名古屋地方裁判所 平成5年(わ)158号 判決 1993年10月06日
本籍
名古屋市中村区靖国町二丁目一一六番地
住居
同区香取町二丁目一番地の一エスポア中村公園一〇〇一号室
会社役員
篠田昭
昭和二三年七月二〇日生
右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官宇川春彦及び同跡部敏夫出席の上審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人を懲役一年及び罰金一〇〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金四万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、名古屋市中村区長筬町三丁目五九番地の二において不動産取引業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、平成元年分の実際総所得金額が六〇三七万〇一四七円あったにもかかわらず、これについての所得税の申告期限である平成二年三月一五日までに所轄の名古屋中村税務署長に対し、所得税確定申告書を提出しないで右期限を徒過し、もって不正の行為により平成元年における正規の所得税額三〇三一万八二〇〇円を免れたものである。
(証拠の標目)
以下、括弧内の甲乙の番号は検察官の証拠請求番号を示す。
一 被告人の公判供述
一 第一回公判調書中の被告人の供述部分
一 被告人の検察官調書四通(乙2ないし5)
一 岩田直志(甲2、15)、越喜邦(甲3、16)、永井孝則(甲4、17)、岩瀬貢(甲5)、後藤昭一(甲6)、伊藤茂(甲7)、西川豊子(甲8)、石橋隆男(甲9)、秋田ひさゑ(甲10)、多田憲司(甲12、18)、及び柴田忠雄(甲13)の各検察官調書(いずれも謄本)
一 搜査報告書三通(甲14、19、20。いずれも謄本)
一 査察官調査書六通(甲21ないし26)
一 証明書(甲1)
(法令の適用)
罰条 所得税法二三八条一項
刑の併科 懲役刑と罰金刑を併科(罰金額につき所得税法二三八条二項を適用)
労役場留置 刑法一八条
刑の執行猶予 刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する(求刑 懲役一年及び罰金一〇〇〇万円)
(裁判官 政岡克俊)