名古屋地方裁判所 昭和43年(ワ)2556号 判決
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〔判決理由〕被告鄭
原告は、同被告は、民法七一五条二項に所謂代理監督者である旨主張する。なるほど、<証拠>によれば、被告会社は被告鄭の発意により設立された資本金一〇〇万円の株式会社であり、同被告は沖山晥とともにその代表取締役であつたこと、取締役は他に同被告の兄弟であつた訴外西村敏夫の一名で、監査役の訴外新井義夫も同被告の縁故者であつたこと、被告会社は土木式専門工事その他これに付帯する一切の業務を目的とする会社であり、当時、従業員は約三〇人で全員建設機械及びダンプカーの運転手であつたこと、右従業員についての職制は確立していなかつたこと(被告会社所有のダンプカーは約三台)、被告鄭は被告会社の現場の打合せにも関与していたことが認められ、同被告が被告会社の実権を掌握していたことは、たやすく、これを推断することができる。しかし、他面、右証言によれば、同被告は、主として被告会社の金銭面一切を掌理していたのであり、被告会社の従業員(加害者をも含む)を現実に指揮監督し、個別に従業員を掌握していたのは右沖山であつた事実が認められるのである。以上認定事実に徴すると、被告会社において、実際上、現実に加害者を指揮監督していた者は右沖山であつて被告鄭ではなかつたものと認めるのほかはなく、他にこの点に関する証拠はない。 (可知鴻平)