大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。
官報全文検索 KANPO.ORG
月額980円・今日から使える・メール通知機能・弁護士に必須
AD

名古屋地方裁判所 昭和45年(わ)758号 判決 1971年11月05日

本店所在地

名古屋市西区康生通一丁目三番地

株式会社 山本建材

右代表者代表取締役

山本金一

本籍

名古屋市西区康生通一丁目三番地

住居

右同所

会社役員

山本金一

大正一三年一一月一五日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官馬場義宣出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社山本建材を罰金三〇〇万円に処する。

被告人山本金一を懲役六月に処する。

被告人山本金一に対してこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社山本建材は、名古屋市西区康生通一丁目三番地に本店を設け、一般土木建築材料販売等を目的とする法人、被告人山本金一は、同会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人山本金一は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、昭和四一年四月二一日から同四二年四月二〇日までの事業年度における同会社の実際の所得額は、三二四五万三七六一円であり、これに対する法人税額は一〇七〇万二四〇〇であるのに、架空の経費を計上し、あるいは、手形割引料収入を一部除外するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ、同四二年六月二〇日、所轄の同区北押切町二二番地名古屋西税務署において、同署長に対し、その所得金額が一六六七万三五九九円、これに対する法人税額が五一九万一三〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もつて、右不正の行為により正規法人税額と申告法人税額との差額五五一万一一〇〇円をほ脱し、

第二、同四二年四月二一日から同四三年四月二〇日までの事業年度における同会社の実際の所得金額は、四二八〇万六九〇四円であり、これに対する法人税額は、一四一六万四五〇〇円であるのに、架空の仕入、架空の経費を計上し、あるいは、手形割引料収入を一部除外するなどの不正な方法によりその所得の一部を秘匿したうえ、同四三年六月二〇日、所轄の前記名古屋西税務署において、同署長に対し、その所得金額が二一二六万六六七三円、これに対する法人税額が六六三万六一〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もつて、右不正の行為により正規法人税額と申告法人税額との差額七五二万八四〇〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人兼被告会社代表取締役山本金一の昭和四五年六月一〇日付、同年六月一一日付各検察官に対する供述調書

一、被告人兼被告会社代表取締役山本金一の各大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官の昭和四五年五月八日付告発書

一、登記官作成の登記簿謄本

一、大蔵事務官作成の昭和四五年三月三日付各証明書

一、大蔵事務官作成の各確認書

一、山本うめ子の各検察官に対する供述調書

一、山本うめ子の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、伊藤本春の各検察官に対する供述調書

一、右同人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、丹羽すみ江の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、島岡千秋の検察官に対する供述調書

一、右同人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、河村弘幸の検察官に対する供述調書

一、右同人の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、加藤明久、岩瀬弥七、伊藤茂の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、吉友信、岩瀬弥七、伊藤茂、平野嘉男、伊藤昌雄の各検察官に対する供述調書

一、山本うめ子、伊藤本春、白川弘、奥野晧、各務宇規夫、上田成雄、池山英男、今枝均、高橋昭久、加藤国光作成のの各上申書

一、検察事務官作成の昭和四五年六月一五日付捜査報告書

一、同架空仕入支払内訳明細、架空修繕費等支払内訳明細

一、中央相互銀行浄心支店長作成小幡猛の各元帳等写

一、右同人作成の当座勘定元帳写

一、瀬戸信用金庫押切支店横山勝彦作成の各普通預金元帳等写

一、右同人作成の当座勘定元帳写

一、愛知信用金庫金山支店長水野義彦作成の普通預金元帳等写

一、同金庫山田支店長伊藤悦美作成の普通預金元帳等写

一、愛北信用金庫本店営業部夫馬貞一郎、愛北信用金庫犬山支店長関戸知治、同金庫小牧支店犬飼謙一、同佐藤和春、一宮信用金庫神明津支店高田和三郎、同金庫本町支店青木秀雄、大垣共立銀行春日井支店小沢透、同銀行小牧支店北村公一、同銀行名古屋支店村田俊太郎、同銀行若原喜義、岡崎信用金庫上前津支店杉浦恭祐、協和銀行一宮支店金田文男、同銀行犬山支店小竹森正次、同銀行新栄町支店奥村昭造、同銀行浄心支店田村健造、岐阜相互銀行小田義則、神戸銀行高辻支店木田郁夫、同銀行名古屋駅前支店小林繁、幸福相互銀行金山支店富田保各作成の各普通預金元帳等写

一、右同人作成の諸手形記入帳写

一、滋賀銀行彦根支店行村秀雄の定期預金記入帳等写

一、十六銀行一宮支店の普通預金元帳写

一、瀬戸信用金庫赤津支店川本武光の各定期預金元帳写

一、同金庫恵方支店前田英富作成の定期預金元帳等写

一、同金庫共栄支店藤井賢三作成の定期預金元帳写、定期預金カード写

一、同金庫品野支店藤井澄三作成の各自動継続定期預金等写

一、同金庫十三橋支店伊藤武行、同本店鈴木正人、同金庫本町支店酒井正造作成の普通預金元帳等写

一、同水野支店加藤正和作成の各定期預金元帳写

一、同瑞穂通支店大竹新吾作成の定期預金元帳等写

一、同守山支店作成の定期預金証明書写、定期預金元帳写

一、多治見信用金庫名古屋支店高木省吾作成の普通預金元帳等写

一、第一銀行名古屋駅前支店鈴木信夫作成の定期預金元帳写

一、大道相互銀行浄心支店上田成雄作成の普通預金元帳写

一、大栄信用組合一宮支店裵氷喆、中央相互銀行金山支店犬塚鎮義作成の普通預金元帳等写

一、同行江南支店安藤憲一、同小牧支店小川義宏、同静岡支店、同瀬戸支店小竹一雄各作成の普通預金元帳等写

一、同津支店西山巖作成の定期預金カード等写

一、同東郊通り支店大塚辰雄作成の定期預金元帳等写

一、同豊田支店渡辺敏夫、中京相互銀行今池支店広瀬道三、中日信用金庫西春支店山口峻輝、同木村浜三郎作成の各普通預金元帳等写

一、同金庫矢田支店足立章郎、東海銀行浄心支店今井久彦、同銀行八事支店鬼頭雲集各作成の各普通預金元帳写

一、右同人作成のマイクロフイルム等写

一、同銀行犬山支店榊原俊夫、同銀行大野支店中村賢造作成の各普通預金元帳写

一、同銀行大須支店阪野博作成の入金伝票定期預金写、定期預金元帳写

一、同銀行車道支店岩井重雄作成の普通預金元帳等写

一、同銀行小牧支店牧野重幸、庄内支店久野昭三、瀬戸西支店中川清音、豊田支店天野和茂、則武支店佐友重男、守山支店鷲見逸郎、東春信用組合旭支店前田善彦、同味岡支店長田末雄の各普通預金元帳等写

一、右同人、同組合黒川支店岡崎光治、同組合本店松下順一郎作成の各普通預金元帳写

一、同組合錦通支店牛田正雄、同平針支店溝口和光、豊田信用金庫本店下田敏夫、同金庫三好支店朝居薫、名古屋信用金庫下之一色支店村井一也、同金庫大曽根支店山口広志、名古屋相互銀行上前津支店加藤光雄、同行川原通支店杉浦三郎、同行津島支店桜井誠爾、同行豊田支店加藤剛志、同行枇杷島通支店三宅正彦、同行港支店小田和三作成の各普通預金元帳等写

一、名古屋信用金庫下之一色支店村井一也作成の普通預金伝票等写

一、日本勧業銀行名古屋駅前支店宮本一蔵、尾西信用金庫一宮支店大野誠一、尾北商工信用組合羽黒支店稲垣高次、同組合本店早川紀吉、福徳相互銀行名古屋支店幸西広一、福岡銀行名古屋支店脇坂泰寿作成の各普通預金元帳等写

一、住友信託大阪駅前支店岡田勇太郎、同京都支店浜田芳久、同名古屋駅前支店八木敬三作成の各貸付信託申込書等写

一、右同人作成の異動明細表等写

一、右同人作成の貸付信託申込書等写

一、大和銀行名駅前支店柚木努作成の指定金銭信託残高明細表写

一、同行服部米治作成の指定金銭信託元帳写

一、東洋信託銀行名古屋支店村井益雄作成の貸付信託申込書等写

一、三井信託銀行梅田支店鈴木敏元作成の信託記入帳印鑑等写

一、同行栄町支店海老沢利夫作成の金銭信託異細明細写及び証明書写

一、三菱信託銀行名古屋駅前支店藤野健彦作成の貸付信託申込書写

一、右同人作成の金銭信託残高明細写

一、同行梅田支店須藤忠保作成の貸付信託申込書写及び金銭信託明細写

一、安田信託銀行名駅前支店小林茂一作成の貸付信託受益元簿写、貸付信託収益配当金明細写、貸付信託受益証券元簿等写

一、日本長期信用銀行名古屋支店猪股正昭作成のランデブー投資元帳等写二通

一、同行同支店村田雅信作成のランデブー投資元帳等写

一、大蔵事務官作成の各調査報告書

一、東海銀行浄心支店今井久彦作成の当座勘定元帳等写

一、大蔵事務官作成の昭和四五年五月七日付各脱税額計算書、同説明資料

一、総勘定元帳一綴(昭和四五年押第二七三号の一)

一、元帳一綴(同押号の二)

一、支払手形受払帳(昭和四一年四月二一日-同四二年四月二〇日)一冊(同押号の三)

一、支払手形受払帳(昭和四一年二月二二日-同四二年四月一七日)一冊(同押号の四)

一、支払手形受払帳(昭和四二年四月二一日-同四三年九月二三日)一冊(同押号の五)

一、仕入帳(昭和四〇年八月-同四一年四月)一綴(同押号の七)

一、支払手形帳(昭和四二年四月二一日-同四三年四月二〇日)一綴(同押号の六)

一、仕入帳(昭和四〇年八月-同四一年四月)一綴(同押号の八)

一、仕入先元帳(昭和四一年四月二一日-同四二年四月二〇日)一綴(同押号の九)

一、仕入台帳(昭和四二年四月二一日-同四三年四月二〇日)一綴(同押号の一〇)

一、住所氏名手控帳一綴(同押号の一一)

一、雑記帳(風呂敷付)一冊(同押号の一二)

(法令の適用)

一、被告人株式会社山本建材について

(判示各事実につき) 各法人税法第一五九条第一項、第一六四条第一項

(併合加重) 刑法第四五条前段、第四八条第二項

二、被告人山本金一について

(判示各事実につき) 各法人税法第一五九条第一項

(刑種の選択) 所定刑中各懲役刑を選択

(併合加重) 刑法四五条前段、第四七条、第一〇条(重い判示第二の罪の刑に加重)

(刑の執行猶予) 刑法第二五条第一項

(裁判官 辻下文雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例