高価なものでなく、また運転も至つて簡単であるから、夫婦はもちろん親子間においてもこれを日常共同利用していたものである。なるほど、加害車の所有名義こそ金治郎になつているけれども、加害車は、以上の理由から全家族の共有とみられその運行支配および運行上の利益は金治郎夫婦はもちろん全家族にあつたものと認められる。

本件事故当日における加害車の具体的運行をみると金治郎がトミエを加害車の後部荷台に同乗させて道博見学にいつた帰途の事故であり、これによつても平生金治郎とトミエは加害車を利用していたことがうかがわれる。以上のように加害車の当該運行について金治郎とトミエは「共同運行供用者」というべきであり、トミエは自賠法三条の「他人」に該当しない。したがつてトミエの本件事故による損害に対し夫である金治郎には自賠法三条の賠償義務は発生しない。本件は自賠法一六条一項、五四条の五に基く請求であるから同法三条の規定による保有者の損害賠償責任が発生したことを必要とするもので、原告らの同法条による本件損害賠償請求は許されない。

二、夫の過失により妻が死亡した場合違法性が阻却され不法行為法の適用はない。

夫婦は愛情をもとにした婚姻共同体であり夫婦関係が円満に継続している間に配偶者の一方が他方に対して他方の過失に基く不法行為を理由として権利を主張することは考えられない。このような主張をすることは夫婦間の情誼、倫理観念に照らして許されないであろう。

また、このようなことを許したならば夫婦関係の破綻をきたし家庭内に紛争をまき起すことになる。このことは本件のように配偶者の一方の過失によつて他の配偶者を死亡させた場合においても同様に考えられる。夫婦間、親子間において婚姻共同体親子共同体の円満維持安定が最大の目標であり、みだりに市民法による市民的権利の主張としての損害賠償請求権の行使を認めるべきでない。以上の理由により、本件においては夫金治郎の過失により妻トミエが死亡したのであるが、死亡当時同夫婦は至つて円満に生活していたのであるから、金治郎の行為は違法性が阻却され不法行為の規定の適用がない。金治郎はトミエに対し損害賠償の義務がなく、他方トミエも金治郎に対し不法行為による損害賠償請求権はないものと考えられる。したがつて、トミエの子である原告らがトミエの損害賠償請求権を相続したことを前提としてなされている原告らの請求は理由がないものと思料する。

三、本件事故は夫婦親子共同生活体内の問題であり、夫婦親子は互いに相協力し扶助すべき関係にあるのであるから、妻が夫の過失行為によつて死亡したとしても、それは夫婦親子間内部の問題として処理、解決すべきものであり自賠法による保護を求めるべきものではない。すなわちこのような夫婦親子共同生活内における構成員相互の自動車事故については損害賠償請求権は自然債務と解されるので原告らの本訴請求は権利の濫用である。元来自賠法の立法趣旨は被害者救済という社会的問題を解決することにあり、その対象とするところは社会的生活関係であり、夫婦親子間の如き生活共同体内の事故による損害まで救済することを予想していないものと解する。

四、原告らの被告に対する直接請求は許されない。

金治郎及びトミエと原告らは親子関係にあり、特に原告中山祐宏、同中山美樹は金治郎、トミエと同一経済生活圏内で生活していたものである。もし原告らが自賠法一六条一項の直接請求をしても受領した金員は結局は金治郎の所有に帰することになり、形式上は原告らが直接請求の主体になつているが、実質上は金治郎が請求することになる。このような請求を認めることは加害者の直接請求を許すというまことに不合理な結果を是認することになる。なるほど民法八二四条以下の規定によると法律上は一応受理した賠償金は子の特有財産になるということになつているが実際には金治郎の財産になることは明らかである。

また自賠法の立法趣旨から考えても同法はあくまで被害者の保護を目的としているのであるから親子間または夫婦間における事故の被害者に直接請求権を認めるべきではない。

五、かりに以上の各主張が認められないとしても原告らには逸失利益の請求権は認められない。

元来自賠法による損害賠償責任保険のような特殊な保険はあくまで被害者の救済が目的であり被保険者に利益を得せしめる制度ではないから、被害者の得べかりし利益または慰藉料のように加害者の出費の全く予想されない責任までも保険の対象とすべきではない。

第五  被告の主張に対する原告の答弁

一  第一項の主張は否認する。

二  第二項の主張は争う。

夫婦といえども相互の生命、身体の安全を侵害することは許されない。トミエは本件事故により死亡したのであるから、金治郎の加害行為は過失によるものとはいえ違法性が強いものであり、不法行為の成立は妨げられない。

三  第三項から第五項までの主張も争う。

夫婦親子といえども独立の人格者であり、それぞれの特有財産を所有しているのであり、トミエが金治郎に対し逸失利益の損害賠償請求権を有することおよび原告らがそれを相続できることは当然である。

第六  証拠<略>

理由

一責任共済契約の締結および事故の発生

請求原因第一、二項の事実は、当事者間に争いがない。

二金治郎の運行供用者責任

1  原告法定代理人尋問の結果によれば、金治郎は昭和四一年頃に加害車を購入し、以来これを所有し運転していたことが認められ、この事実によれば、金治郎は加害車の運行供用者であるものと認められ、この認定に反する証拠はない。

2  被告は、トミエも加害車の共同運行供用者であつたと主張する。

運行供用者とは当該車につき運行支配および運行利益を有するものを指すのであるが、原告法定代理人尋問の結果によれば、トミエは原動機付自転車の運転免許を持つておらず、加害車を運転したことはなかつたこと、加害車はもつぱら金治郎が運転していたこと、トミエは町に出る際などに金治郎の運転する加害車に同乗させてもらつたことがあるにすぎないこと、本件事故は金治郎がトミエを加害車の後部荷台に同乗させて室蘭市方面へ行つた帰途に金治郎の運転の過失により発生したものであることが認めら、右事実によれば加害車の運行支配および運行利益はもつぱら金治郎に専属していたものと認められ、トミエが加害車につき運行支配および運行利益を有していたことを認めるに足りる証拠はないから、被告の主張は採用できない。

3  つぎに、被告は、本件事故のように夫の過失で妻が死亡した場合においては被害者である妻またはその相続人である子供は法律上損害賠償請求権を有しないか少なくともこれを行使することが許されないと主張するので考えてみる。

他人の不法行為により生命を侵害された者が生命を侵害されたことによる損害(本件においては死亡しなかつたなら得たであろう利益の喪失損害)を蒙ることは、たとえ加害者が夫であるとしても変りはない。このような損害が発生した場合に加害者が夫であるために妻には夫に対する損害賠償請求権が発生しないものであろうか。なるほど、夫婦は互いに協力扶助の義務を負うものである(民法七五二条)から夫婦の一方が他方に対し不法行為により損害を与えた場合であつても通常はその損害は協力扶助義務の履行によつててん補されることが多いであろうし、また、特に不法行為が過失による場合には被害者が加害者を宥恕することが多いと考えられ、損害賠償の請求がなされることは極めて少ないといつてよいであろう。しかし、夫婦といえども互いに別個独立の法的人格を有するものであつて、それぞれ特有財産を持つこともできるのであるから、その一方が他方の不法行為によつて損害を蒙つた場合には原則として損害賠償請求権が発生すると解するのが相当である。もつとも、前記のように協力扶助義務を負う夫婦の一方が他方に対して損害賠償を請求することが夫婦共同体の趣旨、目的に反し許されない場合があることは十分考えられるけれども、それはその不法行為の態様、被侵害利益の内容、違法性の強弱、損害賠償請求の方法等の具体的な事情により権利濫用として排斥される場合があるにすぎないと解され、夫婦間に損害賠償請求権が発生することを否定する理由とはならない。本件事故は金治郎がその妻のトミエを自動車運転上の過失により死亡させたものでその違法性は強く、被侵害利益も生命という重大なものであるから、トミエが金治郎に対していわゆる逸失利益の賠償請求権を有するものと認めることに何の支障もない。

本件は、金治郎とトミエの子供である原告らが、トミエの右逸失利益の賠償請求権を相続により取得したと主張して、金治郎の賠償責任を問うているものである。そこで、子供である原告らが父に対して右のような賠償責任を問うことが許されるか否かにつき考察する。

親と子、特に未成年の子との間においては親子生活共同体が構成され、その内部の問題については共同体内部で解決されることが望ましいのは夫婦におけると同様であり、実際にも右のような共同体にある親子の一方が他方に対して不法行為による損害賠償を請求することはほとんどないであろうし、そのような請求が親子共同体を破壊するものとして許されない場合がかなりあると考えられる。しかし、それは、不法行為の態様、被侵害利益の内容、違法性の強弱、損害賠償請求の方法等の具体的事情を考慮して判断されるべき問題であり、親子間の請求であるからといつて直ちに排斥することはいささか早計といわなければならない。本件事故は前記のように金治郎の自動車運転上の過失によりトミエを死亡させたもので、違法性も大きく、被侵害利益も生命という重大なものであり、しかも金治郎に対して現実に賠償金の支払いを求めているものでなく、責任共済の契約を締結した被告に対して、自賠法五四条の五、一六条に基き損害賠償額の支払いを求める前提として金治郎の責任を問うているにすぎないものである。このような事情を考えてみると、本件の損害賠償請求により親子共同体を破壊するおそれは全くないものといわなければならず、原告らの損害賠償請求権の行使を妨げる事情は存在しないものと解される。

4  してみれば、金治郎は原告らに対して原告らが相続したトミエの逸失利益の賠償をなすべき責任がある。

三原告らの被告に対する直接請求

1  自賠法五四条の五、一六条一項の規定による損害賠償額の請求(直接請求)は、同法三条による保有者の責任が発生したときに被害者に対して認められるのであつて、被害者の請求である以上、同法一六条二項の規定によつて義務を免れることがあるほか、これを制限する規定はない。そして、ここにいう被害者には、事故により生命を害された者の損害賠償請求権を相続した者も含まれると解すべきところ、特に保有者と被害者の間に親子関係がある場合を除外すべき理由は何ら存在しない。

2  被告は、原告らが本訴で請求している損害賠償金は実質的には原告らの父である金治郎の所有に帰することになり、本訴請求を認容するときは結局加害者の直接請求を許す結果となり不当であると主張する。

なるほど、原告法定代理人尋問の結果によれば、原告らはいずれも金治郎の子供であり、そのうち原告祐宏および原告美樹は金治郎と同一世帯で生活していることが認められるから、原告らに支払われた損害賠償金が金治郎の手中に入るということも考えられないわけではない。しかし、親権に服する未成年の子といえども親権者とは別個独立の法的人格を有し、特有財産を保有できることはいうまでもない。また親権者は親権に服する子の財産を管理する権限を有するけれども、その管理は子の利益のために行なわなければならないことは、民法八二四条、八二六条、八二七条、八二八条等の諸規定の定めるところであり、親権者が子の財産をほしいままに費消することが許されないことももちろんである(民法八三四条、八三五条は親権を濫用した場合には、親権、管理権を失う場合のあることを定めている。)。このように、子の財産は、親の財産と離れて保護されているのであるから、原告らが金治郎の子であり、またはその親権に服する子であるからといつて、原告らの得た損害賠償金が直ちに実質的に金治郎の所有に帰するとはいえないのであるから、被告の主張は失当である。

3  さらに、被告は逸失利益については直接請求は許されないと主張し、その理由として逸失利益のように夫婦、親子間では加害者の出費のまつたく予想されないような賠償責任までも自賠責保険の対象とすべきではないと主張する。

しかし、交通事故により死亡した被害者がいわゆる逸失利益喪失の損害を蒙ることは明らかである。被告は、夫婦、親子間ではそのような損害賠償は請求されることはないと主張する。その理由として考えられるのは、夫婦、親子は互いに協力扶助義務を負つているところ、逸失利益喪失の損害については、損害賠償義務の履行によつてではなく協力扶助義務の履行によつててん補されるということであろう。しかし、損害賠償請求と協力扶助の請求との両者ができる場合に、被害者が必ず後者の請求をしなければならないという根拠はまつたく存在しない。とくに加害者の財産的資力が乏しいような場合には、協力扶助の請求はほとんどその実効性を持たず、この請求によつては被害者は実際上救済されないことが少なくないことは想像に難くない。このような場合には自賠責保険によつて裏付けられた損害賠償請求によつて被害者の救済をはかることこそ被害者保護を目的とする自賠法の趣旨に合致するものといえよう。このような点から考えて、逸失利益の損害についても自賠法五四条の五、一六条により被害者が責任共済事業を行なう農業協同組合に対して直接請求できるものと解するのが相当である。

4  してみれば、被告は原告らに対し右法条に基き後記賠償額を支払う義務があることになる。

四トミエの損害

<証拠>を総合すると、トミエは死亡当時満五〇才の健康な女子であり、金治郎と共同して農業を経営していたこと、右両名は水田三〇アールおよび畑四一アールを耕作して、米、アスパラガス、馬鈴署、小豆および光黒大豆を栽培していたこと、昭和四二年度における売上額は別表一記載のとおり金一、八六七、六五二円である、そのための必要経費は別表二記載のとおり金四六四、七七四円であり、これを控除した年間収入は金一、四〇二、八七八円となることが認められ、この認定に反する証拠はない。そして、原告法定代理人尋問の結果によれば、右の農業は金治郎とトミエの両名で経営していたもので、トミエも金治郎とほぼ同程度の働きをしたものと認められるから、トミエの寄与率は少くみても原告らの主張するように四〇パーセントを下らないものと解される。してみれば、トミエの農業収入は一年に金五六一、一五一円となる。そのうちトミエの生活費は原告らの主張するようにその約三分の一と解するのが相当であるから、これを控除すれば、トミエの年間収入は金三七四、一〇〇円となる。ところで、トミエは前記のように死亡当時満五〇才の健康な女子であつたから、その従事していた労働の種類、質等を考慮すれば、本件事故がなければその後一三年間は労働可能であつたと考えられる。そこでその間の得べかりし収入の現価をホフマン式計算により年五分の中間利息を控除して求めると、金三、六七四、〇三六円となる。

(計算式は374,100円×9,821(13年のホフマン係数)=3,674,036円である。)。これは、原告らの主張する金二、六九二、一六二円を超えることが明らかであるから、トミエの逸失利益は原告らの主張の限度で認めることとする。

五原告らの相続

<証拠>によれば、トミエの相続人は、夫である金治郎と嫡出子である原告ら四名とであることが認められるから、原告らは、トミエの有する被告に対する右の損害賠償請求権を各六分の一(金四四八、六九三円)ずつ相続したことになる。

六むすび

よつて、被告に対して、それぞれ右金四四八、六九三円の内金三六〇、七〇〇円およびこれに対する訴状送達の翌日であることが記録上明らかな昭和四五年一〇月四日から支払ずみに至るまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求める原告らの請求はすべて理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。(今井功)

別表一、二<省略>

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