前橋家庭裁判所 昭和31年(家イ)153号 調停
一、申立人と相手方とはアメリカ合衆国離婚法に関する下士官典範三三二頁第一項に記載する「精神上の虐待」を離婚理由として昭和三一年一〇月一二日調停離婚する。
二、申立人と相手方との間に出生した子キヤサリン・ピカツト(二歳)及びリリイ・ピカツト(一歳)の監護者はいづれもこれを相手方と定める。但し後日相手方の希望により監護者を申立人に変更することを承認する。
三、申立人は相手方に対し離婚が効力を発生した日から相手方が再婚するまで又は子が成年に達するまで子の養育料として一人につき月額三〇ドル(二人につき六〇ドル)宛アメリカ合衆国陸軍を通じその制限の範囲内において支払う。但しこの金額は陸軍財務政策の変動により変更せられることがある。
四、前項記載の子の養育料については申立人が軍務を退きアメリカ合衆国に帰り如何なる民間会社に就職した場合でも申立人の月収の二五%の額を与えることを確約する。但し、この場台も金額は国民経済の変動により変更されることがある。
五、申立人は相手方に対し離婚が効力を発生した後向う六ケ月間毎月一五〇ドル宛相手方の学資金として支払うことに同意する。但し金員は相手方の選撰に従つて学校或は相手方自身に送付する。
(家事審判官 高野一郎)
申立の趣旨
一、申立人と相手方とは離婚すること。
二、申立人と相手との間に出生した娘キヤサリン・ピカツト・リリイ・ピカツトの親権者(後見人)を各相手方と定め同人において監護養育する。但し相手方が希望すれば申立人は何時でも二人の子供の親権者(後見人)となり監護養育を引受けます。
三、申立人は相手方との間の二人の娘に対し、アメリカ合衆国の陸軍を通じ毎月一人宛三〇ドル(計六〇ドル)を各成年に達するか結婚するまで、及び相手方が再婚するまで支給することを認めます。このことは陸軍の財務政策の変動に従うものです。
四、申立人が軍務を退きアメリカ合衆国の民間会社に就職した場合は前項の子供達が私の月収の二五%を毎月受け取ることを認めこれを確約いたします。このことは前項と同様国家制度の変動に従うものです。
五、申立人は相手方に対し当事者間の離婚後向六ケ月間一ケ月一五〇ドル以内宛相手方の学資として支払うこと。支払方法は相手方の意思による。
事件の実情
申立人は相手方と一九五三年八月○○日婚姻したが相手方の申立人に対する精神上の虐待にたえられないので離婚の調停を申立ました。
精神上の虐待として
一、相手方は申立人の軍人としての職業に対し無理解で疑い深いこと。
二、相手方は家政の切り廻しが下手で浪費癖がある。
三、相手方は調理が下手であり、部屋を清潔にしておかない。
四、申立人と相手方とは性格が合わないため申立人は相手方との家庭生活に耐えられない。
等の点でこれは相手方も認め申立人との離婚について承諾している。