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名古屋地方裁判所 平成9年(わ)1089号 判決 1997年10月07日

本籍

岐阜市梅林西町二五番地

住居

岐阜市鷺山二五一八番地の二

印章販売業

山川廣光

昭和一二年一〇月一一日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、次のとおり判決する(公判出席検察官新河隆志)。

主文

被告人を懲役一年及び罰金二〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実)

被告人は、坂本行徳こと坂本幸則及び同小菅誠と共に、岐阜県羽島市舟橋町八六三番地に居住して所有土地を売却した分離前の相被告人木村たけ子から依頼されて、同人の所得税の申告手続に関与したものであるが、右木村たけ子、坂本幸則及び小菅誠と共謀の上、右木村たけ子の所得税を免れようと企て、不動産の売却に伴う架空の取りまとめとトラブル解決料を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、同人の平成六年分の実際の総所得金額が零円で、分離課税による長期所有土地にかかる譲渡所得の金額が三八九六万九四八五円であったのに、平成七年二月二〇日、岐阜市加納清水町四丁目二二番地の二所在の所轄岐阜南税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が零円、分離課税による長期所有土地にかかる譲渡所得の金額が六六五万七八〇円で、これに対する所得税額が一三九万二〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同人の正規の所得税額九五〇万四七〇〇円と右申告税額との差額八一一万二七〇〇円を免れていたものである(別紙修正損益計算書及び脱税額計算書参照)。

(証拠の標目)

括弧内の記号番号は、検察官請求証拠の記号番号(番号は記録上算用数字)である。検察官に対する供述調書は「検察官調書」と記載する。

一 被告人の当公判廷における供述

一 被告人の検察官調書二通(乙五、六)

一 分離前の相被告人木村たけ子の検察官調書(謄本。乙二)

一 坂本幸則の検察官調書二通(各謄本。甲一四、一六)

一 小菅誠の検察官調書(謄本。甲一七)

一 前野金吾(甲一〇)、白木義春(甲一一)、森さとみ(甲一二)及び桐山清志(甲一三)の各検察官調書(各謄本)

一 岐阜南税務署長作成の証明書三通(各謄本。甲二、三、八)

一 大蔵事務官作成の査察官調査書四通(各謄本。甲四ないし七)及び脱税額計算書(謄本。甲一八)

(法令の適用)

一 罰条 所得税法二三八条一項、平成七年法律第九一号による改正前の刑法(以下「改正前の刑法」という。)六五条一項、六〇条

二 刑種の選択 所定刑中懲役刑及び罰金刑を選択

三 労役場留置 改正前の刑法一八条

四 懲役刑の執行猶予 改正前の刑法二五条一項

(裁判官 三宅俊一郎)

別紙 修正損益計算書

<省略>

別紙

脱税額計算書

<省略>

税額の計算

<省略>

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