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前橋地方裁判所 昭和55年(わ)105号 判決 1980年7月22日

事件名

法人税法違反

被告人

(一)

本籍 群馬県前橋市総社町植野六七〇番地

住居

同所五七二番地の三

会社役員

大谷哲

昭和四年三月六日生

(二)

本店所在地 (一)の住居地に同じ

株式会社大喜

(代表者代表取締役 大谷哲)

公判出席検査官

藍野健彦

主文

被告人大谷哲を懲役六月に、被告法人株式会社大喜を罰金五〇〇万円に処する。

被告人大谷哲に対し、この裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人株式会社大喜は、肩書地に本店を置き、節句用ぼんぼり、盆提燈等の製造販売を目的とする会社(資本金一千万円)で、被告人大谷哲は同社の代表取締役としてその業務全般を統括している者であるが、被告人大谷において、同社の業務に関し法人税を免れようと企て、昭和五一年七月一日から同五二年六月三〇日までの事業年度における同社の実際所得金額が一億一、三五九万二、〇一五円であったのに、架空の材料仕入を計上したり、期首期末の棚卸高を過少に計上する等の方法により、所得の一部を秘匿し、同年八月三一日、所轄の前橋税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七、五〇三万五、四九二円で、これに対する法人税額が二、七七〇万一、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、右年度の正規の法人税額四、三一一万一、四〇〇円との差額一、五四一万二〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人大谷の検察官に対する供述調書四通

一  関東信越国税局収税官吏作成の同被告人に対する質問てん末書一七通

一  同被告人の昭和五三年一一月二九日付供述書

一  同被告人の答申書三通

一  山田幸一(三通)、大谷光雄(四通)、大谷和義(四通)、中尾弘、大谷孜子に対する各前同様質問てん末書

一  山田幸一、大谷光雄、中尾弘の検察官に対する各供述調書

一  修正損益計算書(大蔵事務官木村徹男作成、五四年五月七日付)

一  脱税額計算書(右同人作成、同月三一日付)

一  調査所得の説明書(右同人作成、同月七日付)

一  修正申告書五三年二月二四日受付及び確定申告書各三通と、その各添付書類(昭和四九年七月一日から昭和五二年六月三〇日までの、三事業年度分)ならびに査察更正決議書(五一年七月一日から五二年六月三〇日までの事業年度分)の各コピー(原本と相違ない旨の、前橋税務署長の証明書添付、検察官請求番号甲5、6)

一  修正申告書三通(五四年四月二〇日受付、前同三事業年度分)のコピー(同様証明書添付、甲9)

一  納付状況表三通(右甲9に添付のもの)

一  確定申告書、修正申告書及び更正請求書(五二年七月一日から五三年六月三〇日までの事業年度分)の各コピー(前同様証明書添付、甲10、11、12)

一  たな卸金額の検討調査書(前記木村徹男作成)

一  架空仕入及び支払手数料調査書(右同人作成)

(適用法令)

罰条 法人税法一五九条、被告人大谷に対し懲役刑選択、被告法人につきなお同法一六四条一項

被告人大谷に対する刑の執行猶予 刑法二五条一項

(裁判官 藤井登葵夫)

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