大判例

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名古屋地方裁判所 平成9年(わ)1079号 判決

主文

被告人有限会社プロテックを罰金一〇〇〇万円に処する。

被告人松井園子を懲役一〇か月に処する。

被告人松井園子に対し、この裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人有限会社プロテック(以下、被告会社という。)は、名古屋市天白区池場三丁目一一七番地に本店を置き、労働者派遣業務を営む資本金三〇〇万円の会社であり、被告人松井園子は、被告会社の取締役として同会社の業務全般を統括している者であるが、被告人松井は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿した上、以下の各犯行を行った。

第一  被告人松井は、平成五年七月一日から同六年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の総所得金額が五二七九万五二九九円であり、これに対する法人税額が一九〇三万七七〇〇円であるのに、平成六年八月三一日、同市瑞穂区瑞穂町字西藤塚一番地の四所轄昭和税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の欠損金額が二三〇万七二五六円であり、これに対する納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を経過させ、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一九〇三万七七〇〇円を免れた。

第二  被告人松井は、平成六年七月一日から同七年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の総所得金額が四三七〇万〇四三七円であり、これに対する法人税額が一五六二万六八〇〇円であるのに、平成七年八月三一日、前記税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得はなく、これに対する納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を経過させ、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一五六二万六八〇〇円を免れた。

第三  被告人松井は、平成七年七月一日から同八年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の総所得金額が二五〇三万二七五六円であり、これに対する法人税額が八六二万六四〇〇円であるのに、平成八年八月三〇日、前記税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の欠損金額が一六四万三〇五三円であり、これに対する納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を経過させ、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額八六二万六四〇〇円を免れた。

(証拠)

(括弧内の甲乙の番号は検察官請求番号を示す)

全部の事実について

1  被告人松井園子の

(1)  公判供述

(2)  検察官調書六通(乙2ないし7)

2  査察官調査書一五通(甲5ないし19)

3  履歴事項全部証明書(甲1)

第一の事実について

4  証明書(甲2)

第二の事実について

5  証明書(甲3)

第三の事実について

6  証明書(甲4)

(法令の適用)

1  罰条

各事業年度毎に

被告会社につき

法人税法一五九条、一六四号一項

被告人松井につき

法人税法一五九条

2  刑種の選択

被告人松井につき

懲役刑

3  併合罪の処理

被告人松井につき

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第一の罪の刑に法定の加重)

被告会社につき

刑法四五条前段、四八条二項

4  懲役刑の執行猶予

刑法二五条一項

(求刑 被告人松井につき懲役一〇か月、被告会社につき罰金一〇〇〇万円)

(裁判官 久保豊)

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