大判例

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千葉家庭裁判所 事件番号不詳 決定

少年 H(昭和一四・四・一生)

主文

1、少年を千葉保護観察所の保護観察に付する。

2、当裁判所が昭和二九年六月一一日なした少年を千葉保護観察所の保護観察に付する旨の処分はこれを取り消す。

理由

第一、罪となるべき事実

少年は、昭和三四年二月一日頃雇主の息子G(当時二〇歳)と共に酒に酔い同日の午前四時一五分頃千葉県市川市中山町法華経寺境内の狭い道を自転車で進行中、その前方を同一方向に歩いていた会社員桑原不二雄(当時四〇歳)に追突したことから逆に憤慨し、とつさに右Gと暗黙の共謀をとげたうえ桑原の顔面を殴打して暴行を加え、更に同人の眼鏡を破壊して器物を損壊したものである。

第二、右の事実に対する適条

刑法第二〇八条、第二六一条、第六〇条

第三、主たる問題点

一、少年は、昭和二九年五月本件共犯者G等と共に匕首を以て他の少年の左胸部を突き刺した事件により同年六月一一日保護観察の決定を受け、昭和三二年頃空気銃を不法所持した事件により同年四月一八日従前の保護観察継続の意味で不処分決定を受けた(何れも当裁判所において)。したがつて本件犯行は保護観察中のものである。

二、実父は馬丁にして性短気、かつ少年に対しては稍々放任的である。

三、かつ少年の性格も短気、粗野、意志薄弱である。

四、しかしながら少年は昭和三三年四月頃から本件共犯者の父F方に植木職手伝として働き、現在に至る間の仕事振りには一応良好なものが認められ、少年自体もこれを生涯の仕事としてゆく旨考えていること、その他担当保護司の意見等を総合すれば、少年に対しこれまでの保護処分以上の処分を加える必要はないものと認められる。

五、ただ少年の要保護性が前記のとおり完全に解消されたものとは認められず、かつ今後数日を経て少年が成人に達することとなる点を考慮し、この際改めて少年を保護観察に付した次第である。

第四、主文についての適条

主文第一項 少年法第二四条第一項一号 同第二項 同法第二七条二項(前後の裁判所は同一にしてかつ前処分の裁判官は転勤につき意見聴取はこれをしない。)

(裁判官 遠藤誠)

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