前橋地方裁判所 昭和27年(行)2号 判決
原告 鈴木又吉
被告 伊勢崎税務署長
一、主 文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、事 実
原告訴訟代理人は
「被告が原告に対して昭和二六年九月四日附をもつてなした昭和二五年度の総所得金額を金一、二〇四、〇〇〇円とする更正決定はこれを取消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、
その請求原因として、原告は群馬県佐波郡境町において、煉炭の製造販売を業としているものであるが、右事業から生ずる昭和二五年度(昭和二五年一月一日より同年一二月三一日まで)の所得について、被告は原告の総所得金額五〇〇、〇〇〇円の確定申告に対して昭和二六年九月四日附をもつて総所得金額を一、二〇四、〇〇〇円とする更正決定をなし、その通知は同月八日以後原告に到達し、原告は同年一〇月八日これを不服として被告に対し再調査の請求をしたところ、被告は右再調査の請求を審査の請求として取扱うことを適当と認め且つ原告が同年一二月一七日にこれに同意したので当時の所得税法第四九条第三項第一号によつて同日関東信越国税局長に対し審査の請求があつたものとみなされ、右国税局長は昭和二七年五月一四日附で請求は理由がないとして棄却の決定をなし、右決定の通知は同月一五日以後原告に到達した。
しかしながら原告の昭和二五年度における売上金は合計九、二六三、四九九円五〇銭であり、その中返品七一、九六八円五〇銭、値引六七、三七六円五〇銭であるから、これらを差引くと金九、一二四、一五四円五〇銭が実際の売上金額となり、右売上金やその他の収入から原料代、工費その他の諸経費を差引くときは到底被告の決定するような金額の所得はありえない。その詳細は次のとおりである。
昭和二五年度の収入
売上金 九、一二四、一五四円五〇銭
棚卸(期末)原料 八三四、七〇〇・〇〇
棚卸(期末)製品 四一九、三二八・〇〇
棚卸(期末)商品 九四、〇〇〇・〇〇
(合計) 一〇、四七二、一八二・五〇
昭和二五年度の支出
商品仕入 一七四、二〇〇・〇〇
原料仕入 六、三〇六、三四一・〇〇
副原料仕入 一三八、八〇〇・〇〇
繰越(期首)原料 九九八、四五二・〇〇
繰越(期首)製品 五一五、七三六・〇〇
繰越(期首)商品 一〇、〇〇〇・〇〇
その他の経費 二、〇一二、六七九・〇〇
(合計) 一〇、一五六、二〇八・〇〇
したがつて原告の昭和二五年度の総所得金額は右の収入から支出を差引いた金三一五、九七四円五〇銭にすぎず原告の総所得金額五〇〇、〇〇〇円の確定申告にも満たず被告のした総所得金額を金一、二〇四、〇〇〇円とする更正決定は違法であるからその取消を求めるため本訴に及ぶ。
なお、原告の昭和二五年中の売上金算定の根拠について、被告が主張する事実のうち、期首売掛金が二三三、二五一円であるとの点及び期末売掛金が五一一、七五〇円であるとの点は否認し、その他の事実は認めるが被告主張の現金支出は売上によつてえた現金収入からのみまかなわれたものではない。昭和二五年度の期首売掛金は二五〇、三一一円であり、期末売掛金は五〇八、九五〇円である。と陳述した(立証省略)。
被告指定代理人は
主文第一項と同旨の判決を求め、原告主張の請求原因事実に対する答弁として、右事実中原告の昭和二五年度の収入の内訳中、売上金が九、一二四、一五四円五〇銭であるとの点、棚卸(期末)原料が八三四、七〇〇円であるとの点及び同年度の収入の合計金額が一〇、四七二、一八二円五〇銭であるとの点並びに原告の同年度の総所得金額が金三一五、九七四円五〇銭であるとの点を否認しその余の事実を認める。
原告は昭和二五年度の所得金額については、これを明確にすべき帳簿を完備しておらず(帳簿は売上帳が数册あるだけでしかも記帳もれがあり、支出に関する帳簿は全然ない)期末原料在高につき、記帳も実地棚卸もしていない。従つて原告自身すら正確な売上金額や棚卸原料在高の計算ができない状態にある。例えば原告は当初昭和二五年度の総所得金額を五〇〇、〇〇〇円と確定申告し、審査請求の際には、これを三一六、〇五三円一〇銭としている。そして右三一六、〇五三円一〇銭の所得の算出に当つては売上金額を八、四七七、〇五三円五〇銭としていたのに、本訴においては、九、一二四、一五四円五〇銭と主張している。右のような事情にあるので、原告の昭和二五年度の売上金と棚卸原料在高については原告の右売上帳、領収証その他の諸資料を基礎としてできるだけ合理的に推計する外はない。
先ず売上金は九、四九九、七五七円であつてその算定の根拠は次のとおりである。原告は昭和二五年中に次の用途に現金を支出している。
期首買掛金支払 一、二七九、三〇四円
┌商品 一〇〇、二〇〇円
仕入代金支│原料 四、七三一、三四一円
└副原料 一三八、八〇〇円
経費支出 一、九一九、七六〇円
資本的支出
建物増改築費 五四五、八四九円
機械購入代金 二八、〇〇〇円
未払金支払 五〇、〇〇〇円
税金支払 二四八、九九三円
生計費支出 一五〇、〇〇〇円
預金の増 六九一、九七四円
現金の増 三七、〇三七円
(合計) 九、九二一、二五八円
原告は右のとおり昭和二五年中に合計九、九二一、二五八円の現金を支出しているが、そのうち七〇〇、〇〇〇円は借入金によつてまかなわれているので、これを差引いた残九、二二一、二五八円を同年中の売上によつて得た現金収入によりまかなつたものと推認し、右金額から期首売掛金二三三、二五一円を控除し、期末売掛金五一一、七五〇円を加えた九、四九九、七五七円をもつて原告の同年中の売上金額と推定したのである。
次に棚卸(期末)原料在高は一、四二九、三四八円であつて、その算定の根拠は次のとおりである。原告の売上帳(甲第七乃至第一四号証の各一、二)の記帳により昭和二五年中における売上製品(期末売掛を含み値引返品分を控除する)の種類別数量を集計し、その重量を計算すると、総計一、五一四トン六七八キロ三四五グラムと算出される。しかし右売上帳には記帳もれがある。即ち被告主張の原告の売上金九、四九九、七五七円に対し、売上帳に記帳されている売上金は九、〇六六、五一四円五〇銭にすぎず、被告主張の売上金を一〇〇%とした場合、これに比し約四・六%の記帳もれがあるので、売上製品においても同機四・六%の記帳もれがあるものと推定される。従つて、昭和二五年度の売上製品の重量は総計一、五八七トン七一三キログラム(記帳分重量一、五一四トン六七八キロ三四五グラムを九五・四%――一〇〇%から記帳もれの割合四・六%を差引いたもの――で除したもの)と推計される。このうち一一四トンは期首製品一一四トン(原告はかねて被告に対しこのように申し立てていた)を売却したものと考えられるのでこれを差引き、これに期末製品九一トン(原告はこれについても被告に対しこのように申し立てていた)を加えた一、五六四トン七一三キログラムが昭和二五年中に製造した製品の重量となるわけである。但し、このうち主原料の占める割合は九五%(副原料――石灰、ベントナイト等が主なものである――が五%)と考えられるので右一、五六四トン七一三キログラムに九五%を乗じた一、四八六トン四七七キログラムが右製品の主原料の重量となる。ところで在庫原料から製品を作る間には若干の欠減が見込まれるのであるが、被告は同業者について調査の結果、製造欠減三%が妥当であると考えたので右製品を作るために使用した主原料を一、五三二トン四五〇キログラム(製品中に占める主原料の重量一、四八六トン四七七キログラムを九七%――一〇〇%から製造欠減三%を差引いたもの――で除したもの)と算定した。他方在庫原料としては、期首主原料三〇二トン(原告はかねてから被告に対しこのように申し立てていた)と昭和二五年中の仕入主原料一、八三一トンとがあるが、仕入主原料については同業者の調査により仕入欠減(主原料運送中の欠減)一〇%が妥当であると考えたので右仕入主原料一、八三一トンに九〇%――一〇〇%から右一〇%を差引いたもの――を乗じて現実の在庫主原料を一、六四七トン九〇〇キログラムと算定し、これと右期首主原料三〇二トンとの合計一、九四九トン九〇〇キログラムから前記使用主原料一、五三二トン四五〇キログラムを控除した四一七トン四五〇キログラムをもつて期末主原料の重量とし、これに右主原料の期首及び年間仕入の原料全部の取得価格を基礎として所得税法施行規則第一二条の四第三号(昭和二六年三月三一日政令第七〇号による改正前のもの)所定の総平均法によつて算出した平均単価トン当り三、四二四円で計算した一、四二九、三四八円をもつて期末原料在高としたのである。と陳述した。(立証省略)
三、理 由
原告がその主張の地において煉炭の製造販売を業とし、右事業から生ずる昭和二五年度の所得について、原告は総所得金額を五〇〇、〇〇〇円とする確定申告をしたところ、被告はこれに対して原告主張の日附で、その主張のとおりの更正決定をなし、その通知が、原告主張のとおりの日以後に原告に到達し、原告がその主張の日に被告に対し再調査の請求をしたところ、原告主張のような経緯のもとに昭和二六年一二月一七日関東信越国税局長に対し審査の請求があつたものとみなされ、右国税局長が原告主張の日附でその主張のとおり棄却の決定をなし、右決定の通知は原告主張の日以後に原告に到達したことは当事者間に争がない。
よつて先ず原告の昭和二五年度における売上金がどれだけあつたかについて考えてみると、成立に争のない甲第七乃至第一四号証の各一、二と証人大橋徳次郎、同岡田初雄、同諏訪豊作、同鈴木定一の各証言とを綜合すれば、原告はその事業の運営を原告の息子である訴外鈴木定一に一任し、右定一はその事業による昭和二五年度の商品の売上について売上帳(甲第七乃至第一四号証の各一、二)を作つたが、その作成にあたつて用紙の節約上非常に古い帳簿用紙を利用したり、帳簿の記帳に慣れない者である、右定一の息子鈴木一が記帳し、時には原告の使用人諏訪豊作が手を入れること等があつて、帳簿記載の担当者が一定せず、間々帳簿のつけ落があつて右売上帳の記載方法に確実性がないこと並びに原告が本件更正決定の処分庁である伊勢崎税務署に対して提出した前後三回にわたる資料によれば売上金額は三回とも異つており、第一回目は七、六二七、五四四円、第二回目は八、九一三、〇六八円、第三回目は八、四七七、〇五三円五〇銭となつていること(なお本訴では原告は九、一二四、一五四円五〇銭と主張している)及び昭和二八年の九月か一〇月頃、原告方において関東信越国税局直税部所得税課審査係の大蔵事務官大橋徳次郎と伊勢崎税務署の大蔵事務官大川正信とが原告の使用人である諏訪豊作と前記売上帳に記帳されている売上金について検討を加えた結果、その総額は九、〇六六、五一四円五〇銭であつたことが認められる。昭和二五年度の期末売掛金はその期首売掛金よりも多額であることは原告の主張からも明かであるから、右売上帳に記帳された売上による現金収入は右九、〇六六、五一四円五〇銭よりも少額になるべきであるが、同年中における借入金を控除した現金支出の金額が九、二二一、二五八円にのぼつていることが当事者間に争ないのであるから、他に現金収入のあつたことの認められない本件では結局前記売上帳の記載には誤記或いは脱漏があるものと考える他はない。以上のことを考慮すれば、前記売上帳の記載は原告の昭和二五年中における売上金総額を算定する根拠とすることはできないし、他にも右売上金がどれだけあるかを直接知りうる証拠はない。従つて右売上金の算定については推計によるほかはないが、被告の主張する計算方法は合理的なものと考えられるからこれに従つて算出すると、原告が昭和二五年中に合計金九、九二一、二五八円の現金支出をなし、同年中に金七〇〇、〇〇〇円の借入金をしていることが当事者間に争ないから右現金支出の総額から借入金を差引いた金九、二二一、二五八円から昭和二五年度の期首売掛金を控除し、同年度の期末売掛金を加えたものが、原告の商品売上によつて得た現金収入によつてまかなわれたものと推定することができる。そして証人大橋徳次郎の証言によれば右期首売掛金は二三三、二五一円であり、期末売掛金は五一一、七五〇円であると認めることができ、この認定をくつがえすに足りる証拠はないから右の算出方法によつてえられる金額は九、四九九、七五七円となる。原告は昭和二五年中の現金支出は売上によつてえた現金収入からのみまかなわれたものでないと主張するが、原告が商品売上による売上金と、借入金以外の収入による現金によつてその支出をまかなつたことの証拠はないから原告のこの主張は採用することができない。よつて原告の本件売上金は金九、四九九、七五七円と認めることができる。
次に昭和二五年中における原告の期末原料在高について判断する。証人大橋徳次郎、同岡田初雄、同鈴木定一の各証言を綜合すれば、原告は昭和二五年末において、原料在高の実地棚卸をしていないし、亦期末原料在高を直接算出することのできる帳簿をも備えていないことが認められるから、右期末原料在高も亦推計によつて算出するほかないことになる。
ところで被告の主張する右原料在高の算出方法は合理的であると考えられるのでそれに従つて算出すれば次のとおりになる。右算出方法の大綱は期首主原料の重量に仕入主原料の重量を加え、これから製品製造に使用した主原料の重量を差引いてえたものを所得税法施行規則第一二条の四第三号(昭和二六年三月三一日政令第七〇号による改正前のもの)にいわゆる総平均法によつて算出した価格に乗じて得たものをもつて期末主原料在高とするのであるので、先ず製品製造に使用した主原料の重量を算定することにする。
前顕甲第七乃至第一四号証の各一、二と証人大橋徳次郎、同岡田初雄、同宮内照二の各証言を綜合すれば、原告の売上帳(甲第七乃至第一四号証の各一、二)に記載されている原告の昭和二五年中における売上製品(期末売掛分を含み、返品分を除く)の種類別数量を集計すれば三寸ものの煉炭一三、三九一・五袋、並四寸ものの煉炭一、八九六袋、高四寸一五穴もの四〇、四九二袋、高四寸一二穴もの二〇、〇八一袋、五寸もの五一七個、六寸もの三、三九一個、七寸もの三、二三七個であり、三寸ものは一袋二〇個入、四寸ものはいずれも一袋一四個入であり、各種の煉炭各一個の平均重量は三寸もの六九二・五グラム、並四寸もの一、一七七・五グラム、高四寸一五穴もの一、四七五・〇グラム、高四寸一二穴もの一、五一一・三グラム、五寸もの二、六六六・七グラム、六寸もの四、四三三・三グラム、七寸もの六、三三三・三グラムであることが認められる。これによつて各種類別の数量(個数)を算出し、これを各種類別の煉炭各一個の平均重量に乗じて得た重量を総計すれば一、五一四トン六七八キロ三四五グラム(グラム以下切捨)と算定されること計数上明かである。ところで原告の昭和二五年度の売上帳に記帳されている売上金は九、〇六六、五一四円五〇銭であり、原告の昭和二五年中の売上金は金九、四九九、七五七円であることいずれも前示認定のとおりであり、彼此対比すれば右売上帳には右認定の売上金総額を基準として約四・六%の記帳もれがあるものと考えられ、従つて売上製品の重量についても同様四・六%の記帳もれがあるものと推定される。よつて記帳された売上製品の重量一、五一四トン六七八キロ三四五グラムを一〇〇%から右記帳もれの割合四・六%を差引いた〇・九五四で除して得られる昭和二五年中における売上製品の重量は一、五八七トン七一三キログラムと算定することができる。ところで右の中一一四トンは期首において既に製品として存在したものであり、右のほかに九一トンが期末において製品として残存していたことは証人岡田初雄、同鈴木定一の各証言を綜合して認めることができるのであるから、前記昭和二五年中における売上製品の重量一、五八七トン七一三キログラムから前記期首製品の重量一一四トンを差引き、前記期末製品の重量九一トンを加えてえられる一、五六四トン七一三キログラムは、原告の昭和二五年中における製造製品の重量となる。このうち右製品中主原料(コークス、コーライト分を含む――以下同じ)の占める割合は証人岡田初雄の証言と弁論の全趣旨を綜合すれば九五%であると認められるので、右製造製品の重量一、五六四トン七一三キログラムの九五%に当る一、四八六トン四七七キログラムは右製造製品中において主原料の占める重量となる。ところで右製品製造に際して生ずる製造欠減の割合は、証人大橋徳次郎の証言によつて真正に成立したものと認める乙第二号証、同証人及び証人岡田初雄の各証言を綜合すれば三%と認められるから右製品製造に使用した主原料は前記製造製品中主原料の占める重量一、四八六トン四七七キログラムを〇・九七(一〇〇%から右製造欠減の割合三%を差引いたもの)によつて除してえた一、五三二トン四五〇キログラムと算出することができる。
ところで前顕乙第二号証及び証人大橋徳次郎、同岡田初雄の各証言並びに弁論の全趣旨を綜合すれば昭和二五年度の期首における主原料は三〇二トン、同年中の仕入主原料は一、八三一トンであり、その仕入に際して生ずる仕入欠減の割合は多くとも一〇%であると認められるので、仕入主原料一、八三一トン中仕入欠減分一〇%を差引いた一、六四七トン九〇〇キログラムが原告の手中に入つた主原料の重量となるから、期首主原料三〇二トンに原告の手中に入つた一、六四七トン九〇〇キログラムを加え、これから前記の昭和二五年中の製造製品の製造に使用した主原料一、五三二トン四五〇キログラムを減じてえられる期末主原料の重量は四一七トン四五〇キログラムとなる。証人岡田初雄の証言によれば所得税法施行規則第一二条の四第三号(昭和二六年政令第七〇号による改正前のもの)にいわゆる総平均法によつて算出した主原料の平均トン当り単価は三、四二四円であると認められるから、これに期末主原料重量四一七・四五〇トンを乗じて得た一、四二九、三四八円は原告の昭和二五年期末における主原料の在高であると推定することができる。右推計の根拠となる数量に関する証人鈴木定一の証言中前示認定に反する部分はたやすく信用できないし、右推定をくつがえすに足る証拠はない。したがつて原告の昭和二五年期末における原料は少くとも一、四二九、三四八円と認定することができる。
そして原告の昭和二五年度の収入の内棚卸(期末)製品及び棚卸(期末)商品の価額及び同年度の支出の内訳及び合計の金額は当事者間に争ないのであるから、原告の昭和二五年中の収入金額は少くとも合計一一、四四二、四三三円となり、収入総額より支出総額を差引いてえられる原告の昭和二五年度の総所得金額は少くとも一、二八六、二二五円となるところ、被告のした本件更正決定にかかる右総所得金額は一、二〇四、〇〇〇円であるから右決定は適法であり他に違法の廉を認めえない。
よつて原告の請求は理由がないからこれを棄却し、民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 川喜多正時 細井淳三 柳川俊一)