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千葉家庭裁判所松戸支部 平成20年(少ロ)1号 決定 2008年5月21日

主文

本人に対し,金9万9000円を交付する。

理由

1  当裁判所は,平成20年5月15日,本人に対する平成20年(少)第143号傷害保護事件において,本人に送致事実記載の非行がないことを理由として,本人を保護処分に付さない旨の決定をし,同決定は直ちに確定した。

2  同事件の記録によれば,本人は,上記送致事実と同一の被疑事実に基づき,同年2月4日に逮捕され,同月5日から同年月14日まで勾留されたことが認められる。よって,本人に対する少年の保護事件に係る補償に関する法律(以下「少年補償法」という。)2条所定の身体の自由の拘束は,合計11日間である。

また,本人には,少年補償法3条所定の補償金減額事由は認められない。

3  一件記録によれば,本人は,逮捕勾留される前後,有限会社aにおいて月給27万円で稼働していたこと,本人が結論において傷害の共謀をしたことを認めるような警察官調書及び検察官調書が作成されているものの,それらの供述証拠を含めた捜査機関から送致された関係各証拠を検討しても,共謀の事実を認めるのは困難であったことが認められ,その他一件記録によって認められる捜査経過,本人の年齢,生活状況など諸般の事情を総合考慮すると,少年補償法4条1項所定の補償金額は,1日当たり9000円として上記身体拘束日数11日を乗じた9万9000円とするのが相当である。

4  よって,少年補償法5条1項により,主文のとおり決定する。

(裁判官 數間薫)

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