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名古屋地方裁判所 平成4年(わ)569号 判決 1992年7月02日

本店所在地

名古屋市中村区長戸井町四丁目六五番地

株式会社

高島工務店

右代表者代表取締役

髙島富士夫こと 朴在煥

国籍

韓国(慶尚北道星州郡月恒面水竹洞五五八番地)

住居

名古屋市中村区稲西町一八三番地 コープ野村八〇六号

会社役員

髙島富士夫こと 朴在煥

一九四六年八月二六日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官河瀬由美子出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告株式会社高島工務店を罰金六〇〇〇万円に処する。

被告人朴在煥を懲役二年に処する。

被告人朴在煥に対し、この裁判確定の日から五年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告株式会社高島工務店は、肩書地に本店を置き、土木建築工事請負業等を目的とする資本金三二〇〇万円(平成元年六月一五日までは、一六〇〇万円)の株式会社であり、被告人髙島富士夫こと朴在煥は、被告会社の代表取締役(平成元年二月九日までは取締役)として、同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人髙島富士夫こと朴在煥は、前記被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空労務賃金を計上するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上、

第一  昭和六四年一月一日から平成元年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が、三億二九六一万三五四一円あったのにかかわらず、平成二年二月二七日、名古屋市中村区太閤三丁目四番一号所在の所轄名古屋中村税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三五六六万一三五円で、これに対する法人税額が一三六四万七八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億三七一〇万八一〇〇円と右申告納税額との差額一億二三四六万三〇〇円を免れ

第二  平成二年一月一日から同年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が、一億九五六八万四三二八円あったのにかかわらず、同年八月二八日、前記名古屋中村税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九五六万二六三二円で、これに対する法人税額が三二五万七六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額七七七〇万六四〇〇円と右申告納税額との差額七四四四万八八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人髙島富士夫こと朴在煥の検察官に対する平成四年四月二七日付け各供述調書(四通)

一  被告人髙島富士夫こと朴在煥作成の上申書

一  水谷、渡邉奈緒美、井村春美、山内公孝の検察官に対する各供述調書

一  検察事務官作成の捜査報告書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(甲第八ないし第一〇、第一二、第一六、第一八号証)

一  名古屋法務局登記官作成の各商業登記簿(謄本)(二通)

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の証明書(甲第一号証)

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(甲第一一、第一四号証)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の証明書(甲第二号証)

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(甲第一三、第一五、第一七号証)

(法令の適用)

被告会社及び被告人朴在煥の判示各所為は、各事業年度ごとに各法人税法一五九条一項(被告会社については、さらに同法一六四条一項)にそれぞれ該当するところ、被告会社については、情状に鑑み同法一五九条二項を適用し、被告人朴在煥については、所定刑中懲役刑を選択することとし、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告会社については、同法四八条二項により罰金額を合算した金額の範囲内において罰金六〇〇〇万円に、被告人朴在煥については、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内において被告人を懲役二年にそれぞれ処し、被告人朴在煥に対し同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から五年間右刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 笹本忠男)

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