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名古屋地方裁判所 昭和42年(わ)337号 判決 1968年4月12日

本籍

名古屋市千種区若水町一丁目六十八番地

住居

同市同区中道町一丁目二十八番地

会社役員

山中実

昭和六年三月十二日生

右の者に対する昭和四十年法律第三十三号による改正前の所得税法違反及び所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官田中豊出席の上審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役六月及び罰金四百万円に処する。

被告人において右罰金を完納することができないときは金一万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は名古屋市千種区大久手町においてスタンドバー「スリーミツクス・トニオ」(昭和三十年十月開店、その後昭和三十八年八月三十日に株式会社に組織変更)及び西洋料理店「キツチン・とにお」(昭和三十七年十月開店、その後昭和四十年十月一日より株式会社に組織変更)を、又同市昭和区滝子通において西洋料理店「ビユツフエ・とにお」(昭和三十九年十一月開店、その後右「キツチン・とにお」とともに株式会社に組織変更)をそれぞれ経営してきた者であるが、自己の所得の一部を秘匿して所得税を免れようと企て、

第一、昭和三十八年度中における実際の総所得金額は少くとも金一千九百九十六万三千三百十三円であり、これに対する所得税額は金八百八十八万八千八百十円であるのに拘らず、右料理店等の経営により生ずる売上の一部を除外してこれを架空名義の定期預金に預入するなどの方法により事業所得を圧縮計上し且つ配当所得及び譲渡所得の全額を秘匿した上、昭和三十九年三月十五日名古屋市所在の所轄昭和税務署において、同署長に対し昭和三十八年度の所得税確定申告をなすに際し、同年度の総所得金額は金二百六十二万二千円、これに対する所得税額は金二十四万八千七百七十円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により前記の正規の所得税額と右申告にかかる所得税額との差額金八百六十四万四十円を逋脱し(別紙第一の(一)乃至(四)参照)、

第二、昭和三十九年度中における実際の総所得金額は少くとも金一千三百六十六万三千六百五円であり、これに対する所得税額は金五百九十四万七千二百九十円であるのにも拘らず、前同様の方法により事業所得を圧縮計上し且つ配当所得及び雑所得の全額を秘匿した上、昭和四十年三月十五日名古屋市東区主税町三の十一所在の所轄名古屋東税務署において、同署長に対し昭和三十九年度の所得税確定申告をなすに際し、同年度の総所得金額は金百八十六万三千九百四十円、これに対する所得税額は金二十八万八千四百三十円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により前記の正規の所得税額と右申告にかかる所得税額との差額金五百六十五万八千八百六十円を逋脱し(別紙第二の(一)乃至(四)参照)。

第三、昭和四十年度中における実際の総所得金額は少くとも金一千七百四十七万三千六百八十三円であり、これに対する所得税額は金七百九十四万三千九百六十円であるのにも拘らず、前同様の方法により事業所得を圧縮計上し且つ雑所得の全額を秘匿した上、昭和四十一年三月十五日前記名古屋東税務署において、同署長に対し昭和四十年度の所得税確定申告をなすに際し、同年度の総所得金額は金四百一万三千四百九十一円、これに対する所得税額は金九十九万五百十円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により前記の正規の所得税額と右申告にかかる所得税額との差額金六百九十五万三千四百五十円を逋脱し(別紙第三の(一)乃至(四)参照)

たものである。

(証拠の標目)

判示の全事実につき

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する昭和四十二年二月二十三日付、同月二十五日付及び同年三月二日付各供述調書

一、被告人の大蔵事務官国枝為則に対する昭和四十一年十二月八日付上申書

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年三月三十日付、同年四月一日付、同月五日付、同月二十日付、同年十一月二日付各質問てん末書

判示第一の事実につき

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十一年九月二十二日付証明書(昭和三十八年分の所得税の確定申告書)

判示第二の事実につき

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十一年九月二十二日付証明書(昭和三十九年分の所得税の確定申告書)

判示第三の事実につき

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十一年九月二十二日付証明書(昭和四十年分の所得税の確定申告書)及び同年十二月七日付証明書

判示第一乃至第三の各事実中、事業所得関係につき

(現金)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月二十九日付質問てん末書(枚数三枚の分)

一、松井高子の大蔵事務官に対する上申書

一、山中幸子の検察官に対する供述調書

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十二年十一月九日付調査報告書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(普通預金)

一、伊藤昇の大蔵事務官に対する昭和四十一年五月二十五日付質問てん末書

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の普通預金元帳(写)三綴

一、林光男作成にかかる東海銀行今池支店備付の普通預金元帳(写)二綴

一、富士銀行名古屋支店備付の普通預金元帳(写)一通

一、荻子昌作成にかかる東海銀行今池支店備付の普通預金元帳定期預金印鑑(利息支払票)等(写)

一、森田寿子作成にかかる協和銀行滝子支店備付の当座勘定元帳等(写)

一、伊藤登志夫作にかかる大垣共立銀行高辻支店備付の普通預金元帳(写)

一、大蔵事務官樋口繁男作成にかかる昭和四十一年三月三十日付領置てん末書

(定期預金)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年四月二十八日付、同年一月二十五日付各質問てん書

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月二十九日付上申書

一、山中幸子の検察官に対する供述調書

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の定期預金兼印鑑票(写)二綴、定期預金証書(写)、自動継続定期預金個人別記入票(写)、自動継続定期預金元帳兼印鑑票(写)及び通知預金証書(写)

一、伊藤昇作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の定期預金元帳兼印鑑票(写)一綴

一、太田信篤作成にかかる東海銀行今池支店備付の自動継続扱定期預金元帳(写)及び定期預金証書(支払済)並びに定期預金印鑑(利息支払票)等(写)

一、林光男作成にかかる東海銀行今池支店備付の自動継続扱定期預金元帳並びに定期預金印鑑(利息支払票)等(写)、伝票、利息支払票、定期預金証書等(写)、定期預金印鑑(利息支払票)等(写)、定期預金証書(写)及び自動継続扱定期預金元帳(写)(以上五綴)

一、荻子昌作成にかかる東海銀行今池支店備付の定期預金証書普通預金元帳等(写)二綴

一、古川国男作成にかかる三菱銀行名古屋支店備付の割増金附定期預金入金伝票及び定期預金元帳兼印鑑票(写)

一、柴田隆司作成にかかる三和銀行上前津支店備付の定期預金利息計算書及び定期預金元帳(写)

一、榊間保彦作成にかかる福徳相互銀行名古屋支店備付の掛金台帳(写)及び定期預金元帳等(写)一綴

一、兼康あぐり作成にかかる協和銀行滝子支店備付の定期預金元票等(写)

一、大蔵事務官山田昭作成にかかる現金、有価証券等現在高確認書

(月掛預金)

一、榊間保彦作成にかかる福徳相互銀行名古屋支店備付の掛金台帳(写)

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の掛金個人別元帳(写)二綴

(当座預金)

一、林光男作成にかかる東海銀行今池支店備付の当座勘定元帳(写)二綴

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の当座勘定元帳(写)

(投資信託)

一、竹田昭三作成にかかる野村証券名古屋支店備付のお預り証券明細及び有価証券預り記入帳(写)一綴

一、塙新作成にかかる野村証券名古屋支店備付のお預り証券明細(写)

一、井手忠博作成にかかる山一証券名古屋支店備付の保護預り有価証券明細簿(写)二通

一、井手忠博の大蔵事務官に対する上申書

(貸付信託、指定金銭信託)

一、林昭作成にかかる住友信託銀行名古屋駅前支店備付の貸付信託記入帳、指定金銭信託申込書兼印鑑届等(写)一綴

(売掛金)

一、押収してある売掛帳七冊(証第一乃至第三号、第八乃至第十一号)、売掛金明細表一綴(証第四号)、税務関係書類一綴(証第六号)

(貸付金)

一、押収してある株式会社トニオ元帳二冊(証第五号及び証第十二号)

(有価証券)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年三月三十一日付質問てん末書

一、村瀬建尚作成にかかる大蔵事務官に対する回答書(東洋信託銀行名古屋支店証券代行部長名義)

一、井手忠愽の大蔵事務官に対する上申書

一、大蔵事務官山内義憲作成にかかる昭和四十一年三月三十日付有価証券現在高確認書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)及び税務関係綴一冊(証第二十九号)

(保証金)

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(在庫)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月二十九日付質問てん末書(枚数三枚の分)及び同年十二月五日付上申書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

一、吉見茂の大蔵事務官に対する上申書

一、加藤茂の検察官に対する供述調書

(土地)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年三月三十一日付質問てん末書及び同年十月十九日付上申書

一、岡田哲秋の大蔵事務官に対する質問てん末書及び上申書

一、浅埜文弥の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、亀井鉱の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官作成の別紙と題する書面(前記浅埜文弥の質問てん末書の別紙として作成されたもの)

一、検察事務官作成の捜査報告書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)及び滝子売買契約書一綴(証第十三号)

(建物・設備・什器備品)

一、被告人の大蔵事務官高瀬良三に対する昭和四十一年十二月八日付上申書(「建物の明細」と題する表等添付分)

一、興亜火災海上保険株式会社名古屋支店名義の火災保険金支払明細書

一、大蔵事務官作成の昭和四十一年十一月十五日付調査報告書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)、火災類焼関係書類綴一綴(証第十四号)、各種請求書綴二綴(証第十五号及び第十六号)、経費請求書(三月分)綴一綴(証第二十一号)、請求書領収書綴一綴(証第二十二号)ビツフエ領収書綴(昭和四十年五月分)一綴(証第二十三号)、領収書綴(キツチン、昭和四十年一月分)一綴(証第二十四号)、領収書綴(キツチン、昭和四十年四月分)一綴(証第二十五号)、経費領収書綴(キツチン、十月分)一綴(証第二十六号)、領収書請求書綴一綴(証第二十号)

(車輛)

一、被告人の大蔵事務官高瀬良三に対する昭和四十一年十二月八日付上申書(「建物の明細」と題する表等添付分)

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十一年十一月十五日付調査報告書

一、磯村寄(中京いすずモーター株式会社経理部長)作成の大蔵事務官に対する回答書

一、杉村輝雄の大蔵事務官に対する回答書

一、巽幸彦の大蔵事務官に対する上申書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(未経過利息)

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(枚数四枚の分、未経過利息の増減明細表添付)

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(未経過保険料)

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(事業主貸)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月二十九日付質問てん末書(枚数三枚の分)

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(枚数十一枚の分、店主貸明細表等添付)

(買掛金)

一、被告人の大蔵事務官高瀬良三に対する昭和四十一年十二月八日付上申書(「各年末の買掛金明細」と題する表等添付分)

一、大蔵事務官作成の昭和四十一年十一月十五日付調査報告書

一、神谷英三作成にかかる売上調べ帳一冊

一、森下方子、中村文子、千村利一、渡辺美智子、牧野輝敏、杉原剛雄、生川喜久松、森本可光、神谷英三、富田愽、村田貞次、富安芳樹、北川順二、渡辺岩雄、大藪鋳治、久保星子、浅野敏夫、加藤照子、橋立四郎、吉田国太郎の大蔵事務官に対する各回答書

一、押収してある個人決算原稿二綴(証第二十七、第二十八号)

(未払金)

一、被告人の大蔵事務官高瀬良三に対する昭和四十一年十二月八日付上申書(「各年末の買掛金明細」と題する表等添付分)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月十九日付上申書

一、浅野茂夫、伊藤才一郎、大崎治正、野村八重子、梶浦愛子、中村房子、杉浦候夫、久田彪、杉浦良雄、高野井出錠吉、東本国雄、佐藤元夫、松井宗市、鶴岡辰彦、福田寿太郎、成田克已、岡田正二、鈴木康之、名古屋市千種区長杉山日出雄、木谷勝、尾関正一、星野洋子、丹下稔、宮川方安、野倉ハルエ、藤本直隆、佐々木幸子、木全孝清、長谷川玉子、桑原義元、田中つる、南修次、山田清三郎、増井清子、古市愽、山口弘、渡辺稔、名古屋市水道局昭和業務所長、今井敬、飯田昌義、鋤元信子の大蔵事務官に対する各回答書

一、巽幸彦、神谷留次(二通)の大蔵事務官に対する上申書

一、浅野文弥の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の証書貸付元帳(写)

一、愛知県新栄県悦事務所長の名古屋国税局調査査察部長に対する回答書

一、大蔵事務官作成にかかる昭和四十一年十一月十五日付調査報告書

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)、買掛元帳一冊(証第七号)、支払予定表一綴(証第十七号)、経費請求書(ビユツフエ、一月分)一綴(証第十八号)、買掛帳元帳一冊(証第十九号)

(未払税金)

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(個人事業税計算調書添付分)

(支払手形)

一、被告人の大蔵事務官高瀬良三に対する昭和四十一年十二月八日付上申書(「各年末における買掛金明細」と題する表等添付分)

一、磯村寄、鈴木康之、杉村輝雄の大蔵事務官に対する各回答書

一、巽幸彦の大蔵事務官に対する上申書

(借入金)

一、荻子昌作成にかかる東海銀行今池支店備付の定期預金証書普通預金元帳等(写)一綴(昭和四十一年七月二十日付)

一、林光男作成にかかる東海銀行今池支店備付の手形貸付元帳(写)

一、鈴木芳弥作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の証書貸付元帳(写)及び手形貸付元帳(写)

一、近藤俊男作成にかかる名古屋相互銀行今池支店備付の手形貸付元帳(写)

一、神谷留次の大蔵事務官に対する昭和四十一年九月五日付上申書

一、浅埜文弥の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、押収してある株式会社トニオ元帳一冊(証第五号)

(仮受金)

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和四十一年十月二十九日付質問てん末書(枚数五枚の分)

一、大蔵事務官志津一郎作成にかかる昭和四十二年十一月九日付証明書(株式会社トニオの法人税修正申告書写)二通

(預り金)

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(事業主借)

一、大蔵事務官高瀬良三作成の昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「店主借勘定明細書」等添付分)

一、押収してある税務関係書類一綴(証第六号)

(車輛売却損・土地売却益)

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「譲渡所得明細表」等添付分)

(保険差益金)

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「火災損失の明細表」等添付分)

一、興亜火災海上保険株式会社名古屋支店名義の火災保険金支払明細書

判示第一及び第二の各事実中、配当所得関係につき

一、井手忠愽の大蔵事務官に対する上申書

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「店主借勘定明細書」等添付分)

判示第一及び第三の各事実中、譲渡所得関係につき

一、被告人の検察官に対する昭和四十二年二月二十八日付供述調書

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「譲渡所得明細表」等添付分)

判示第二及び第三の各事実中、雑所得関係につき

一、神谷留次の大蔵事務官に対する昭和四十一年九月五日付上申書

一、大蔵事務官高瀬良三作成にかかる昭和四十一年十二月一日付調査報告書(「店主借勘定明細書」等添付分)

(法令の適用)

法律に照らすと、被告人の判示第一及び第二の各所為は、いずれも昭和四十年法律第三十三号附則第三十五条、同法律により改正される以前の旧所得税法第六十九条第一項、第二十六条第三項第三号、罰金等臨時措置法第二条第一項に、判示第三の所為は所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百三十八条第一項、第百二十条第一項第三号、罰金等臨時措置法第二条第一項に各該当するので、いずれも所定刑である懲役刑及び罰金刑の両者を併科することとし、以上は刑法第四十五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同法第四十七条本文、第十条により犯情の最も重いと認められる判示第一の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑については同法第四十八条第二項により判示各罪所定の罰金額を合算し、その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役六月及び罰金四百万円に処し、被告人において右罰金を完納することができないときは、同法第十八条により金一万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとしなお諸般の情状を考慮し、右懲役刑についてはその執行を猶予するのが相当であると思料されるので、同法第二十五条第一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

以上の理由により主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 野村忠治 裁判官 松永剛 裁判官植田俊策は転勤につき、署名捺印することができない。裁判長裁判官 野村忠治)

別紙第1の(1)

(昭和38年度犯則所得の内容)

<省略>

(昭和38年度脱税額の計算)

<省略>

別紙第1の(2)

(昭和38年度犯則事業所得の内容)

<省略>

別紙第一の(三)

(昭和38年度犯則配当所得の内容)

山一証券株式会社名古屋支店の被告人名義#98ユニツト投資信託分配金(1期及び2期分)として、昭和38年7月10日に合計金47,369円(但し内金2,369円は源泉所得税)を収入したもの。

別紙第一の(四)

(昭和38年度犯則譲渡所得の内容)

<省略>

(譲渡所得金額の計算)

<省略>

別紙第二の(一)

(昭和39年度犯則所得の内容)

<省略>

(昭和39年度脱税額の計算)

<省略>

別紙第二の(二)

(昭和39年度犯則事業所得の内容)

<省略>

別紙第二の(三)

(昭和39年度犯則配当所得の内訳)

株式会社高松電気製作所からの持株に対する配当金合計金20,000円を収入したもの(明細は下表のとおりである)

<省略>

別紙第二の(四)

(昭和39年度犯則雑所得の内訳)

神谷留次から手形割引料として昭和39年5月15日に金71,500円、同じく同月20日に金19,100円、以上合計金90,600円を収入したもの。

別紙第三の(一)

(昭和40年度犯則所得の内容)

<省略>

(昭和40年度脱税額の計算)

<省略>

別紙第三の(二)

(昭和40年度犯則事業所得の内訳)

<省略>

別紙第三の(三)

(昭和40年度犯則雑所得の内容)

昭和40年3月31日に神谷留次から手形割引料として金65,000円を収入したもの。

別紙第三の(四)

(昭和40年度犯則譲渡所得の内容)

<省略>

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