千葉地方裁判所 昭和57年(わ)416号 判決 1982年9月24日
裁判所書記官
橋本富美男
国籍
韓国
住居
千葉県山武郡横芝町坂田池一番地の九
会社役員
雪原道夫こと
李正坤
西暦一九三〇年一〇月七日生
右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官永田俊明出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人を懲役七月及び罰金一、〇〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは金二万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人はパチンコ遊技場を営む有限会社丸三商事の代表取締役であるが、右会社業務のかたわら、個人で継続して株式の売買をし、日産化学工業株式会社ほか二社の発行した株式についてそれぞれ二〇万株以上の売買をしていたのにこれを秘匿し、昭和五五年分の総所得金額が真実は七六、五〇七、五六六円であったのにかかわらず、昭和五六年三月一四日、千葉県東金市東金八一〇番二号所在の所轄東金税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一〇、九二四、八〇〇円で、これに対する所得税額が一、一〇五、七〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により昭和五五年分の正規の所得税額四一、一二九、三〇〇円と右申告税額との差額四〇、〇二三、六〇〇円を免れたものである。
(証拠の標目)
一 熱田進昭の検察官に対する供述調書謄本
一 同人の大蔵事務官に対する昭和五六年九月二二日付(写)及び同年一〇月一日付(謄本)各質問てん末書
一 畔蒜英雄の検察官に対する供述調書謄本
一 半田登作成の証明書二通及び申述書写
一 大蔵事務官大関信邦作成の株式譲渡益調査書、支払利息調査書、雑費調査書、譲渡所得特別控除額調査書、不動産所得調査書、社会保険料控除調査書、生命保険料控除調査書、損害保険料控除調査書、脱税額計算書及び査察官報告書二通
一 検察事務官作成の電話聴取書謄本
一 押収してある所得税の確定申告書一通(昭和五七年押第一六九号の1)
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する供述調書
一 被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書三通
(法令の適用)
一、罰条 昭和五六年法律第五四号附則五条により同法律による改正前の所得税法二三八条一項、二項(懲役刑と罰金刑を併科)
二、労役場留置 刑法一八条
三、執行猶予 懲役刑につき同法二五条一項
よって主文のとおり判決する。
(裁判官 福嶋登)