千葉地方裁判所 昭和37年(ワ)137号・昭37年(ワ)252号 判決
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〔判決理由〕被告は、(本件係争宅地のうち=編者注)右南側半分も右北側半分と併せ、一体として、之を原告から買受けたものであつて、被告は、之によつて、南側半分の所有権をも取得したものであるから、南側半分も亦被告の所有である旨を主張し、原告は、南側半分を被告に売渡したことはないのであるから、南側半分は原告の所有である旨を主張して、互に抗争して居るので、審按するに、被告は、南側半分が原告の所有であつたことを認めた上、原告から之を買受けて、その所有権を取得したものである旨を主張して居るので、その事実のあることは、被告に於て、之を立証する責任を負ふて居るものであると云はざるを得ないものであるところ、右の点に関する被告側の<証拠>は原告側の<証拠>に照らして考察すると、孰れも、真実に符合するそれであるとの心証を得難く、従つて、右各証人の証言並に被告本人の供述(被告側の証拠=編者注)は、右買受の為された事実のあることを認定する資料とはなし難く、又、右各土地全部について、被告を名義人とする売買による所有権移転の登記が為されて居ることは、当事者間に争のないところであるけれども、所有権の移転が争はれて居る直接の当事者間に於ては、その移転の登記の有する推定力は、之を援用することの出来ないものであると解するのが相当であると認められるので、右登記が為されて居ることは、右買受の為された事実のあることを推認する資料とはなし難く、更に、成立に争のない乙第二号証(売渡証書)には、原告が被告に、前記(1)乃至(5)の各土地を売渡した旨の記載が為されて居るのであるが、同号証は、之を右各登記に照すと、その各登記を為す為めの登記原因証書であることが認められるので、右登記について判示したと同様の理由によつて、右買受の為された事実のあることを認定する資料とはなし難く、他に、右買受の為された事実のあることを認めるに足りる証拠はないのであるから、被告が、原告から、右南側半分の土地を買受けて、その所有権を収得したことは、結局、之を認めるに由ないところであると云はざるを得ないものである。(田中正一)