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名古屋地方裁判所 平成3年(わ)1329号 判決 1992年3月19日

本籍

愛知県一宮市桜二丁目八番地の八

住所

名古屋市昭和区白金二丁目六番一九号

不動産取引業

岡本勵二

大正一五年三月二九日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官畝本直美出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年六月及び罰金三〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金六万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、名古屋市昭和区白金二丁目六番一九号において、「愛銀宅建商社」の名称で不動産取引業等を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和六二年分の実際総所得金額が三七二〇万六六三〇円あったのにかかわらず、昭和六三年三月一五日、名古屋市瑞穂区瑞穂町字西藤塚一番地の四所在の所轄昭和税務署において、同税務署長に対し、昭和六二年分の総所得金額が二三〇万五〇〇〇円で、これに対する所得税額が四万七六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額一五四九万七九〇〇円と右申告税額との差額一五四五万〇三〇〇円を免れ

第二  昭和六三年分の実際総所得金額が六一六〇万〇、五三六万あったのにかかわらず、平成元年三月一五日、前記昭和税務署において、同税務署長に対し、昭和六三年分の総所得金額が四一三万五〇〇〇円で、これに対する所得税額が九二万〇〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額三一八七万四八〇〇円と右申告税額との差額三〇九五万四八〇〇円を免れ

第三  平成元年分の実際総所得金額が一億三八六〇万四七二〇円あったのにかかわらず、平成二年三月一三日、前記昭和税務署において、同税務署長に対し、平成元年分の総所得金額が二〇八〇万九八五一円で、これに対する所得税額が七三〇万九六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額七六七〇万六二〇〇円と右申告税額との差額六九三九万六六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示各事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  登記官作成の各登記簿謄本

一  郷誠、鈴木文明、大嶋良平、松山公勇、今井功、村井政則、山内政見、下山修二、稲垣幸男、横井和彦、岡本操、岡本雅子、若尾淑枝、岡本美幸の検察官に対する各供述調書

一  北村真美の検察事務官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書

一  大蔵事務官作成の各証明書(検甲30、31、32号)

一  検察官作成の各捜査報告書

一  大蔵事務官作成の平成三年九月二六日付査察官報告書

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の各証明書(検甲1、45号)

同第二の事実について

一  大蔵事務官作成の各証明書(検甲2号)

同第三の事実について

一  大蔵事務官作成の各証明書(検甲3号)

(法令の適用)

判示各事実 所得税法二三八条

刑種の選択 懲役・罰金刑

併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定加重・合算)

労役場留置 同法一八条

刑の執行猶予 同法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 金田智行)

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